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People in NY アーカイブ

2006年10月12日

ニューヨークで出会った人々:インタビュー ①Kochファミリー

 これから私がニューヨークでお世話になっている人、尊敬する人についてもお話していきたいと思います。今回は前回のピラテスの記事でも紹介したパム先生と彼女の家族についてお伝えします。

 私の学校の先生でもあり、友達でもあるパム先生と知り合ったのは4、5年前ですが、昨年くらいから一緒に過ごす時間が多くなり、仲良くさせて頂いています。ちなみにKoch(コック)はパム先生の苗字です。

 パムは現在私が所属する栄養教育学プログラムの中で行われている研究プロジェクト「LiFEプログラム」(子供のための科学と栄養教育に関する研究) のディレクターを務めています。(私がLiFEプログラムに参加し始めたのは2005年の夏で、現在もメンバーの一人として働いています) 彼女はプログラム内で5、6人分の仕事を1人でこなしているのではないかと思うくらい忙しく、プログラムにとって重要な存在です。

 パム先生は週5日LiFEプログラムで働き、私の履修するクラス“栄養教育の戦略”を火曜日に受け持ち、毎週木曜の夕方に開かれる農家と消費者及び産直・農産物のネットワークであるCSA(Community Supported Agriculture)のメンバーでもあるので野菜を取りに行ったり、CSAは教会を借りて行われているので当番があり、当番の時には教会を掃除したり、そして7歳のベンと4歳のギャリソンの母親であり、ご主人のアロンさんの妻でもあります。そして週3日の早朝ピラテスは欠かさず・・・・聞いているだけで本当に目の回る忙しさですが、いつも笑顔でとてもパワフルです。

 私がニューヨークに着いてアパートに引っ越せるまで10日間ほどパム先生の家に滞在させてもらっていましたが、本当に1日フル回転!ある日、どうやったらそんなにEnergetic(パワフル)でいられるの?いつ気(体)を休めているの?と聞いてしまいました。「Have to be」パワフルにしていないと全てこなせない、しかも気が休められるのはオフィスだと・・・。

 パム先生は2人の息子さんとご主人のアロンさんとの4人暮らし。パム先生がどれだけ環境に気を使って生活をしているかは知っていましたが、一緒に住んでみて本当に徹底しているのを見て、大きな刺激を受けました。環境、食、農業、汚染問題などについて深く考えさせられるような栄養生態学の授業を取っているのでパム先生のような生活に関心が高まります。

 まずごみの仕分け、ニューヨークは地域によって分別を徹底しているところとそうでないところの差が大きく、日本のようにこまかーくありません。しかしパム先生のお家は紙、ビン、缶、可燃物としっかり分けていて、生ごみはもちろんコンポスト。コンポストとはたい肥化の事で、生ごみをリサイクルして肥料にする方法です。週一回ご主人のアロンさんがグリーンマーケット(ニューヨーク市内で行われる週数回の野外市場)に持っていきます。パム先生も栄養教育学プログラムの所有する部屋の一室に置いてある堆肥ボックス?に自宅の生ごみを持ってきています。野菜・果物の皮はもちろん、使用後の紅茶の葉もコンポストに。

 次にKoch家が心がけていることは食べ物。なるべくオーガニックの商品を地元産の食材(ローカルフードと言います)を購入すること。野菜や果物は主に木曜のCSAから、朝食とランチボックスのパンや乳製品は週2-3回コロンビア大学の前で行われるグリーンマーケットで地元産の物を購入。先日も夕飯に招いてくださり、そのときに赤ワインを頂いたのですが、そのワインもニューヨーク産。とにかく地元の農家を助けたい!という強い思いがとても伝わってきて、私も最近はなるべくニューヨーク又はお隣のニュージャージー州の農産物を購入するようにしています。

 パム先生とアロンさんの子育て方針のほんの少しを紹介します。必ず朝食は家族揃って食べる事。10日間一緒に朝食を食べましたが、子供達の学校の様子や放課後の様子が聞けて話し合いができる貴重な時間だと思いました。それと子供達に外食の経験は大事ということ。私も同じ考えです。もちろんマナーを覚えるだけではなく多くの種類の食べ物に接する経験ができるからです。パム先生一家は毎週日曜日に教会に行くのですが、その帰りに行くチャイニーズレストラン(中華料理)は子供達の唯一の楽しみだそう。

 ところで日本食は?と聞くと食べる機会がないというので何かご馳走をしたいと思い、いろいろ考えました。日本食というと、とにかく寿司という発想する人が多いので、寿司だけではないのよというのを知ってもらいたい・・・・煮物等は口に合わないかな?餃子・シュウマイだと中華じゃない?天ぷらは?等、いろいろ考えた挙句、カレー(インド?)を作ったのですが、一応ジャパニーズカレーと紹介しました。市販のルーは使わずカレー粉や他のスパイス、大量の玉ねぎ入れて作りました。もちろん野菜だけ。7歳のベンくんは食べ物が大好きでとても味にうるさいそうなのですが、生まれて始めてこんなにおいしいものを食べた!と喜んでくれました。

 とてもうれしかった。正直口に合わなかったらどうしようと思っていたので。

 これを機に海外で言われている日本食とはなんだろう?と考えました。海外にいると日本人が日本食は体にやさしくて一番おいしいよねと話しているのをよく聞くけれど、納豆ご飯、梅干、海苔に味噌汁・・・・こういう食事のおいしさは日本人以外の人(もちろん全員とは言いませんが)に理解してもらうのって難しいと思います。やはり海外でいわゆる日本食と言われ、人気なのは寿司、天ぷら、とんかつ、唐揚げ、牛丼などでしょうか?日本食に関する意識調査をしてみますね。

 いろいろ話が脱線してしまいましたが、パム先生とはこれからも多くの時間を過ごすと思うので、また紹介したいと思います。

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2006年11月08日

ニューヨークで出会った人々:インタビュー ②栄養生態学: Toni(トニ)先生

 私のお気に入りの授業の1つ、栄養生態学ではジョアン先生(以前にオーガニックガーデンで紹介しました)とトニ先生の2人が教鞭を取っていますが、今回はトニ先生にインタビューをしてきました。私がなぜトニ先生に興味を持ったかというと、先生は社会学がもともとの専攻で、授業の中でもよく地域社会と食、栄養、環境を繋げた話題が取り上げられたからです。

 トニ先生はマサチューセッツ州出身のとても保守的な家族で育ち、3人のお兄さんの後の待望の女の子しかも末っ子だったので、お父さまに大事にされ、のほほんと育てられたためか?大学進学の際、何を専攻したらいいかわからず、なんとなく興味のあった社会学を専攻したと言っていました。

 大学卒業後、国民が低所得者を助け貧困を撲滅という目的で創設されたAmeriCorps VISTA (Volunteers in Service to America)-アメリコープ(ボランティア活動)http://www.rcaa.org/vista/index.php のメンバーとして一年間カンザス州で活動をされました。それまで栄養学にはそれほど興味はなかったそうですが、お母さまが1日3食きちんと手作りしてくれていたので料理がいかに大事かというのは常に思っていたそうです。

 アメリコープのメンバーとして活動をしている時に興味を持ったのが、低所得者の人々が何を食べているかということ。政府からの援助で支えられている低所得者の人たちの食生活はひどいものだったそう。送られてくる食料はすでに腐っているもの、でこぼこになった缶詰、袋に穴が開いているもの。とにかく心が痛んだと言います。そのときに先生は“食べ物はどこからくるのだろう?”と思い始め、栄養学や食に対する興味が高まったそうです。その後Food Stamp(低所得者世帯が毎月政府から受け取る券(電子カード)で食料の購入時、定められたレストランで使用可能)の導入に参加をして少しでも低所得者の人たちの食生活が良くなるように活動したそうです。

 その後、コロンビア大学大学院で公衆衛生学修士を取得しましたが、その時点でまだ自分が求めているものに出会えなかったそう。食物連鎖や人々と食の関わりについて追求したいと情報を集めている時にコロンビア大学教育大学院の健康と行動の研究プログラムに栄養生態学があるということを知り、それがジョアン先生との出会い。その時にこれが私の求めていたもの!と思ったそうです。そこで教育博士号を取得し、その後ニューヨークで低所得者と栄養教育プログラムに関する仕事に就いたり、多くの経験をして今に至ります。

 私は数字で学ぶ栄養学(1日炭水化物は何グラム・・・等)も大事だと思いますが、人々が健康で幸せに暮らすには良い食の環境の改善や維持が大切だと思っているので、同じような考えを持つ先生と多くの話題で盛り上がりました。

 先生は今月末からイタリアにスクールミール(学校給食)の視察に行きます。先生曰く、イタリアの学校給食が大きく変わってきているそうです。視察後の先生の報告がとても楽しみです。

 経験豊富な人に話しを聞くと本当に知識より経験、体で覚えることの大切さをとても感じます。私もこれから多くの経験ができればと思います。

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