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2004年04月 アーカイブ

2004年04月03日

抗酸化ビタミンが効く人きかない人



糖尿病治療』誌に掲載された論文によれば、ビタミンCとビタミンEをサプリメントとして飲んだとき、動脈の直径が狭くなる(心臓疾患になりやすい)人と逆に広くなる(心臓疾患になりにくい)人がいたという。


 ハイファにあるテクニオン-イスラエル技術研究所のA・P・レヴィ博士らは、ハプトグロビンというたんぱく質の遺伝的な変異に着目し、二つの異型を各々HP-1、HP-2となずけた。


 423人の閉経期の女性(うち154人は糖尿病)を対象に無作為に400ユニットのビタミンEと500ミリグラムのビタミンCを飲む人飲まない人(代わりに偽薬を投与)を割り当てて研究を行った。このうち特に299人の被験者についてはハプトグロビン遺伝子のタイプも調べた。


 その結果、糖尿病患者の場合、同じ量のビタミンを処方されていても、HP-1型ハプトグロビンの人の動脈内径が増加した(心臓病予防効果があった)のに対し、HP-2型ハプトグロビンの人では逆に狭くなる傾向が見られたという。また糖尿病でないHP-1型ハプトグロビンの人でも同様の効果が見られたという。


 HP-2型ハプトグロビンで糖尿病(血糖値が高い)の場合に悪い効果が観察されることから、HP-2型ハプトグロビンは、高血糖のときに、ビタミンCを抗酸化物質から酸化前駆物質に変化させるのではないかと著者らは推測している。


2004年04月18日

ニューアトキンスダイエット



前項は話がそれてしまったけど、『臨床栄養』の低炭水化物ダイエットの話である。


昨年相次いで有名医学雑誌に論文が掲載され、しかも悪いとか効果がまったくないという結論だった論文がひとつもなかったのは事実であるとしても、日本の栄養系の専門誌にアトキンスに対する肯定的な記事が載ったのははじめてなのではないだろうか。


アトキンスのダイエットに関してだけだとことわっているが、いちばん過激で議論の多かったのがほかならぬアトキンスの方法だった(炭水化物一日20グラムですよ!)のだから、この方法が少なくとも身体に悪いという明らかな証拠はないという、上述の論文の結論のひとつは衝撃だったといっていい。


「危険なダイエット」と(日本でも)名指しで著名な栄養士(ら?)から批判されてきたのだから。


とはいえ、ここ、国立健康・栄養研究所の準公式サイトとしてのここでの立場は、あまり割り切れたものにはならないかもしれない。


わたしは、ここで、とりあえず低炭水化物ダイエットに危険性は(腎臓が悪くない50歳以下に関しては)特にないようだという立場をとるが、同時にBBCで報じられたアトキンスダイエットで死者?というような記事のあることも認識してほしいと考える。


また、基本的に(これも最近BBCで検証されたようだが)、ダイエットは摂取カロリーの低下によるものであり、アトキンスが主張するような魔法は存在しないと考える。


つまるところ、低炭水化物ダイエットが効果的であるとすれば、それは摂取カロリーを抑えることに効果的であるからだ、という結論だ。


摂取カロリーを抑えることは重要だが、アトキンスダイエットは、リバウンドが激しいという負の面も存在する。これも、べつにアトキンスダイエットの特別な効果の結果リバウンドするわけではない。要するに最初のうちは炭水化物を食べないように心がけるので摂取カロリーは低下するが、しだいに、炭水化物を食べないでいることはできないと感じるようになり、実際に炭水化物を摂るようになる結果、摂取カロリーは増大する。そしてリバウンドがおこる。ということだと思う。


たとえば、アトキンスダイエットにおいて、缶コーヒーやオレンジジュースは、飲んではいけないものである。オレンジそのものが週に一個程度しか許容されない。ごはんもパンも食べてはいけない。そんな生活がはたしてどれくらい続けられるものだろうか?


結論から言えば、だれも続けられないので、リバウンドが必然的におこるというわけだ。アトキンス自身もこの問題はよくわかっていたはずだ。だから、しだいに元の食事の戻していく過程がダイエットの重要な一部になっているわけだ。


もちろん、ダイエットをしたいとおもったあなたは、みるみるうちに効果がでることを望むだろう。それが人情というものではある。


でもそういうダイエットはリバウンドも大きい、というのも事実かもしれないと考えて、穏やかに長く続けられる、しかも健康的なダイエットを考えることが望ましいと思う(アトキンスダイエットには気力を低下させるという精神的な負の効果が明らかに存在する)。


あれ、なくなっちゃった



忙しさにかまけてしばらく更新をサボっていたら、とうとうトップページから記事が消滅してしまった。


おそらくディラックの海に飲み込まれた…わけでなくて、月別ページの4月のところに保存されただけだけど、これではいくらなんでもかっこ悪い。


あわてて間に合わせの記事を書いている。


ところで、アメリカで大流行の低炭水化物ダイエット。最近はイギリスにも支部を作ったアトキンス協会。日本でも『臨床栄養』の最新号にダイエット特集の一部として取り上げられている。


このダイエット特集号は、わが国立健康・栄養研究所のY企画評価主幹がK特別研究員他一名との連名で寄稿しているし、実はわたしの名前も出ていたりする。自分の名前入りの原稿をほめるのはほめられた行為ではないが、第一著者の呉さんは生粋の上海人で、中国の健康食品にはめっぽう詳しい。しかもそれを正確な日本語で書いてしまうのだ。初めて会ったときから、彼は日本人か、でなければスパイ(だってそれくらいうまいのだ。ただ外国人ではあるので、日本人の下らない冗談には精通していないから、いちおう言い訳しておきますが、これは欧米や日本でも時々いわれる冗談のひとつです)だと心密かに思っている。ただ、漢字が多いのはしかたないかな。


ちなみに、呉さんの一番上の娘さんも、言われなければ誰も中国で生まれ育ったとは信じないに違いない。中学に入るまで上海に住んでいたなんて信じられない。


才能の遺伝というのは確かにあるのかもしれない。それは自分の境涯を思い、父のことを思い出し(とはいってもわたしが子供のときに、海水浴場で会ったロシア人と話していたことを記憶している。それくらいには英語が話せたようだ)てみるにつけ、つくづくと感じてしまうことではある。


呉さんはもう上海になんか帰りたくないように見えるが、わたしはドイツに行って3ヶ月で帰りたいと思い、いまだにドイツ語はほとんど話せない。数年前まで年に一度は行っていたが、二週間でもう帰りたくなる。


語学力の不足によるところが大きいと思う。


研究所でも、アメリカやイギリスのニュースをウェブでみつけて印刷する。さて、いざ読もうと腰をおろすと、たまたま別の用で来ていたT先生が、既にプリントを片手に、「へえ、アメリカでは×××が○○○なんだ!」と言ったりして、がっかりしてしまう。


残念ながら、わたしがプリントをちらっと見た瞬間に内容を把握することができる言語は日本語だけだ。


英語に関してはT先生とわたしは完全に大人と子供である。12月までうちにいたRIもそうだったけど、RIはそれを日本語にするところでかならずつまずくのであんまり気にならなかった。T先生は、英語を読むスピードも、正確な日本語で要約する能力も、医学上の専門知識も(だって専門だから)はるかに卓越しているのである。


K特別研究員もそのような人であるらしい(伝聞なのはわたしは直接話したことがないからだ)。


わたしは、せいぜい惣流アスカラングレーのドイツ語(声優さんごめんなさい)のへたくそなのがわかる程度である。へたくそといえば、こないだ見たNHKのベッカムの特集番組。ひょっとしてカレ、なまってなかった?


2004年04月19日

ワインと痛風

 アルコールの消費量と痛風の発症には関係があるとは、昔から言われていたことだが、痛風でないヒトがアルコール消費量の違いによってどれくらい痛風になり方が違うかはかならずしもはっきりしていなかったらしい。

 英国の医学雑誌ランセットに掲載されたこの研究では、1986年から98年にかけて最初は痛風でなかった47,000人の男性を対象に、どれくらい飲むと痛風になるかという前向き研究が実施された。

 その結果、一日ビール350ml缶一本程度でも、飲まないヒトに比べて1.32倍痛風になりやすいことが明らかになった。一日50グラム以上(ビール500ml缶2本以上)飲むヒトは、全く飲まないヒトの2.53倍も痛風になりやすいという。

 ビールがもっとも危険率が高く、次いでスピリッツ類。不思議なことに同じアルコールでも、ワインには痛風になりやすくなる効果はなかったそうである。

 先週アルコール中毒になりやすい遺伝子(GABRA2)というのが報告されたばかりだが、去る4月8日は全米アルコール検出日だった。飲みすぎかそうでないかを電話で無料診断してくれるという催しだという。そんなにアメリカには飲みすぎかどうか自分で判断できないヒトが多いのだろうか。

 たしかに、大学1年女子の10%が性犯罪にあったかあいかけた経験があり、そのうち50%は飲酒していた、という論文もあるので、きちんと自分の飲酒が度を過ぎたものなのかどうかを自覚しておくことは必要かもしれない。

 でも、ビールでなくてワインなら少なくとも痛風にはなりにくいって? そういう問題じゃないだろ。

ビタミンC・Eをたくさん摂取して優良児出産



(ソウル=連合ニュースより機械翻訳を一部修正)


 妊婦の体内ビタミンC,E濃度が高いほど優良児出産の可能性が高いという研究結果が出た。


 仁荷大予防医学教室ホン・ユンチョル教授チームは妊娠中期(24〜28週)女性239人を対象に血中ビタミンCとEの濃度差にともなう新生児の体重、身長変化を測定した結果このような結果が示唆されたと14日明らかにした。


 今回の研究結果は欧州臨床栄養学会誌(European Journal of Clinical Nutrition)最新号に掲載。


 研究結果によれば血中ビタミンC濃度が高い妊婦ほど新生児の体重と背が高かったが、平均的には妊婦の血液1mlあたり1マイクログラム高ければ新生児の体重は27.2g、身長0.17㎝増えると計算された。


 ホン教授は“ビタミンC,Eの濃度が高いほど体内酸化的損傷をあまり受けないから新生児の体重と背が高くなるようだ”としながら“新鮮な野菜、果物、抗酸化物質の摂取が妊娠期間においてかなり重要だということを示す結果”と話した。


2004年04月20日

HAGEを予防する

 『再生産之生物学』という日本語にするとなんだかよくわからない、"Biology of Reproduction"誌(周産期生物学?)に載った論文によると、大豆の生理活性成分のひとつである、ダイザインを投与することで、ねずみの前立腺肥大を抑制できるらしい。米国立医学図書館が運営しているメドラインプラスの記事によると、そういうことらしい。

 それが、BBCの手にかかると、「大豆はがんとはげを防止」ということになってしまう。メドラインプラスの記事中にも同様の記述があるので、論文あるいは著者の誰かが、実際にそのように主張しているのだろうが、こういうところに、メドラインとBBCの差が出るわけである。

 でも、わたしははげの心配だけは全くしたことがないけど、こういう記事のほうが中身を読もうという気にはなる。少なくとも、「ねずみの前立腺肥大を抑制」をみてもぜんぜんピンとこなかった。

 話題は思いっきり飛んで、わたしはTVを見ていないのですが、まわりのお姉さま方の ペ・ヨンジュン熱(『冬のソナタ』)がまるで理解できません。多分(もちろん推測しかできないわけです)それは「ハゲと前立腺がん」には反応するのと同類、いや別に綾波レイにはまるオジサンといってもいいけど、なにかジェンダーにかかわる重要な因子があるのではないか、と思うのですが。

 はげといえば、漫画家の清原なつのさん。花図鑑のあとがきまんがによると、どこかで実験助手をしていたとのこと。ずいぶん前だし、わたしよりもお年も少し上(のはず)なので、もうされてはいない、そもそも首都圏にはいらっしゃらないと思うのですが。

 でも、時代が時代だけに、彼女が同じ職場にいたら良いと思うライバルは多いだろうなあ。ペンネーム(確か平安貴族だったかな)なので、いわれなければわかるはずもないし。

結論:ねずみの実験で妄想を膨らませないこと。

2004年04月21日

韓国では新しい食生活指針



少し古いニュース(日訳)になるが、韓国では3月18日に新しい食生活指針が発表されたようだ。


以下(ソウル=連合ニュース) より機械翻訳を一部修正


保健福祉部は慢性疾患の主要原因になる不適切な食生活習慣を改善するために国民の栄養学的特性を考慮して,実践可能な方法を具体的に提示した4年齢層別‘食生活実践指針’を18日発表した。


福祉部は幼児のための食生活実践指針で生後6ケ月までは必ずモユルルモクで離乳食は成長段階に合わせて食べさせることと穀類,果物,野菜,魚,肉など多様な食品を食べさせることを推奨した。


また妊娠.授乳部には▲乳製品を毎日3回以上食べる▲肉や魚,野菜,果物を毎日食べる▲組んだ食べ物を避けて水っぽく食べ物▲酒は絶対に飲まないこと▲コーヒー,コーラ,チョコレートなどカフェイン含有食品をあまり食べないことなどを推奨した。


子供のための食生活実践指針で▲野菜,果物,乳製品を毎日食べる▲肉,魚,卵,豆製品をまんべんなく食べる▲毎日外で運動してつりあうように食べる▲朝を必ず食べる▲おやつは栄養素が豊富な食品を食べる▲食べ物を浪費しないことなどを提示した。


青少年には▲野菜,果物,乳製品を毎日食べる▲はねた食べ物とファーストフードを多く食べない▲健康体重を正しく知ってつりあうように食べる▲飲み物は水を飲むこと▲朝を必ず食べるなどを勧告した。


福祉部は年齢別食生活実践指針を学校,保健所,保育施設,病院などで栄養教育資料で活用するようにする計画だ。


 一部どうしてもわからない部分があるが、興味のある方はハングルを勉強してください。


2004年04月23日

健康食品素材

 誰も知らない間にこんなニュースが共同通信から配信されていたのですね。

 独立行政法人国立健康・栄養研究所の名前はどこにもないけど、これはうちのプロジェクトとして昨年の年頭からはじめた健康食品安全情報ネットおよび健康食品等の安全性・有効性情報を発展させてより広範からの識者の意見を集約したものです。

 文字通りプロジェクトの関係者が誰も知らない間にニュースが流れ、急にアクセス数が増えたのはなぜだろうと思いながら、今日になって発見したのですが、たぶん一言でも栄養研に言及してくれていたらケタ違いにアクセス数が上がっただろうと思うとちょっと残念。

 厚生労働省のデータベースなのですが、サイトのトップページのロゴには研究所の文字が入っていて、内容およびサイトの製作母体を明らかにしています(まだ未公開ですが)。

 内容については、さまざまな人のチェックが入って、よりいっそう完全なものになりつつあります。厚生労働省は本気だという気合が入ってます。基本的に登録は必要ない(もっとも最新の不確定な情報については必要)ので、公開の暁にはぜひ参考になさってください。

 特定保健用食品の基礎データも少しずつ掲載される予定です(最初はありません)。

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