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Nutrition Education in USA アーカイブ

2008年04月19日

小児肥満問題への取り組み~Alliance for a Healthier Generation~

 前回少しだけ紹介したクリントン財団(ビル・クリントン前大統領)と米国心臓協会が共同で小児肥満問題に真剣に取り組むために設立された「Alliance for a Healthier Generation」について。

 クリントン前大統領は2004年に心臓の4重バイパス手術(quadruple bypass surgery)を受けてから健康的な生活がいかに大切で、米国の深刻な小児肥満問題を予防できるかと積極的に発言をするようになりました。そして米国心臓協会と共同で連合体を設立しました。彼らの目標は:

-2010年までに肥満の増加を阻止する。

-2015年までに小児肥満者数を減らす。

 現在1200万人の子供が深刻な過体重であり、今後5年で更に20%肥満児が増加すると予想されています。これ以上深刻さを増さないために、米国には小児肥満問題に取り組んでいる、このような連合体が数多くあります。

 現在、この連合体が取り組んでいるプログラムは4つ。1. Healthy Schools Program (健全な学校を目指すためのプログラム)、2. Industry Program (食品業界などが提携して学校内の食事、スナックの改善を手伝うプログラム), 3. Kids Movement (子供たちに健康への道(運動や健康的な食の推奨)を導く), 4. Healthcare Program (医者、看護婦、栄養士、保険会社などを含めた医療関係に携わる人達による小児肥満予防への協力)。

 1のHealthy Schools Programは全米の数多くの学校の活動をオンライン、参加型活動の両方を通して健康的な食の提供、運動の機会を増やす、健康的な生活へ導くための教育をサポートしています。

 援助団体の1つである、ロバート・ウッド・ジョンソン財団はHealthy Schools Programのために8億円を提供し、その後プログラムの規模を拡大させるために肥満率の高い8000校のプログラムを充実させるために20億円を与えたそうです。参加校は無料でこのプログラムが受けられます。

 Healthy Schools Programの中のThe Go Healthy Challenge(健康になろう!) と言うオンライン、放送を使用したコミュニティーが基盤のプログラムが子供たちの健康的な生活を促進しています。 このプログラムにはNBA(全米プロバスケットボール協会)や子供番組専門チャンネルのNickelodeonなどが小児肥満防止対策に携わっています。

 学校内に健康的な食事を提供のために、コカコーラ、キャドバリー、キャンベル・スープ、ダノン、クラフト・フーズ、ペプシなどの食品業界も協賛しています。私の学校のプログラムで批判されている会社ばかりなのですが・・・・。

 この連合体は内容が充実していて、肥満率が深刻な学校だけでなく、全米の全ての学校がプログラムに応募し、無料で参加できます。参加が決まるとウェブサイトからだけではなく、直接カウンセリングが受けられるのも魅力的です。この素晴らしいプログラムに多くの学校が参加して、子供の健康問題が改善されるといいですね。

 このような連合体を通して、少しでも多くの子供達が大人になっても健康体を維持でき、その有難さを感謝できるようになって欲しいです。

*写真はこの連合体のパンフレット
http://www.healthiergeneration.org/

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*Alliance for a Healthy Generationのウェブサイトを見ていただくとわかるのですが、ゲームや学校内の栄養・健康プログラムを行うためのツールが無料でダウンロードできます。


2008年05月24日

大学カフェテリア(食堂)の栄養教育の取り組み

 コロンビア大学には学部ごとにカフェテリアがありますが、正直なところ、味と内容はイマイチ・・・。ヘルシーチョイスとなると、サラダやフルーツが中心になり、サラダもドレッシングを控えてと一言添えなければ、ドボドボと混ぜられてしまい、ヘルシーではなくなってしまいます。

 私はあまり学校のカフェテリアは利用しないのですが、私の学部にあるカフェテリアはヘルス・フェアを行ってから、栄養や健康についてもっと気を使うようになったと知りました。

 カフェテリアはセージ・ダイニングサービス(SAGE Dining Services)を利用しており、SAGEが作った “FUSE‐ Food U Should Eat”という栄養教育プログラムを取り入れました。

 FUSEとはFood U Should Eatの略で、直訳すると“あなたが食べるべき食べ物”になるでしょうか。このプログラムは学校のカフェテリアでどんな食べ物を選択すれば健康を保てるか、忙しい大学生活でバランスの取れた食事の仕方などを提供します。

<FUSEの2つの主な特徴>

1.学生に配布されるパンフレットの中で特に栄養豊富(ビタミンやミネラルなど)な食べ物にはFUSEのロゴマークが付けられており、積極的に摂取しなくてはならないと理解できる。

2.カフェテリアの全てのメニューには緑、黄、赤の丸い点で色分けされており、栄養価が理解できるようになっている。緑は常に摂取、黄色は普通に摂取、赤は時々という意味を表している。色分けは食物の種類によっても分けられている。

緑:野菜、果物、脂身の少ないたんぱく質、低脂肪の乳製品、ビタミン、ミネラルの豊富な食べ物。

黄:全粒穀物、パン、米、シリアルなど。緑の点の食べ物との摂取が薦められている。

赤:ハンバーガー、フライドポテト、砂糖を多く含むデザート、脂肪分、カロリーの高いもの。週に1-2回の摂取が好ましい。

<FUSEプログラムの5つの助言>

1.食事のスケジュール管理:朝食を食べて、一日をスタートさせよう。きちんと1日3食と適度なスナックを摂れば、エネルギーが蓄えられ、代謝も活性化される。

2.バランスの取れた食事:カフェテリアの色分けされたメニューをうまく活用して、野菜、果物、全粒穀物、脂肪分の少ないたんぱく質、乳製品など様々な食べ物をバランス良く食べよう。

3.水分補給:適切な水分補給は健康をベストに保つためにも必要です。水が好ましい。

4.骨の強化:カルシウムの豊富な食べ物を積極的に摂取しよう。牛乳が嫌いなら、低脂肪のヨーグルトやチーズ、又は乳製品に代わるカルシウム豊富な食べ物を摂取しよう。

5.適切な量を食べよう:どんな食べ物をどれくらい食べるかということを知る事はとても大切なこと。最初は少なめに食べ、それでもお腹が空いているようだったら少しだけ追加して食べよう。


 FUSEのプログラムは栄養の知識が全くない人、学生にとても分かりやすく説明されています。若い時に必要な適切な栄養を摂取する事はこれからの長い人生にとても重要です。私の学校にも取り入れられたこのプログラム、うまく活用したいものです。

*写真は見にくいのですが、色分けされたメニュー表示:アボカドサラダ、黄色の丸い点がついています。もう一枚はFUSEのロゴマーク。

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2008年07月05日

食中毒を防ぐために

 6月初めに米国でサルモネラ菌に汚染されたトマトにより食中毒が発生しました。その時のインターン先は弁護士事務所のカフェテリアでしたので、生産場所などに気をつけていました。食中毒のニュースが出た直後にシェフやスー・シェフがメキシコ産のトマトを届けないようにと業者に連絡したにも関わらず、キッチンにメキシコ産が届き、業者に不信を抱いたのを覚えています。

 私はなるべくニューヨーク近郊で採れた物を購入するようにしていますが、そうでない時はきちんと生産場所を確認するようにしています。ちなみにトマトはグリーンマーケットで買うようにしています。

 先日、体重を少し落としたいという友人から大腸菌(E.Coli)やサルモネラ菌による食中毒を防ぐ野菜の扱い方を聞かれ、6月に履修していた授業で食品安全について学んだにも関わらず、今まで自分も十分に気をつけていないことに気づきました。彼女にした最低限のリスクを防ぐアドバイスは:

-手をよく洗ってから調理にかかる。当たり前のことですが、アメリカではよく手を洗わない人を見かけます。

-野菜や果物が新鮮そうに見えても必ず洗う。アメリカではほうれん草やレタス、野菜炒めがすぐできるようになっている千切りキャベツや人参のミックスなどがプラスチックバッグに入って販売されているのですが、特にそのような野菜は良く洗うこと。プラスチックバッグの中では特にバクテリアが繁殖しやすい。バッグに入った野菜の賞味期限をきちんとチェックする。

-土やその他の汚れ、バクテリアを落とすために面倒でも2、3回は冷たい流水で洗う。

-アルファルファやブロッコリー、豆のスプラウト(新芽)は大腸菌とサルモネラ菌の発生の原因になりやすいので、なるべく避ける。正直、私はアルファルファが大好きなので、良く洗って食べていますが。

-作ったサラダなどはなるべく1回で食べきる。

 野菜の洗い方ではないのですが、私が個人的に気をつけているのが、大豆製品です。以前、納豆が原因で食中毒にかかったことがありました。こちらで販売されているのは冷凍されたものが空輸で届き、販売されるそうなのですが、たぶん解凍されている時に菌が繁殖したのかもしれません。納豆は好物なので欠かせないのですが、購入する時には気をつけています。 豆腐の賞味期限やパックから透き通って見える水のにごり具合も気をつけてチェックします。

 気を使いすぎるのも良くないのかもしれないのですが、食中毒はいつ、どこから発生するかわかりません。やはり気を使いすぎくらいの方がいいのかもしれませんね。

*写真はトマト、インターン先のキッチンスタッフのために作った手の洗い方を説明したパンフレット。

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2008年07月18日

本格的に始まったカロリー表示義務付け

 ニューヨーク市の保健局により5月5日にニューヨーク市の15店舗以上チェーン店を持つレストランはメニューの横にカロリーを表示が義務付けられてから2ヶ月半が経った今日、7月18日に本格的に立ち入り検査が行われます。カロリー表示義務付けに従わないと見られた場合、$200から$2000(2万円から20万円)の罰金を支払わなくてはなりません。

 カロリー表示の義務付けが施行された理由の1つはニューヨークの人たちの糖尿病と肥満の防止・解決対策なのですが、この条例が施行される以前から私の学校では多くの情報交換とディスカッションをしました。カロリー表示をして、消費者の健康に関する意識と知識を高めることができるかわりに、カロリー表示だけに惑わされないような栄養教育が重要視されてくると思います。とくに貧富の差が大きなニューヨーク、そして健康志向な人の多くは生活に余裕のある人が多く、低所得者の人達はどうしても財政問題が最初の壁となりがちで、「とにかく食べなくてはならない」という意識が強いため、栄養教育者や他の医療関係者にとって、どのような情報提供と教育をするかがこれからの大きな課題になっていくと思います。

 この条例が施行されてから、どれくらいの人がカロリー表示を気にするようになる/なったのか気になっていたところ、クラスメートが学校の近くのレストランのカロリー表示とお客さんの反応の調査をしているという事を知り、さっそく今回の条例にどのような効果が表れているのか聞いてみました。

 カロリーが表示されるようになってから低カロリーのメニューを選ぶようになったというお客さんが結構多いそうですが、実際に低カロリーのものを注文する人、言い訳をしながらいつものメニューを選ぶ人の割合は半々くらいだそうです。

 外食する時くらいは好きなものを思いっきり食べたい派なのですが、カロリーが表示されるようになってからはやはり気にするようになってしまいました。友人が調査しているレストランは学校の近くということもあり、私もたまに利用しますが、お気に入りメニューが1食で700キロカロリーもあることがわかりました。アメリカに来た当初はそのメニューの半分しか食べられなかったのに、今では問題なく完食です。食生活にはそれほど問題はないけれど、なぜ体重が増えたのかわからないなんていう言い訳はもう通用しなさそうです。

 カロリー表示が義務付けられているコーヒーチェーン店スターバックスは今秋から栄養価の高い軽食のオプションを増やすそうです。すでに“Skinny Latte – スキニー・ラテ、”も販売されています。スキニーとは「やせこけた、細すぎる」という意味で、やせている人に対して使われる単語であり、あまりよい褒め言葉ではないのですが、たぶんこれを飲んでも太らないよ、なんていう意味なのだと思います。スキニーラテとは脂肪分2%又は無脂肪の牛乳とシュガーフリーのシロップで作ったもの。小さなサイズ(12fl oz=354cc)で90カロリーしかも脂肪分はゼロ。少し甘いものが飲みたいけれど、カロリーが気になる時などには良いオプションかもしれませんね。でもシュガーフリー製品は個人的に避けたいです。ちなみにお気に入りのスターバックスのスコーンは400カロリーもあり、カロリーは高いだろうなとは思っていたのですが、食べたい時には食べる=運動すればよい、だったのですが、これからはやっぱり気にしてしまいそうです。

 スターバックスがカロリー表示の義務付けを機に新たな商品を開発し始め、前向きに動いていると思えば、ダンキンドーナッツのようにしぶしぶ、不公平だと騒ぎ立てるところも。確かにダンキンドーナッツはドーナッツがメインで揚げ物なので、高カロリーになってしまいます。ヘルシー系の全粒粉のドーナッツのカロリーも220カロリーと低いとは言えない値、低脂肪のブルーベリーマフィンも低脂肪だけれど、カロリーは高く400カロリー。ビジネスを良い方向に保ちながらも栄養価の高いもの、低カロリー商品を販売するのは大変なのが納得できます。ニューヨーク市民のため、国の健康対策をポジティブに捉えて頑張って欲しいですね。

*写真は近所のダンキンドーナッツ店内のメニュー。カロリー表示が見当たらないと思ったら、写真中の一番左のボードはカロリー欄でした。

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Starbucks
http://www.starbucks.com/default.asp

2008年08月18日

食、健康そして環境について考える

 8月9日の土曜日から5日間に渡り行われた「Rethinking Food, Health, and the Environment: Making Learning Connections(食、健康、環境の繋がりを考え直す)」という学会のお手伝いをしました。

 この学会の目的はカリフォルニア州バークレー市にあるThe Center for Ecoliteracy:CEL(エコリテラシー・センター)とコロンビア大学教育大学院の栄養教育プログラムが共同で学校やコミュニティに所属する教育者、環境活動者、親などを対象にヘルシーな学校給食改革や学校庭園、栄養・食教育のカリキュラムの進め方を指導することで、7月の終わりにカリフォルニア、そして今回はニューヨークで行われました。

 アメリカ中から参加者が集まり、ニューヨーク会場の時にはアメリカを真ん中で割って東側の州から約30名集まりました。またカナダ、ブラジル、イスラエルからの参加者もいました。2名から4名ほどのグループでの参加者が多かったです。ニューヨーク市近郊からの参加者以外はコロンビア大学のゲストハウスに滞在しました。日程は5日間びっちり詰まっていて、朝8時から始まる朝食から5時まで行われるカリキュラムに全員参加しました。

 5日間のスケジュールの午前中はニューヨーク市保健社会福祉省から代表者が学校給食の改善対策についての発表、栄養教育プログラム教授のイザベル先生の栄養教育プログラム開発の研究発表などに当てられました。午後は用意された2つのワークショップ(学校栄養教育、又はカリキュラム(栄養、科学教育のカリキュラムの進め方))の内、興味のある方に参加します。それと同時に2~4人が組んでチームを作り、自分たちで課題(例:環境問題を重視した学校作りや学校庭園構築計画など)を作り、最終日に行われる発表会までチームワークを行います。

 私はカリキュラムのワークショップの手伝いを行いました。このワークショップは以前に私がパートタイムで働いていた時にご紹介した、LiFE(Linking Food and the Environment)プログラム(学内の食と環境センター)から出版された”Growing Foods (小学4~6年生対象:植物、野菜の成長過程を学ぶ),” “Farm to Table(小学5~6年生対象、:農場から食卓にあがるまでの食べ物製造過程などを学ぶ),” and “Choice, Control and Change(小学6年生、中学1~2年生対象:何を、どのように選択し健康な体を作り、また食生活を送るかを学ぶ)” を使いながら参加者(主に先生が多かったです)に教授法を教え、コロンビア大学の栄養教育プログラムの研究結果や経験も伝えながら行われました。やはり5日間という集中講座に出席するだけあり、参加者はとても真剣に取り組んでいました。

 3日目に行われたフィールドトリップではユニオンスクエアで開かれるファーマーズマーケットへ行き、その後はチェルシー地区にある公立校の学校庭園プロジェクトを訪れました。それについては次回ご紹介しますね。

*写真はチームワークやプレゼンテーションの光景


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(壁に3枚ポスターが貼ってあるのですが、テキストの表紙)、

The Center for Food and Environment,
Teachers College Columbia University
http://www.tc.edu/life/index.html
Growing Foodsのテキストはここから購入できます。
http://www.gardeningwithkids.org/11-3300.html
テキストの内容・説明
Growing Foods
http://www.tc.edu/life/growingfoods.html
Farm to Table
http://www.tc.edu/life/farmtotable.html
Choice, Control, and Change
http://www.tc.edu/life/choice.html

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