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2006年12月 アーカイブ

2006年12月06日

栄養教育プログラム‐全粒穀物について学ぼう! ‐Strategies for Nutrition Education and Health Behavior Change編

 2006年もいよいよ終わりに近づいてきましたね。学校は学期中休める週がなかったくらい常に課題に追われていたので、まだまだ課題はありますが、あと数週間で終わるかと思うとうれしいです。

 今回は以前に紹介した「子供達にヘルシースナックを!」というタイトルで栄養教育プログラムの実践学習を5歳児に行う予定でしたが、ヘルシースナックについて教えるには2回の実践学習だけでは範囲が広すぎてカバーしきれないということでパートナーのローレンとの話し合い、全粒穀物‐Whole Grains(日本でもホールグレインと呼ばれているようです)に絞って教えようということになりました。

 1回の講義は90分。このプログラムを実際に行う前に多くの課題をこなさなくてはなりませんでした。レッスンプランを教授に提出しなければならなかったのですが、これまで授業で習ってきた哲学・理論概念、健康モデルを含んだ栄養教育プログラムを設定しなくてはならなかったり、台本を作成したりとただレッスンを行うだけではなく、1つ1つ段階を踏まなくてはなりませんでした。実感したのは簡単には栄養教育を行えないということ。とてもいい経験でした。

 私達の場合は対象が5歳児だったので文字を多く並べても理解ができないので絵を多く使わなくてはならない、1つの言葉に対して詳しい具体的な説明が必要などいろいろ工夫をしました。担当教授と話し合いを2回ほど行いアドバイスを頂きながらなんとか仕上げました。

 いよいよ本番。1回目は講義中心のレッスンでした。プログラム名は“Grab Your Grains!”直訳すると「自分の穀物をつかもう!」です。


レッスンの流れは:

・イントロダクション‐全粒穀物とは?なぜ精製穀物より栄養があるのか?

・テスト‐子供達が全粒穀物についてどれくらい知識があるのかを試験。絵と具体的な説明を含み答えてもらう。答えはスマイルフェイス、悲しい顔、困り顔の札から判断

・風船を使った実験‐全粒穀物と精製穀物を食べた時の満足感の違い

・お店でどうやって全粒穀物を探す?見分ける?‐市販の全粒穀物の印が入ったシリアルやグラノーラバー(穀物やナッツ、レーズンなどを混ぜて固めたもの)、クラッカー、クッキーを購入し説明

・試食‐実際に上記の市販食品を子供達に試食してもらい、好き嫌いを聞く

・まとめ‐次のレッスンについて説明


 イントロダクションでは全粒穀物の絵を描き、私が実際に穀物になって説明をしました。穀物の形をした被り物が見つからなかったので、胚乳用に黄色のタンクトップを胚芽を示すために金色のベルト、小麦外皮(ふすま)用に茶色のセーターを着用しました。茶色のセーターを脱いで、金色のベルトをはずすと精製穀物になり、栄養が失われてしまうということを説明しました。

 私が全粒穀物になる前に全粒穀物の絵と本物の稲を見せて説明をしたのですが、子供達は口をぽかーんと開けて私達をみているだけ・・・私もローレンも焦りを感じましたが、私が全粒穀物になると興味を持って、1人1人が稲を持ち始め全粒穀物について理解を示してくれました。

 次に実際に市販の食品を見せると子供達はさらに興味を示してくれました。どこの国でも子供達は食べ物が大好きなんだなということを強く実感しました。箱に記されている全粒穀物の文字“Whole Grains”や絵を見せて精製穀物のみの食品と全粒穀物を使用した食品の見分け方を説明しました。実際に子供達に箱のどこをみて全粒穀物と判断するかという質問を繰り返し続けました。頭にインプットしてもらいたかったので。

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 いよいよ試食の時間。子供たちが一番楽しみにしていた時間。用意した6種類ほどの全粒穀物を使用したシリアルから試食をしてもらい、子供達の反応を見ました。1人1人味覚が違い反応がとても興味深かったです。

 ご存知の方も多いかと思われますが、アメリカのスーパーマーケットに行くと数え切れないほどのシリアルが並んでいます。私達が使用した企業はケロッグ、クウェーカーオートミール、ナビスコ、クラフト、ジェネラルミル。1つの会社だけでも多くのシリアルを販売しており、最近の健康志向からか“Whole Grains”を強調するパッケージのものが多く目につきました。私自身、全粒穀物を使用した市販の食品について疑問が出てきました、詳しくは2回目の実践学習が終了してからお伝えしたいと思います。

 レッスンに話は戻りますが、試食後に子供達に今日習った全粒穀物について聞くと「Healthy!(健康な食物)」、「お父さんやお母さんに家にある全粒穀物について聞いてみる」などうれしい感想が返ってきました。

 最後にお土産に試食した中から一番気に入った食品と稲を持って帰ってもらいました。次回は全粒穀物で料理をしよう!です。

ジェネラルミル
http://www.generalmills.com/corporate/index.aspx
ケロッグ
http://www.kelloggs.com/us/
クウェーカーオートミール
http://www.quakeroatmeal.com/index.cfm
クラフト
http://www.kraft.com/default.aspx
ナビスコ
http://www.nabiscoworld.com/default.aspx

2006年12月09日

栄養教育プログラム‐全粒穀物について学ぼう!‐Strategies for Nutrition Education and Health Behavior Change編

 前回の栄養教育プログラム実践学習「全粒穀物について学ぼう!」の2回目のレッスン「Cook Your Grains!」「全粒穀物を使って料理をしよう」をご紹介します。

 まず前回の講義中心の授業のおさらいから。子供達に全粒穀物についての全粒穀物とは何か?どんな食品に含まれているか等の質問をしました。思っていたより良い答えが返ってきたので今回のレッスンにスムーズに移ることができました。

 次に全粒穀物を使って実際に料理をしました。レシピはオートミールチョコチップクッキーでした。材料1つ1つに説明、質問(どれが全粒穀物?どれが脂肪?どれが乳製品?)をしながら生地を作っていきました。

 クッキーを焼いている間にCheeriosというドーナッツ型をした全粒穀物シリアルでネックレスとブレスレットを作りました。子供達にとってシリアルを糸に通すのが意外と難しかったようでしたが途中で飽きてやめる事なく、「手伝って~!」と私たちに助けを求めながらも仕上げてくれました。

 クッキーが焼きあがり、試食の時間。子供達はクッキーを見ると自分達で作ったんだ!と喜んでいましたが、ネックレスとブレスレットを作りながらシリアルを食べていたのでお腹がいっぱいになってしまったらしくなかなか手をつけようとしませんでしたが、食べ始めるとおいしいと言いながら食べてくれました。

 クッキーを試食している間に1回目のレッスンで行ったテストをもう一度、レッスン後に行い、どれくらい全粒穀物について知識が身についたか試験をしました。質問内容は前テストと同じ。絵と具体的な説明を含んだ質問に答えてもらう。答えはスマイルフェイス、悲しい顔、困り顔の札から判断してもらいました。結果は前テストよりも良く、たった2回のレッスンだけでも効果が表れるのだと思いました。

 最後に子供達に全粒穀物レッスン終了証書を渡しました。一人一人、証書に書いてある内容に同意をするともらえます。内容は「もっと全粒穀物を食べる」「お母さんやお父さんに全粒穀物を買うように薦める」「スーパーマーケットに行った時には全粒穀物を探す」です。子供達はCheeriosネックレスとブレスレット、クッキー、証書を嬉しそうに持ち帰りました。

 無事に2回のレッスンが終わりましたが、予期しない事が次々起こるので本当に余裕を持った準備は大切だということ、時間配分をきちんとすることをとても実感しました。5歳の子供達に全粒穀物について教えるということはとてもチャレンジな事だったと思いました。

 しかし効果が出ている!と感じた日がありました。それは以前に紹介したパム先生の2人の息子のうちの弟のギャリソンは今回の全粒穀物レッスンの参加者の1人でした。先生の息子達をベビーシッターをしている時にクリスマスも近かったのでもちろん全粒粉を使ってクッキーを作ることにしました。その時に全粒粉と小麦粉を並べて、こっちは「全粒粉よ」と言うと、ギャリソンはとても喜んで全粒穀物とは何かと説明をし始めました。とてもうれしかったです。

 パム先生曰く、レッスンの次の日の朝食でギャリソンはシリアルの箱の全粒穀物の絵を探して、家族に説明をしていたそうです。

 小さい時に栄養・食について教えるということは大事なのことなんだとつくづく感じました。

 このクラスの最後2回はクラスメートがそれぞれ行ったプログラムを紹介しました。クラスメートが教えた参加者の対象は私達の5歳児から、小学生、中高生、妊婦、エイズ患者、老人でした。皆それぞれユニークなアイディアを持ってこのレッスンに取り組んだのだとつくづく実感しました。そしてこれからの参考にもなりました。今回の2レッスンに必要とした課題はニーズアセスメント、レッスンプラン(表にしたものと台本形式)、レッスンで使用した配布物、前テストと後テストの結果、レッスンを合理化させるための論文でした。大変でしたが、楽しくよい経験もできたのでよかったです。
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