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2003年10月 アーカイブ

2003年10月01日

ビール腹はビールのせいではない

 今月の欧州臨床栄養学雑誌の短報によれば、ビールを普通に飲む(1日350ml缶1本から2本)くらいなら、肥満にはならないらしい。つまり、毎日ビール飲んでいるからといって、かならず「ビール腹」とか「ビヤ樽」と揶揄される体型になるとは言えないという。
 ただし、この研究では、単純にビールの消費量とウエスト・ヒップ比を年齢調整して較べると、男性の場合、やっぱりたくさん飲む人のほうがウエストが太いという結果が出ている。しかも、BMI(身長と体重から計算する肥満度の指標)は変化がない。まさに、大して太ったわけではないが、ビールで腹だけが出っ張ったという、あの「ビール腹」体型そのものになっていくようで、要するに、我々の実感というのか、日ごろなにげなしに感じたり言ったりしているビールとお腹の関係というのもあながち間違いではないように思える。
 ただ、間違いではないのだが、正確に言い当ててもいない、ということらしい、どうやら。
 少し寒くなって、もうビールの季節ではないけれど、ウエストの気になり始めた男性諸君はご注意を。この研究ではワイン等のほかの酒類の常飲者は除かれているので、もしかしたらワインやウイスキーなら良いかもしれない。
 また、女性にはこういう関係はない(あるとすればBMI)とのこと。

2003年10月02日

ランゲルハンス島自己抗体とシリアル

 JAMAの最新号に、1型糖尿病に関する研究が報告されている。ともに、すい臓のランゲルハンス島に対する自己抗体の生成に関するものだ。米コロラド独ミュンヘンのグループによるもので、共に離乳前にシリアルなど母乳以外のものを与えるのが悪いという点で一致しているようだ。ただし、あくまでも自己抗体の発現に、である。
 すでに80年代後半から、厳密な母乳児と人工乳児で発現に差があるらしいとか、それは牛乳中のβ-ラクトグロブリンに対する抗体の生成によるもので、実際に発現に差が見られるとか、抗牛血清アルブミン抗体こそ問題だ、などなど、この分野での研究結果は生半な解釈を許さないものがあるが、この論文の緒言を読む限りでは状況はそんなに変わっていないらしい。
 とりあえず、1型糖尿病のリスクがある赤ちゃんはできる限り母乳にして、なるべくシリアルは避けるというのが、2つの論文から導き出される結論のようではある。
 妊婦さんとこれから赤ちゃんができる予定の方は、一応検討してみては?

2003年10月03日

しわあせ



 石森章太郎のマンガ「しあわせくん」の主人公、しあわせくんは、あまりの暑さに汗をかきすぎて、しわあせくん、になってしまう。


 あれは20年くらい前に読んだのだったか、それとももっと前だろうか?


 それはどうでもいいとして、あなたはしあわせ、ですか?


 南米のくらしと、東欧ロシアのくらしは、日本人の経済的視点から見ると同じようなものだとおもう人が多いのではないかと思う。でも、しあわせは本人の気持ちの持ち様である。


 ラテン民族は陽気というが、確かにそのとおりなのかもしれない。ただ、この調査、ほんとうにしあわせを測っているのだろうか? 要するにネアカ(死語。そのむかしタモリが言い出したものであったと記憶する。ネクラの反対語)かどうかを測定しているだけじゃないのか?


 とはいえ、しあわせは大切だ。健康寿命が重視されるのだって、寝たきりや植物人間では幸せ度は低いと思われるからだろう。ただ、実際に健康寿命の算定に幸せ度が繰り込まれているかどうかは定かでない。


2003年10月06日

更年期はいつやってくる?

 人間は子供を作れなくなってからも何十年も生きつづける珍しい動物だという説もありますが、女性はいつごろその能力を失うのでしょうか? それは栄養摂取と関係するのでしょうか?

 というわけで、戦争(対イラク戦争でもベトナム戦争でも、もちろん朝鮮戦争でもなくて、第二次世界大戦)を経験した世代の調査に基づく、少女時代に低栄養だと閉経が早いという論文がありました。でも子供時代の栄養は自分の責任じゃないですよね、多くの場合。

 ところが、近年急速に目に付きだしたタバコを吸う女性の閉経が早いという論文もありました。骨が急速にもろくなる骨粗しょう症は閉経で急激に進みますから、喫煙者はちょっと考えてみたほうがいいかもしれません。もっともそれ以前に、妊娠してもタバコが止められないようだと、かなり問題を残すかもしれませんから、タバコは吸わないほうが良いと思います。男性だって問題は多いと思うけど、母親の胎児に対する影響とは、やはり比較になりません。お酒も同じ。男性(つまりご主人)には赤ちゃんが生まれてから、受動喫煙の害を説いて、やめさせましょう。

 あなたは、卵子の数には限りがある、という仮説を聞いたことがありますか? 子供が多いと閉経が遅いという論文は、それを一部支持するものですが、避妊薬を飲んでいても遅くならないし、初潮が早くても、早まらないので、どこまでほんとうかは疑問です(と論文でもいってます)。

 これが現代日本では一番問題かもしれませんが、BMIが高いほうが閉経が遅いという論文が日本人を対象にした研究で報告されています。ただし、40歳の時点でのBMIなので、20代はやせていてもいいのかも、なんて、まさか考えてないでしょうね? 正確なところはわからないけど、やはり正常な性周期にはある程度の体脂肪が必要なようです。

 現実的な問題として、60歳で妊娠した女性は世界的なニュースになるわけで、別にそういう能力をいつまでも持っていてもしかたないのかもしれません。でも、健康の維持という観点からは、ホルモンバランスの変化による影響は大きいですから、なるべく遅いのにこしたことはないでしょう。アーシュラ・ル・グィンのような人生ももちろんいいかもしれないですけれど。

2003年10月07日

運動は胸に良い

 BBCには、インターネットに救われた私の人生という、乳がんにかかった女性がインターネットで正しい治療を受けることができて、乳房も人生も救われたという記事が載っている。

 そう、もちろんインターネットは重要な情報源であって、これを軽視するべきではない。でも、まずは乳がんになる前に、ならないように心掛けましょう、というわけで、今日は運動と乳房の話題。

 Cancerのオンライン版に載ったAlpaらの論文によると、運動する女性は、しない女性に比べて、乳房の上皮性腫瘍にかかる危険率が35%低いという。研究者らは、ロサンゼルス在住で35〜64歳の白人及び黒人女性を調査して567人の 乳房の上皮性腫瘍と診断された女性および、対照女性616人を選び出した。そして、 ウォーキング、ジョギング、ダンス、水泳などのエクササイズを週にどれくらいしているか聞き取り調査を行い、初潮以来のその女性の平均週間エキササイズ時間を割り出した。その結果、週に4時間以上のエキササイズをする女性は、まったくしない女性より、47%も危険率が低かった。

 早期発見ももちろん大事な話だが、運動で3人に1人がかからずにすむのならけっこうなことではないか。ただし統計学的には有意ではなく、母親や姉妹に乳がんがある人には効果がないということだ。はて、本当だろうか?

 今日は男性用避妊薬の話題というのもあり、かなり良い効果をもつという論文が発表されたらしい。ご興味のある向きは、BBCでもCNNでもご覧ください。

2003年10月08日

トランス酸と肥満

 イギリスの雑誌が、トランス酸(トランス脂肪酸)の問題を取り上げたというBBCのニュースと、肥満の小児に体重を減少させるような食事指導を行うと、体重が減少しないだけでなく、かえって太るというCNNのニュースがあった。

 いや。

 両者には何の関係もないが、昨日の乳がんと、上の肥満、トランス酸で、三つそろえばなんとやら。お互いになんとなく関係しつつ、今年度欧米健康ニュース界のヒットチャートを驀進中。

 日本人の私には、なぜ科学の最先端を独走する国の国民で、かくも極端な肥満が蔓延するのか、というその現象自体を研究するほうが面白そうに思える。

 フードピラミッドのことでもめている農務省とハーバード大のような話題に、昨今のイラク戦争の話題を絡めれば文化論のひとつやふたつでっちあげられそうだ。

 という私は自然科学者なので、ただ言ってるだけに過ぎないが。

2003年10月09日

歩け、歩け!



 メドラインプラスに載っていたロイター通信の記事によると、座業に就いている過体重の女性に毎日あと数千歩多く歩くように(合計一万歩以上)指導したところ、耐糖能異常の改善、血圧の低下といったよい効果が見られたという。


 でも座って働いている女性に、どうやれば数千歩も多く歩かせることができるだろうか? なかなか難しいことであることは、研究者も認識しているようだ。ちょっと遠くの駐車場に車を止める、e-メールのかわりに直接話しに下のロビーへ出かけていくことで、健康になりますよ、とはいうのだが…


 高齢者の運動も重要だという。積極的にやらせないといけないとまでいう。つまりそうでもしないとやらないからということだ。運動をしないための医師の許可が必要であるべきだなんて、中学校の体育の時間を思い出してしまった。


 運動をやらせたい人々の多くは、運動が得意な人ではないか、というのは私の勝手な思い込みかもしれないが、勉強をやらせたい人々の頭が良く、サークルを作りたがる人々のリーダーシップが強い、というくらいには関係があると思う。


 そして、運動をしたがらない人たちは、まさにそういう人々が運動場に陣取っているから、したがらないのだということが、まさか、わからないはずはないだろうと思うのだが。


2003年10月10日

卵は心臓に悪い?

 一般の方から、たまごは何個くらい食べてもいいかという質問があった。ひょっとしたら、一日何個という質問だったかもしれないが、一般的には良質の蛋白源ではあるがコレステロールが多めなので、はたして毎日一個、つまり週に七個も食べてよいかどうかということだと解釈していいだろう。

 今日は疲れているので(個人的な理由で申し訳ないが)、とりあえず、結論を言ってしまうと、健康な人なら、男でも女でも、毎日かならず一個食べても、別に冠動脈疾患や脳卒中の危険性は増加しないという。毎日一個以上食べるのも可である。

 でも糖尿病の人はだめだ。週に一回食べるだけで、ぐんと危険性がます。

 1999年にJAMAに発表された有名な研究である。ご興味のある向きは、PubMedで要約をどうぞ。最近NewsWeekでも話題になった高脂肪地中海型ダイエットの提唱者(という言い方は単純化しすぎかもしれないが)、脂肪では太らないと主張して米農務省と対立したり、トランス脂肪酸の有害性を誰よりも声高に説く、ハーバード大学公衆衛生学部のWillett教授のグループが行ったもの。対象は日本人ではない。

2003年10月14日

低炭水化物ダイエットはダメ?

 イギリスでもアトキンスのダイエットは栄養士や医師から攻撃の対象になっている(BBC参照)。それはおそらく日本でも同様なのではないだろうか? 筆者は栄養士でも医師でもないが、炭水化物と脂肪の摂取について、アトキンスが極端であることと、それがいかに日本の炭水化物中心の食生活と相容れないかはわかるつもりである。

 とはいうものの、この方法で、特に最初の一ヶ月に劇的にやせるのも事実だと思うのだ(というのは筆者の経験からで、理論的なものではないことはお断りしておく)。実際、やせるし、多くの文献がそれを認めている。それが脂肪でなくて水分に過ぎないとしても、体重がみるみるうちに変化するという経験は、けっこう印象的な経験なので、低脂肪ダイエットの推奨者には、1)反対するなら、見る見るうちに体重が減少することがいかにいけないことであるのか、あるいは、2)低脂肪ダイエットでもそれが可能であること、のどちらかを論証してもらわなくてはいけない。

 アトキンスのダイエットがよくないと述べるのとは裏腹に、だれもそれが悪いことを実証できていないのだから、低脂肪ダイエットがそれより確実に良くて、早くやせることを立証できなければ、ますます分が悪くなっていくのはしかたないだろう。

2003年10月15日

長生きの遺伝子

 JAMA最新号の論文によれば、ユダヤ人の長命な人々とその子供について調査が行われた結果、長命な人々は、LDLとHDLの粒子半径が、そうでない人より大きいことがわかった。これは、コレステリルエステル転移たんぱく質遺伝子の変異によるものであり、遺伝する。

 なるほど、長命族というのは実在するのだな、などと思ったりするが、論文の本文はまだ(手に入らないので)読んでいない。普遍的な現象なのかもわからない。コレステロールといえば、動脈硬化などさまざまな病気の原因になっている感があり(正確には文献をあたらないといけないが、今は単なる印象で云っている)、それを制御する遺伝子の変異が長命家系を生み出すというのは、いかにもありそうな話だ。でもこれだけが決定因子なのだとしたら、余計なお世話じゃないか。きっと、あなたの寿命を測定します、なんて商売がすぐにも現れるだろう。

 寿命の決定因子はそこまで単純ではないと思うけど、今後の研究の里程標というわけですね。多分すぐに世界中の長寿者のCETP遺伝子の解析が発表されていくのではないだろうか。

 あなたは、単純さに賭けますか? だとしたら、ついでに遺伝子で寿命を測ってもらいますか?

2003年10月16日

神様、お願い!

 デューク大学の研究を報じたBBCの記事によれば、どうやら、神も仏もアラーもいないらしい。

 だが、これはとんでもない間違いだとわたしは思う。まず、いろいろな宗教というところが、いけない。それだけで、この研究をした人間に信心がないのは明らかだ。信じないものが救われるわけがない。

 また、記事にもあるが、キリスト教では「あなたの神を試すなかれ」というではないか。

 無作為抽出対照試験でかような効果が示されたことは、なんてたわごとをいいだすやからがまたでてくるのかもしれないが、こういうのは学問的な精緻さ以前の問題なのだ。試された神様は人間の無作為を超えるなんらかの方法で、いい結果をお示しになったり、そうでなかったりするはずだし、その方法やら確率やらは人間をもちろん超えていて、そもそも議論の対象にはなりえないのだから。

 こういう場合の使い分けというか、住み分けをだれか考察していませんでしたっけ? 昔のドイツの哲学者が。

 ***コメントおまちしてます***

2003年10月17日

どれくらい運動したらよいか

 ダイエットのためには、どれくらいの強度の運動を週にどれくらいすれば十分な効果が得られるかについて研究した論文の解説をアップしました。

2003年10月19日

血液型で違う健康法



 正直な話、お隣の国々、韓国、台湾、中国といった国々の健康ニュース欄は、日本とはかなり様子が違う。日本人は下品な話題を嫌う傾向があるので、どうしても上品な話題が中心になるが、アジアのほかの国では、あまりそういう発想はないようだ。その点はどちらかというとアメリカに近い。清教徒が作った国だとしても、日本人の私はおもわず顔を赤らめてしまうような話題がけっこうある。日本ではスポーツ紙の記事にしかならないのではないかと思ってしまう。


 さて、今日の韓国の話題(日訳)は、別に恥ずかしいわけではないが、ニュースとして取り上げるのはかなり気が引ける。血液型の話題なのだ。


 とりあえず、日本の常識として、血液型は個々のヒトの作るたんぱく質が異なっていることを区別する指標であって、そういう意味ではヒトの区別を可能にするものだが、それ以上のものではないことになっている。単純に考えれば、たんぱく質が違うから、ヒトはネズミと違うのだし、男と女は違うのだから、血液型が違えばなにかが違うのは明白ではあるが、それは血液型が違うのだ、と主張するのが当たり前のことになっている。


 ところが、韓国では、けっこう真面目そうな朝鮮日報のようなサイトでも、血液型で健康法は違うという記事を載せてしまう。他方で、日本のサイトより海外の科学情報にはすばやく反応するのだから、よくわからない。でも、この血液型の記事もアメリカの記事の受け売りのようでもあるので、結局同じ現象なのかもしれない。


2003年10月20日

44日の断食

 ロンドンのテムズ河上で44日間の断食をアメリカの奇術師が行ったというニュースがBBCに取り上げられていた。

 すごいですね。本当ならもちろんすごいけど、うそでもすごいと思う。でもうそ(トリック)だったら、ここで取り上げる意味がないか。

ホメオパシーと漢方?



 Yahoo!フランスのニュースによると、フランスのホメオパシー療法家は、日本への浸透を画策しているらしい(ぜんぜん違うかもしれない。フランス語はむずかしい)。


 日本では7世紀に半島から渡ってきた漢方を使っているが、これはまさに、ホメオパシーでいう植物療法そのものなのだそうだ。まあ、それはそうかもしれないが、薄めれば薄めるほど効果が増す薬は、単純に化学の原理に反しているので、日本で広まらない理由に学歴社会を挙げてもいいと思うくらいだけれど、宗教的な一面もあるので、漢方は偉大なり、あなたの漢方を試してはいけない、ということにしておきます(意味不明)。


2003年10月21日

男と女は遺伝子が違う

というのは、あたりまえだが、男女の性差の主たるものは、生殖器の形成による性ホルモンの分泌の違いだといわれてきた。脳に性差があることは以前から知られていたが、これもホルモンが脳の成長に影響するためだということだった。

 ところが、最新の遺伝子研究の結果、どうやら男と女は脳を形成するための遺伝子からして異なっているという。CNNのニュースによれば、UCLA医学部のエリック・ヴィライン博士らは、生殖器が形成される前のネズミの脳の形成時に発現する遺伝子を調べた結果、オスとメスで54の遺伝子の発現に違いが見られたという。

 つまり、自分が男とか女とか感じられる、いわゆるジェンダー・アイデンティティの問題は、決して性ホルモンによるものだけはない、ということらしい。ホモセクシュアルかヘテロセクシュアルかも、そういうことになる。

 しかし、依然として、そうした区別を生み出す脳の神経回路についてはほとんどわかっていないわけで、遺伝子発現の違いということは、このあたりを解明する手がかりになるかもしれない。

ガシャポン



 ドイツのニュース (または日訳)。


 よけいなお世話じゃ


満月の夜



 月の満ち欠けは神秘的だし、それが人間の運命に影響するように考えられたのも無理はない。


 でも、マドリッドの10万人近い出産例を検討した最近の研究(日訳)によると、満月の夜に赤ちゃんが生まれやすいという事実はないという。


 スペインのお医者さんは面白いこと調べてますね。


どうして女の人はやせたがるの?

 体重に対する文化的、歴史的、社会的影響というコーネル大学ソーバル助教授(栄養科学部)の記事の全訳をダイエット注意報に掲載しました。

2003年10月22日

ママが必要



 Yahoo!ドイツの記事によると、両親から離されて愛情のない環境に置かれた子供は、脳神経にダメージを受けるそうだ。雑誌『Geo』11月号に載った、ドイツのマグデブルグ大学の神経生物学研究者によるリポートによると、そのような扱いを受けた子ネズミの神経末端に異常が見られたという。子供が社会的に適応できなくなるのは、そのような原因で神経系を最適化できなかったためではないか、とのこと。


2003年10月23日

思春期の遺伝子

 ユーレカ・アラートの記事より引用(原文英語)

 新しい研究により、思春期を信号で伝えている遺伝子が識別されました。

 NIHに出資された研究者は、マウスだけでなく人間の思春期の開始のための重要なシグナルであると思われる遺伝子を識別しました。 この遺伝子の機能するコピーなしでは、人もマウスも、思春期に正常に入ることができないようです。 新しく識別された遺伝子〈GPR54として知られている〉は、また、人間の正常な生殖機能に必要であるようです。

 研究〈NICHDから一部出資された〉は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンの10月23日号に掲載されます。 GPR54は常染色体(性染色体ではない染色体)上にあります。 研究は、また、NIHの研究資源のための全国センターおよび一般医学科学、両国立研究所から出資されました。

「GPR54の発見は、正常な性成熟のために必要なイベントの精巧な連続を理解する時に、重要なステップです」と、デュアン・アレキサンダー、医学博士、NICHDの所長は言いました。 「この研究からの発見は、思春期に正常に入ることに失敗する個人へのより効果的な治療だけではなく、他の生殖関連疾患の原因に洞察を提供できるかもしれません。」

 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)として知られている物質が、視床下部と呼ばれる脳の一部から分泌される時に、思春期は始まります。 遺伝子の突然変異によって思春期を迎えることに失敗した個体は不妊です。

「種を越えた思春期の門番としてのGPR54の発見は非常にエキサイティングです」と研究の第一著者、ステファニー・B・セミナーラは言いました。 「未来に、この仕事は各種の生殖関連疾患の治療のための新しい療法をもたらすかもしれません。」

(J-serverによるニュースの機械翻訳を一部修正)

2003年10月24日

研究者の視点

 ダイエットの方法は、それこそ星の数ほどあるわけだけど、それらを判断する基準として、PubMedのようなところで(日本語なら医学中央雑誌があるが、これは有料)、そのダイエットを用いた研究が論文になっているか、あるいはユーミン(といっても歌手ではない)で学会発表を検索してもいいのだが、そういうある意味でダイエットの専門家とよべる医師や管理栄養士や看護婦が公に採用した方法であるかどうかを調べることは有益だと思う。

 人体に害のある方法は、論文や学会発表ができないので、研究者は最初から採用をためらうだろうし、実際にやって効果のない方法では、結果が失敗になって、やはり論文にも学会発表にもならないだろう。

 だから、けっこう効果のあるいい方法が選別されているともいえるのだ。

 ただ、注意しなくてはならないのは、そういう方法の中には、素人がうかつに手を出せない微妙な方法も混ざっている可能性がある。なんてったって、専門家なのだ。研究のために高度な計算もするし、一日に何度も臨床検査を繰り返すこともあって、万が一という場合にはお医者様が必ずいる(それは多くの研究機関で決められている約束事だ)。そういう環境にいない人はやらないほうがいいものだって、ないとは言えない。

 その点だけはよく理解して実行すること。ただし、わたしは責任はもちません。そこんとこ、よろしく(ふるいギャグだな、年がばれる、というほどの年じゃないが)。

サウス・ビーチ・ダイエット



 CNNのニュースに曰く、「サウス・ビーチ・ダイエット、別名:熱海ダイエット(?)」(South Beach Diet)が流行の兆しを見せているそうだ。


 簡単に実行できるところが、いいそうだが、これはどうやらグリセミック・インデックスに基づく方法らしい。あの、日本でも一世を風靡した「低インシュリン・ダイエット」である。


 細かい違いはあるのだろうが、基本的にグリセミック・インデックスだけを指標にして(カロリー制限をしないで)減量できるという報告はほとんどないので、わたしは(減量法としては)ぜんぜん信用していない。


 が、やってみたい人は、調べてみてもいいのではないだろうか? 体重は減らないが、食物繊維を多く摂るので、健康にはなるかもしれない。


2003年10月26日

続・ダイエットの掟

 前にもちょっと触れた、肥満研究第9巻(2001)に掲載されたフリードマンらによる「ポピュラー・ダイエットの科学的総説」(Obes. Res., 9:Suppl.1, 1s-40s (2001))に載っている極めて信憑性の高い(カテゴリA)エビデンス(証拠)を以下に列挙する。ただし、米国農務省の研究所の研究者が米国で一般に普及しているダイエットについて研究したものなので、「米国民に対して」信憑性が高いといっているに過ぎないことは、忘れないようにしなければならない。

曰く、体重が減少するかどうかを決めるものは、主として摂取エネルギーの多い少ないである。少ないエネルギーを摂れば、体重は減少する。運動を全くしない場合、減量に最適なエネルギーは三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の比にかかわらず、1日当り1,400~1,500キロカロリーである。(カテゴリA)

曰く、中程度の脂肪エネルギー比で平均的にカロリーを減らすダイエットを行う過体重のヒトは、体重が減少する。なぜなら摂取カロリーが少なくなるからである。この種のダイエットは自由摂取でも体重減少を起こす。(カテゴリA)

曰く、全ての低カロリーダイエットは体重減少と体脂肪の減少を起こす。三大栄養素の組成は主要な役割を担っていないように見える。(カテゴリA)

曰く、代謝的な異常はエネルギー制限と体重減少によって修復される。(エビデンスA)

曰く、中程度の脂肪エネルギー比で平均的にカロリーを減らすダイエットは、LDL-コレステロールを減らし、HDL/トータル-コレステロール比を正常化する。血漿中性脂肪も正常化する。(カテゴリA)

曰く、低カロリーダイエット(一日1,000-1,200キロカロリー)は総体重を3-12ヶ月で平均8%減らすことができる。(カテゴリA)

曰く、特にカロリー制限のない、「脂肪摂取制限」ダイエットは、制限摂取カロリー状態を作り出すことで体重減少を生み出す助けになるけれども、カロリー制限を伴う「脂肪摂取制限」ダイエットは、より大きな体重減少を達成する。(カテゴリA)

曰く、中程度の脂肪エネルギー比で平均的にカロリーを減らすダイエットは、血圧を低下させる。(カテゴリA)

曰く、低脂肪、高炭水化物を摂取する過体重のヒトは、カロリー摂取がより少なくなり、体重が減少し、体脂肪も減る。(カテゴリA)

 これらのエビデンスから、直ちにわかることは、カロリー摂取が少なければやせる、ということだろう。脂質でも炭水化物でもたんぱく質でも、とにかくトータルで少なくなればやせるというわけだ。栄養士的な見解として(私自身は栄養士ではない)、それぞれのバランスを崩すということは栄養学的に極めて危険だ、というものがある。ただ、それを証明した論文は、あまりないようだ。栄養士からは親の敵のように見られているアトキンス・ダイエットでさえ、それをやってなんらかの不具合が観察されたという報告はない。もともと腎臓の悪いヒトにはよくない、という報告はあるが。

 人間の歴史的な流れとして、バランスのとれた食事が定期的に摂れるようになったのは、たかだか数千年のことに過ぎないとすれば、それ以前の人間がバランスの悪い極端な食事でも何とか生きてきたという事実がある。現代でも、インスタントラーメンばかりで健康に悪いと思いながら、別に病院に行くわけでもない大学生がたくさんいる。

 でも、寿命は縮まっているかもしれないけどね。

 最初に書いたように、上のエビデンス群は日本人にはまったく当てはまらない可能性もあるので、悪しからず。

 最後に一言。

 どんな食事でも人間はする権利があるし、それで不健康になることをとめる権利も他人にはない(ただし保護者にはあるだろう)。わたしたちは、こんな生活を続けたら寿命が縮まるのじゃないかと不安を覚えたヒトに、適切な情報を提供することしかできないし、すべきでもないのではないか。これがリンクDEダイエットの「オ・キ・テ」です。

2003年10月27日

おせっかい

 まったくどうでもいいことで、本人には大きなお世話でしかないし、そもそもそれで長生きしてなんか意味あるの? と言われかねないことではあるが、肥満と同様にヤセも寿命を縮めるのは、かなり確かなことである。そもそも、肥満の場合には、BMIが40を越えたらやばいし、45を越えたら、そうとうやばい、と考えていいのだが、30を越えたからといって、今すぐ何とかしないと死んじゃうよ、ということはないのだ。

 ところが、やせの場合には、14を切ったら、どうにかしないと死んじゃうよ!の世界なのである。

 にもかかわらず、高校、大学に通う女子の多くに、BMIが16、7しかないスーパーモデルを理想の体型とする考え方が蔓延している。骨粗しょう症になってもいいことはないと思うけど、確かに、にんげん、パンだけで生きてるわけでもない。幸せな結婚(というものが実際に存在することが前提だけど)をゲットできないで、長寿もへったくれもない、と若い女性が考えても、別に悪いことじゃない。

 あとで気付いても「後の祭り」だからといって、押し付けがましく、健康的な食生活を説くのは欺瞞かもしれない。業務だから、というのが最近のわたしのスタンスではある。とりあえず、こっちのほうが健康で長生きできますよ、とは言うが、知らん顔の女子大生に拡声器でがなりたてる必要はない。

 でも、高校生は未成年だから、義務として、そういうことをすべきではあるかもしれない。強制的に、長生きができると思われる生活の仕方を教え込む、ということを。

 こんなことで悩んでしまうのは、結局のところ、自分の説くところの健康的な生活の根拠が、実際には、それほど確かなものではないということにも原因がある。

 人類に、人種差は存在するとしても、それは男女の差ほどには大きくないという。国によって理想と思われる食事には差がある。だったら、理想的な食事は男女でかなり違うはずではないのか? 差異の方向が違うから、それは食事には関係がないのだろうか?

 違っていても同じ食生活指針で間に合うというのなら、世界中の食生活指針のどれでも自分の好きなものを選んでも同じということもいえるのだろうか?

 まあ、いずれにしても、食べるほうが食べないよりはいいということだ。それは長い人類の歴史の中でふくよかな体型が理想的に見られた理由でもある。それに、現実には、極端に低いBMIになるのは、やはり一種の病気である。

 ただし、絶食しているほうが長生きになるという研究がネズミの実験で示されたのは記憶に新しいところだ。でも論文は見ていないが、無菌的な環境で飼育されているネズミとSARSにおびえる人間を一緒には考えられないだろう。

2003年10月28日

サツマイモで糖尿病治療

 Yahoo!スペインのニュースによると、スペインの統計的な糖尿病罹患率は、実際の半分に過ぎないのだという。つまり本当の糖尿病患者は、その倍は存在するというはなしだ。

 Yahoo!フランスのニュースによると、フランス糖尿病協会は、11月の一ヶ月間、糖尿病予防大キャンペーンを実施するという。

 Yahoo!イタリアのニュースによると、イタリアでも糖尿病協会が初めて糖尿病の疫学調査報告書をだしたらしい(実はイタリア語なのでよくわかってない)。

 西欧諸国でも、米国同様、生活習慣病が深刻な問題になっていることをうかがわせる、というおはなし。

 そのせいか、イタリアでも糖尿病研究はさかんなようで、カイアポ芋が糖尿病治療に効果的という記事では、イタリア国立研究評議会バイオメディカルエンジニアリング研究所のパチーニらによってカイアポ芋(白いサツマイモらしい)の皮から2型糖尿病に効く物質が発見されたと報じている。ブラジル原産で日本の香川県で栽培されていると書かれているように思うが、イタリア語なので正確なところは不明。

2003年10月29日

トイレでは手を洗おう!



 Yahoo!フランスの健康ニュースを見ていたら、北米大陸の空港では、トイレの後で手を洗わない人がかなりいるというニュース(フランス語)を見つけた。いろいろ探したところ、9月15日付けでユーレカ・アラートのニュース(英語)になっていたことがわかった。


 フランスで今ごろニュースになったのは、これから始まる冬の感染症(その中心は、SARSだ、もちろん)予防の一環という意識が記者に働いた結果であることは想像に難くない。というのは、台湾の新聞でも、急にSARSを話題にする頻度が高まってきたからだ。45秒でSARSを退治(中国語)という誇大広告を出現させてしまうほど、台湾の住民には切実な問題なのだろう。


 だからって、リスクを抱えた人を日本に来させないでほしい、というのはある意味で身勝手かもしれないが、日本人には大切な願いである。


 で、そういう日本人にとって、朗報というべきかもしれないのが、最初に書いたような旅行者の皆様の生態である。あ、やっぱり、と思ったそこのあなた、さては実行したことがありますね? 男なら3人に1人、女性でさえ5人に1人という(空港によってはもっとずっと多い)、驚くべき頻度である。米国人が本当にこんな高頻度で手を洗わずにトイレをでてくるなんて、ちょっと信じられない気がする。さすがに、SARSが流行したカナダのトロント空港では、きちんと衛生教育が行き渡っているという感じがするが…。


 日本人なら、ゼッタイに、こんなことはないだろう、とほとんどの日本人が思うに違いない。


 あ、でも、成田空港(または関西空港あるいは福岡空港)にくる一番の要注意人物は、ほとんどがガイジンなのであった。それにこの調査にしたところで、北米に行った人の何割が日本人だったろうか? と心配になってしまうのである ……


 冗談はさておき、手を洗うのはささいに見えてけっこうだいじなことです。だまされたと思っていいから、手はよく洗うように心がけましょう。


低炭水化物ダイエット



 ダイエット注意報に、低炭水化物ダイエットのシステマティック・レビュー(系統的総説)の解説をアップしました。摂取しているエネルギーが少ないのでやせる、というまたしても常識的なセンで落ち着いています。先日のニュースにあった、毎日2,300kcal摂取してもやせた、という北米肥満学会の発表がはやく論文になると面白いのですが(えてしていつまでも出なかったりする)。


2003年10月30日

ワインレッドの香り


 最近また赤ワインが注目されている。今回のキーワードは、「リスベラトロール」。新酒の解禁が近いから、というわけでもないだろうが。
果物は皮膚がんから皮膚を守る  2003.10.30
米国がん研究協会国際学会で、果物が皮膚がんを抑制することを示した研究が3件発表された。ウィスコンシン大学のアファクは、ポリフェノールとアントシアニジンを含むざくろの抽出物がマウスの皮膚がんを抑制することを示した。同大学のアーマドは、赤ワインやブドウに含まれるリスベラトロールがB紫外線による皮膚へのダメージを防ぐことを示した。アリゾナがんセンターのエインスパーは、ミントや柑橘類に含まれるペリリルアルコールが、トランスジェニック動物モデルにおいてB紫外線照射による非メラノーマとメラノーマを抑制することを示した。EurekAlert より)
赤ワインは肺によい?  2003.10.30
赤ワインは心臓だけでなく肺にもよいという。ブドウの皮に含まれるリスベラトロールが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を引き起こすインターロイキン8の産生を抑えることが示された。論文は胸部2003年11月号に掲載。要約はこちらMEDLINEplus より)
赤ワインに含まれる新しい物質を発見  2003.9.10
第226回米国化学会学術総会で、赤ワインに含まれる新しいサポニンが見つかったことが発表された。nutritiongate より)
赤いワインは喫煙者を保護できます  2003.9.2
アテネのアレサンドラ大学病院のレカキスらの研究で、赤ワイン2杯でタバコ1本による害が打ち消されることが示された。しかし、タバコ1本ごとにワインを2杯飲めばいいということではない。赤ワイン中の有効成分の単離が期待される。研究は欧州心臓病学会で発表された。BBC より)
赤ワイン分子は寿命を伸ばす  2003.8.26
ハーバード大学医学部のシンクレアらの研究で、赤ワインやピーナツなどに含まれるリスベラトロールが酵母菌細胞の寿命を80%延長することが示された。論文はネイチャーに掲載。CNN より)
フラボノールで冠状動脈性心臓病リスクを20%減  2003.7.30
シドニー大学オックスフォード大学の研究者らによって、果物や野菜、お茶、赤ワインの摂取によって得られるフラボノールが、冠状動脈性心臓病による死亡率を低減する可能性が示された。論文(要約はこちら)は欧州臨床栄養学雑誌に掲載。nutritiongate より)
軽い飲酒は結腸ポリープの成長を抑制  2003.5.21
ニューヨーク市のマーシー医療センターによる調査で、適度に酒を飲む人(ビールやワインをグラスに1,2杯)は、全く飲まない人よりも結腸ポリープのリスクが低いことがわかった。調査結果は、オーランドで行われた消化器疾患週間の集会で発表された。MEDLINEplus より)

 最後のは、赤に関係ないですね。

CLAでインスリン抵抗性?



 2002年に米国『糖尿病治療』誌の25巻に掲載された論文に、肥満のヒトを対象にした共役リノール酸(以下CLA、このときは特に純品のt10c12という形の異性体が用いられている、これがCLAの本体だと考えられているからだ)の無作為抽出偽薬対照試験が報告されている。


 12週間の試験の後、とりあえず体重は有意に変化したのだが、インスリン抵抗性にも有意差が出てしまったのだ。しかも悪いほうに。さらに付け加えれば、HDL-コレステロールも有意に下げてしまった。病気になったわけではないが、およそ良いとはいえない変化である。


 同じ著者らによる別の報告でもC反応性たんぱく質が上昇したりしているが、ヒトにおける副作用を報告しているのは、現在のところこのグループだけのようだ。それは一応記憶に留めておくとして…


 他の多くの研究をまとめてみると、CLAでは体重が減らないことは、もうかなり確実なことである。t10c12という異性体の純品なら効くかもしれないのだが、上に述べたような副作用があることを覚悟しなければならない、というわけだ。


 全て人間を対象にした実験の結果である。日本人じゃないけれども、だから関係ないという人はいないと思う。


 そう、CLAが効くとは誰にもいえないのである。しかも、その結果病気にはならない、とも誰にもいえないのだ。


 もちろんいろいろな立場がある。いわく、用量が少なければ効果を期待でき副作用もない、というような。


 しかし、副作用のない一番高い用量を極量に設定するのが定法ではないだろうか? 確実に効果を期待できる薬物や、抗がん剤のように他にたよるものがないという場合は別であるとしても。


「ああ、副作用を我慢しつつ、現在の生を生き延びるわたしはなんと幸せな存在であることか。」


 でも、こういっちゃなんだが、CLAは、たかがデブの治療薬なのである。しかもヒトで効いたという確かな証明がないのである。そういうのはクスリとは呼べないし、他人に勧めるなんて、もう、人間性見たぞーといわれるのが落ちである。


 もちろん、わたしはCLAが生化学的に面白い化合物だという点は否定しない。別に狂ってもいないし普通に牛肉や牛乳に含まれている。それが起こす生体の反応を考えると、とても面白い化合物であることは疑いない。もし機会さえあれば実際に自分で直接実験してみたいくらい、てなもんである。実験科学者を自認する人ならこの感覚はわかってもらえると思う。


 それと、人間に使えるかどうかとはまったく次元の違う話なのだ。どうしてこんなことをわざわざ書かなくてはいけないのか。研究者にはあまりにも自明のことのような気がする。


 お願いだから、何も知らない人に勧めたりしないでほしい。だまって研究してればいいじゃないか。


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