トランス脂肪酸とカロリー表示規制in New York City
7月1日より、全米で初めてニューヨーク市は飲食施設は調理油などのトランス脂肪酸の使用量を1食当たり0.5g未満に抑えるように義務付けました。揚げ物用の調理油やマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸を多量に摂取すると血中の悪玉コレステロールが増え、心臓疾患や肥満などのリスクが高まるとされるため、アメリカでは2003年辺りから使用規制が検討されてきました。
今回は揚げ物用調理油などの一部の油のみ義務付けられましたが、2008年7月からは焼き菓子などの全てのメニューに含まれるトランス脂肪酸の使用量を1食当たり0.5g未満に抑えるように義務付けられます。
もし規制に違反した飲食店は罰金200ドルから2000ドル(約2万5000円から約24万円)を払わなくてはなりません。今回の規制施行の前から約80%のお店が健康に良い食用油に切り替えたそうです。
また同日にカロリー表示規制も導入されましたが、従わなくても10月1日までは罰則がないため、マクドナルド、バーガーキングやウェンディーズなどのファーストフード業界は当分従わない意向を示しています。
学校の授業でもメニューボードの横にカロリー表示を記載して、消費者の健康意識にどれくらい効果があるのかなど、よく話題になりましたが、メニューの横に同じ文字の大きさでカロリーを表示するだけではなくて、お客さんがカロリー表示を見て、理解した上で何を注文をするか決められるようになるのが大事だと思います。しかし、ファーストフードを頻繁に利用する人にとってはこの規制の効果があるかはどうかは疑問です。
今回の規制が施行されるにあたってトランス脂肪酸や栄養表示についてイマイチ理解ができないという消費者、飲食関係者のために様々な団体が支援を始めました。その1つのニューヨーク市立大学が運営する“Trans Fat Help Center‐トランス脂肪酸ヘルプセンター”のウェブサイトに行くと、トランス脂肪酸0gで揚げ物をつくろう!、いわゆるオリーブ油などを使った揚げ物の作り方や、栄養表示の読み方、何にどれくらいトランス脂肪酸が含まれているかの情報などを見ることできます。しかし、まだヘルプセンターの中でも焼き菓子などに使用されるマーガリンやショートニングの代用については記載されていませんでした。このヘルプセンターはウェブサイトだけではなく、電話でも質問に答えてくれるそうです。
今回の規制は健康増進が目的とは言えども、多くの飲食店には大きな課題が残されたまま。以前、テレビでニューヨーク市の有名なピザ屋さんについて放送されていました。お店の定番のパリッとしたピザ生地を作るにはショートニングを入れるそうで、これからは味や質を落とさず、でもショートニングを使わず従来と同じピザ生地を作りたいと思っているので、研究の日々が続くだろうと言っていました。最後にポロっと伝統を守り続けてきたのに残念だと言っていました。
このニュースを見た時には健康増進に向けて何事も施行するのはいいことですが、複雑な心境になってしまいました。これからあと1年まだ期間はありますが、ニューヨーク市の飲食店にとって多くの課題に取り組む重要な1年になるのではないでしょうか。
ここ数年でアメリカの健康行動指針が大きく動いています。これからどんな変化が起き、規制が私達の健康をどれだけ左右するのか楽しみです。


The New York City Department of Health and Mental Hygiene.
http://www.nyc.gov/html/doh/html/pr2007/pr052-07.shtml
Trans Fat Help Center
http://www.citytech.cuny.edu/notransfatnyc/





























