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フード・スタンプ・チャレンジ ~Food Stamp Challenge~

 今回は以前にお伝えした地域栄養論の課題“The Food Stamp Challenge-フードスタンプチャレンジ”の結果報告です。この課題はアメリカ政府からの無収入・低所得者層への栄養補助プログラムの“Food Stamp Program”を実際に体験することです。食費$35.47(3600円位)で1週間を過ごした後、7日間分の食費の計算、実際に摂取した食品の記述と栄養計算、そして貧困層やアメリカの食糧事情について書かれた論文や新聞記事を読み、その感想と自分の体験談を書いて提出しなくてはなりません。

 今回のチャレンジ前に考えた事、工夫した点を挙げると;

・学期中のため忙しくても1日約$5ドルまでの出費範囲でお腹を満たすにはお腹の空き具合に合わせてカフェやお店に行けないので料理に時間を費やさなくてはならない

・栄養バランスの重要性、夜中まで勉強をしなくてはならないので、空腹すぎては集中力が持たないのでなるべくお腹にたまる物を食べたい

ストレス発散のために料理をするくらい好きなのですが、本当に忙しくて時間がありません。でも今回を機にまた料理の重要性を感じました。

チャレンジ1日前‐買い物‐
 ざっと1週間分のレシピを考え、自宅にある調味料やお茶などをざっと計算し、近所のスーパーマーケットに行きました。ポイントは$35.47“しか使えない”と考えず、$35.47“も使える”と考えて買い物をした事です、気分が違います。購入したものは有機栽培玄米、ブロッコリー、ケール(葉類の一種)、トマト、玉ねぎ、キャベツ、ニンジン、レタス等。カリフラワーなど他の野菜にも惹かれましたが少々値段が高めだったので諦めました。次にファーマーズマーケット(農家から直接買う)に行き、りんごを7つ購入。自宅にある食料品を1週間分で計算し、購入したものを合計したらぎりぎりの$35.32でした。

作り置きメニュー
 朝食用のバナナマフィン、1週間分のキャベツの酢漬け(サワークラウトと言いたいところですが発酵させる時間がないので)、味噌をベースにした野菜のスープ5回分、豆腐のハンバーグ3回分を作り、スープとハンバーグは冷凍しました。

メニュー
 朝食‐全粒粉のトースト1枚にゴマペースト又はバナナマフィン1個、キウイかりんご、紅茶
 昼食‐サンドイッチ、パスタ、ご飯類
 おやつ-フルーツ(りんご又はキウイ)、バナナマフィン(もし朝食に食べなかったら)プレッツェル(ドイツが由来のパンをスナックにしたもの)、レーズンやナッツを少しずつ7日間振り分けて。
 夕食‐パスタ類やご飯類

 上記のメニューに1週間分の野菜を組み合わせました。例えばパスタにレタス、トマト、ツナを混ぜてサラダ風にしたり。

 チャレンジ3日目までは料理や計算をしながら1食1食を楽しんでいましたが、4日目に入ると空腹に耐えられなくなる状態に陥る事が日に数回起こるようになりました。1口食べ始めると気持ちが落ち着いて美味しく頂く事ができ、感謝しなくてはと思うのですが、食べるまでは同じ様な食事の内容を思い出しは「違うものを食べたい・・・」など思ってしまう事もありました。メニューには載せてませんが、玄米に味噌スープなどの生活に飽きてしまった最終日はバナナマフィンを作った時に残った全粒粉と小麦粉でホットケーキを昼食用に作りました。夕食は脂っこいものが食べたくなり、ケールや玉ねぎの残りを細かく刻み、少量の醤油やスパイスで味付けをして天ぷらを作りました。ちなみに7日後に実際に使った食材の金額は$35.16でした。

 学期中なので頭を常に使っている状態+忙しいスケジュールにこの7日間の食生活は体力・精神的に辛く、6日目には勉強する気力と集中力がなくなりました。一般的にお腹が空くとイライラするということは言われていますが、本当に耐えられないようなイライラに襲われたり(これはまだ理性が残っていたので人に当たらず済みましたが)、食べ物の夢を何回も見ました。精神状態は確実に悪かったと思います。

 低所得者層の人達の高脂肪食品や炭水化物(単糖類)食品を多く摂取しがちである事は常に問題になっていますが、こういった食品は安価で一時的に満腹感を得られるため摂取量が多くなる理由がわかります。このような食生活は糖尿病などの疾病や肥満につながる原因と言われているので栄養教育の重要さも同時に感じました。例えばパンを買う時に白いパン(精白された小麦粉)よりも茶色のパン(全粒粉)の方が50‐70セント(60円)高くても健康によく、健康でいられれば高額な医療費の減少にもつながるということを少しづつでいいので低所得者層の人が理解できるようになれるようにがんばって勉強し助けたいと思いました。

 このフードスタンププログラムの受給者の多くは所謂シングルマザーと言われる女性達。仕事も家事も子供の面倒も全て1人でしなくてはなりません。私は7日間の経験のみでしたが、彼らは1ヶ月、半年・・・と続けなくてはならない事を考えると、忙しすぎて健康の事はたとえ頭の片隅にあったとしても、実際に実行する余裕がないのではないかとも思いました。

 もう1つ、この経験を通して思ったことは、バランスのよい食生活を送るための目安として用いられるフードガイドピラミッド(米国:http://www.mypyramid.gov/)に沿った食生活をする事は困難だと言う事。例えば私の年齢、身長、体重を基準としたバランスのとれた1日の理想の食生活は穀物類180gカップ、野菜2.5カップ、果物1.5カップ、乳製品3カップ、肉・魚・豆類約180gを摂取しなくてはなりません。今回のチャレンジではなるべくバランスのとれた食生活を心がけてメニュー作りをしましたが、この理想的な食生活にはほど遠いものがありました。こういった問題も含めて政府や健康に関わるフィールドに人達と消費者を交えた話し合いが必要なのではないかと思います。

 今回の7日間のチャレンジは本当によい経験でした。課題となっていて、提出物があったのでできたのかもしれません。チャレンジ後の次の日にスーパーマーケットに行って、好きなもの、食べたいものを食べれる生活を送れることに感謝の気持ちでいっぱいになりました。人によっては1週間3600円くらいあれば食費として十分だという方もいるかと思いますが、正直、穀物、野菜、肉、魚、豆類をバランスよく料理して食べるのは難しいと思います。またこのチャレンジによって簡単な料理方法をや楽しさを伝えたい思います。

*写真は貴重な味噌スープ1カップ分($1.47=160円位)

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2007年03月01日 23:41に投稿されたエントリーのページです。

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