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2004年10月 アーカイブ

2004年10月04日

危険ダイエット食品

香港の厚生省は、9月30日付けで、新たに危険なダイエット食品への注意を呼びかける記事を掲載した。

2004年10月05日

ハーブで頭を賦活化?



 サラシナショウマ、アカツメクサのようなハーブで、閉経期女性の記憶力低下を防止できるかという記事がユリイカアラートに掲載されている。米国イリノイ大学シカゴ校の研究だそうだ。


ビタミン剤は健康に悪い

 Lancet誌に、「抗酸化ビタミン剤を飲んでも消化器系のがんを予防できるという証拠を見つけることができなかったばかりか、死亡率さえ上げるようだ」という系統総覧(システマティックレビュー)及びメタアナリシスによる論文が載り大きな話題をよんでいるようです。

低用量なら死亡率をあげることはないとのこと。でも、くれぐれもご注意を。
 

ただ薦めるだけでは…



 BMJ誌に掲載された系統総覧(システマティックレビュー)の論文によると、自動車に代えて徒歩や自転車の利用を高めるには、モチベーションをあらかじめ持つ特定の人に対する行動変容プログラムがもっとも効果的だったという。自治体のキャンペーン、自転車道の整備拡張、経済的理由などは、いくつかの論文の結果を総合するに、効果的である証拠があるとは言いがたいということだ。


 さすが、行動変容おそるべし。


 しかし、いずれにせよ、そういう変化が健康を向上させたという証拠はどこにもないという。


 じゃあ、行動変容おそるに足らず? 


 直感的に考えて正しいと思えることが正しいとは限らない、という例は古今東西枚挙に暇がない(まるで現国の例文のようだ)。アインシュタインやボーアなどの議論では、直感は邪魔者でさえあるように思える。


 とはいうものの、今回の論文では、行動変容以外の論文が少なすぎないだろうか。たぶんまだ時期尚早ではあるだろう。系統総覧の論文をしばらく見てきたが、今回のものや以前取り上げたWebで健康教育は可能かという論文などのように、明らかに総説(レビュー)なんて時期尚早と思われるものがけっこうある。


 いや、総説ならいい。総説に結論のないことが多いのは、研究者なら誰でも知っている事実である。でも、系統的に総覧して、時期尚早感が否めないなら、昔なら出版されなかったはず。それが、否定的な論文も出版するべきという風潮(それは望ましい)と重なって、こういうことになったのだろうか? 


 情報は増えるのだからそれでも良いのだが、そういう論文を読むとなんとなく釈然としない感じになる。


 総説(総覧は正確には違うものを指す)を中立的に書くのは当然に思えるので、中立的に判断して何の証拠もないという結論で系統総覧の出来上がり、で問題ないのかもしれない。研究者のゲットーという狭い世界から見ると、実際問題はない。そもそも対象になる論文はそれひとつで出版されているのであって、もともとそういう重みを持つものを複数対象にしているのだから、というのが一番分かりやすい理由だろう。


 でも、どうしてたった22報の論文で、少なくとも4つの全く違った方法によるノーカー運動推進の健康影響の評価を下せるだろうか? 正確にいうと、6つの行動変容の論文があり、健康影響はそのうち2つのRCTで評価されているだけだったという。他の方法ではそもそも有意に変化したとはいえないのだから、変化の健康影響はこの2報の結果を元にしているわけで、とてもわざわざ一節を割いて書く価値があるようには思えない。もっとも著者らもそのあたりは良く承知している(当たり前だ)ようだ。どうもこの論文の本当の価値は、一律に評価できないさまざまなスタイルの論文を系統的に評価したということにあるようだ。BMJが最近得意としている青い囲み記事にそんなふうに書いてある。


 最近の英国の医学誌はよくわからない。


2004年10月07日

母乳哺育と欲望



 シカゴ大学の研究によると、母乳哺育中の母と赤ん坊からは、ある種の化学物質が放出され、それによって他の女性を興奮させるのだという。ユリイカアラートの記事によると、これは人間では最初の化学的社会的信号物質に関する報告だそうだ。


 論文"Social Chemosignals from Breastfeeding Women Increase Sexual Motivation" は、"Hormones and Behavior" の最新号に掲載とのこと。


2004年10月08日

ノーベル文学賞



 ノーベル文学賞が決まったというニュースに関連して、朝鮮日報オンラインにノーベル文学賞は誰が選ぶのか? という読み物(日訳)が掲載されている。


「1901年に始まったノーベル文学賞の最も大きいミステリーはなぜ世界文学の20世紀の巨匠であるカフカ,ヘンリー・ジェームズ,コンラード,DHローレンス,ジョージ・オーウェル,マルセル プルースト,ジェームズ ジョイスらの文豪に賞を与えなかったかという点だ。 」(朝鮮日報オンライン、機械翻訳を一部修正)


フランス版国民栄養調査



 Yahoo! フランスの記事によると、2004年10月から12月にかけてフランス各地で食生活調査が行なわれるという。フランスでは厚生省が5年ごとに全国規模の調査をしているようだが、成人4000人、小児2000人という数字は日本のそれに比べるとずいぶん少ない気がする。


 フランス人と一口に言っても、世界中の植民地から来た人々もいて、食生活はかなり多様な気もするが、300家族はいったいどうやって選んでいるのだろう。


2004年10月11日

韓国の代替医療

 朝鮮日報に補完代替医療(オルタナティブメディシン)に関する記事が掲載されている。『代替医学、不健治す200余療法(日訳)』と『ニンニク・豆・ニンジン・あんずなどに癌治療効果(日訳)』の二つがそれ。

 二つ目のほうは、健康食品の話題だ。

 アーユルベーダや漢方は、東洋で古来から伝わる伝統医学であって、それを熱心に取り込もうとする姿勢は理解できるけど、ホメオパシーやカイロプラクティックは、つい最近米国人が考え出した新奇な理論に過ぎない(しかも科学的な検証にはほとんど耐えない)わけで、これにまじめに取り組もうとするのは冷静に見るとかなり滑稽だが、多分資本やマンパワーの点で敵に回したくないという政治判断の結果なのでしょうね。

 一億倍に希釈した薬を飲むよりは、ねぎを首に巻いて咳を止めるほうがまだ効き目がありそうだと思う(そのような民間療法から発見、発明された有名な薬物のひとつにアスピリンがある。それにしても、どうしてバイエルはアセチルサリチル酸の発明者のことをHPにある歴史に書かないのだろう? 確かにそれを再発見した功績はバイエルにあるとしても、それにそもそもサリチル酸誘導体に鎮痛効果があることは18世紀から分かっていたことなのに)。

2004年10月12日

ウェブの10年



 W3Cが設立10周年ということで、ホームページを開設している。12月1日には記念シンポジウムも開催されるそうだ。


 ちなみに、このホームページにはW3Cには珍しく、写真がたくさん貼り付けてある。ティム・バーナーズ・リーの顔を見るのは初めてのような気がする。著書『Webの創成』の日本語版にも写真はなかった(あれはわたしのバイブルになっている)。


 khirotaがウェブをはじめたのは遅くても1995年6月より前だ。というのは、この月の部内報告会でHPを印刷して配った記録が残っているからだ。この時点ではまだ構築中の(当時流行だった工事中の)絵がついていたが、翌1996年3月までにはほぼ完成して公開されている。ただし、記憶では部長会で承認されて本当の公式ページになるのはさらに一年後だったように思う。


2004年10月14日

読み書きは必要

 JAMA今週号の論文によれば、糖尿病患者教育における患者の識字能力(リテラシー)は教育の成否に重要な影響をもたらすということだ。

 ということは、まずワードとエクセルとエクスプローラーの使い方から入るべきなのか(<これを称して論理の飛躍といふ^^;)

2004年10月19日

たちなおれない?



 BBCの記事によると、インターネット上で、生活習慣病を改善するようなどんな試みも、実際に患者を良くすることができないばかりか、悪くさえするという驚くべき系統的総説(システマティックレビュー)の結果が出た。しかも、これ、コクランコラボレーションという権威あるレビュー団体が出した結論なのである。


 理由は不明。


 さて、来年からやっとe-ヘルスを始める某国は、インターネット先進国でネガティブな結果が出された時点からの出発ということになるわけです。みなさん、がんばってください。


2004年10月20日

タイムリーな栄養補給

デジタル朝鮮日報の記事「朝良い食べ物夕方には毒になれる(日訳) 」によれば、時間帯によって体が必要とする栄養は異なるので、いつでも何でも食べればよいというものではないという。

ヨーロッパ老化防止学会設立者のフランスのクロス ショサル博士は時間帯別に区別された栄養素を供給する‘適時栄養(Timely Nutrition)プログラム’の開発者である。 現代人の生活パターンと栄養状態などを分析、朝食・昼食・おやつ・夕食など一日4回の食事に必要な栄養素と献立を提供している。 老化防止クリニック「ラ クリニク ドゥ パリ」韓国支社の招請で訪韓した博士は韓国支社と共同でいくつかの献立を推薦した。

(以下記事には献立が掲載されているが、イメージなので翻訳されずわたしには判読不能)

読み物としてはとても楽しそうだ。

辛い話



つらいんじゃなくて、からいんです。


朝鮮日報の記事「辛い味の秘密…エンドルフィンがひも〜ひも (日訳)」によれば、韓国でますますからい料理が流行っているという。ストレスをからさで吹っ飛ばそうということらしい。


韓国は、とてもおいしそうだ。


2004年10月23日

かっけ

 脚気の栄養説は、いまではだれもが結論を知っているから、陸軍軍医総監森林太郎を笑えるけど、海軍軍医高木兼寛のやりかたは、アガリクスが有効だと言う少数を対象にした結果が得られたので、理屈はともかくやってみようというのとあまり違わないかもしれない。

 もっと端的に、にがりに置き換えてみてもいい。米ぬか同様、食品加工の残り物であり、通常そのまま食べることがないという点もそっくりだ(ただし高木自身は米ぬかを食べろとは言ってなかったはず)。

 けれども、重要なことは、高木も森も、人間(軍人)を対象にした調査研究を行って様々な見地から議論しているということだ。効果があるという主張をするのも、それを支持するのも個人の自由なのだとはいっても、科学的検証に耐えない証明しか提出できない状態で、そのこと(提出できないでいるということ)を指摘した人間に、あんまりじゃないか、と、(その人間のいないところで)拡声器を使って発言したというのがもし事実なら、ちょっと情けなくはないだろうか? ふだんTVで細切れに効能を指摘し、動物実験で傍証を示し、それでたいていの人は納得するかもしれないが、TV局に協力するなら、せめて100人くらいの対象者を集めて、RCTを行って見せたら、もういまのような中途半端な状態は解消されるし、うまくいけば本当の大発見者ということになるだろう。

 第二の高木たちが、そんな簡単なことをやらずにいるのは、奇跡は決して起こらないことを、誰よりもよくご存知だからではないのだろうか?

 もっとも、例のにがりの記事も、脂肪吸収の記事も、研究者以外への説明としてはちょっと不親切な気がする。9つの「健康食品」を実験に用いたということで、その9つの具体的な商品名を知りたがる人がとても多いらしい。

 でも、あの記事が意味しているのは、「脂肪吸収をうたった健康食品は(どれも)効かない」ということである。たまたま実験されてしまった商品名を公表することは、かえって間違った結果を招くことになってしまうだろう。脂肪吸収を宣伝している商品は、とりあえずどれも誇大広告の疑いがあるということなのであり、どの商品がよくてどれが悪いというレベルではないのだ。だから、当然そのような広告をした商品やサイトすべてが規制の対象になるはずである。

 にがりは製品間のばらつきが極めて大きいというが、「どんな」にがりでもダイエット効果を証明できたひとがいないのなら、これも別に品質の問題ではない。どの商品をさしているのか聞きたがる人がこちらにもいるらしいが、記事の本質はそういうことではないと思う。

 およそノーベル賞を二回も受賞するような先生の言うことなら真実だろうと信じて、ビタミンCを1日25グラム飲むのは個人の自由であるが、だれかが、そんなことをしてもがんも風邪も予防できないと指摘したとき、結局その真偽のよりどころになるのは論文以外にはない。

 というのは、人間には直感というやつがあり、それがしばしば大きな進歩を促すという事実を考えれば、きわめて明晰な頭脳といっていいノーベル賞受賞者の一言は、やはりないがしろにはできない。でもそれが正しいか間違っているかはある程度客観的に判断できる。それがつまり論文の批判的な吟味ということである。

 平成の高木兼寛たろうとするほどの人ならば、せめてヒト介入試験で確固たる証拠を得てから発言するべきだ。それができないのであれば、まずノーベル賞をふたつほどもらってみるのが栄光への近道ではないだろうか?

続かっけ

 高木の伝記作者でさえ、高木のデータには、弟子達が彼を恐れて実際よりもきれいに修正した部分がないとは言いきれないことを認めている。

 高木の最初に立てた仮説は明らかに間違っており、ビタミンという概念はまだどこにも存在しなかったのだから、実験があるものはうまくいき、別のあるものが失敗するのは当然のことだった。

 これに、森がドイツでコッホに師事したこともあるという事実、また彼自身、兵食の問題で、もっぱらカロリー摂取と健康の観点から白米の利点を認める結果を得ていたことなどを考えると、森がそれほどわからずやの石頭だったとはとても思えない。

 高木の初期の結果は、食事とかっけの因果関係を示唆するものだったはずで、それだけなら細菌が原因であっても少しもおかしくないように思える(論文を直接見ていないので本当にそうかどうかは今は判断できない)。わたしが、高木の伝記を読んだ限りでは、彼自身、白米に毒が入っていると考えていたようであり、それならば毒を細菌に置き換えても、仮説としては成り立つ。肉や玄米には毒を中和する作用があると考えたのだって、それらの中に、抗菌物質が入っているということで説明がつく。

 なんでこんなことを書くのかというと、こういう経過は後知恵で修飾されている部分が大きいとしても、いろいろなことを示唆してくれると思うからである。

 昨今の「健康食品」現象との最大の違いは、いうまでもなくキャスティングである。森と高木は軍医総監という、いまの防衛医科大学長よりさらに上に位置し、ドイツやイギリスに何年も留学したエリート(高木はいわゆるエリートではなかったかもしれないが)であり、極端なたとえだが、利根川進先生と田中耕一先生が喧嘩しているようなものなのだ。

 つぎに違うのは、人間の食事を扱っているはずなのに、なぜか、昨今の現象にはマウスやラットしか登場しないということだ。TVで見る限り、実際に試してみたい人間はいくらでもいるというのに、なんで人間を対象にした実験(TV番組だけでは例数が少なすぎる)が報告されないのか。

 理由は明らかだと思う。だれだって研究者であるからには、新奇な事実を報告して有名になりたい(有名にはなりたくないかもしれないが)。だから、にがりで減量しようという試みは全国で研究が行われているはずである。これだけのブームなのにだれもきちんと論文にしていないのだ。一発当てるには最適の標的ではないか。

 にもかかわらず、論文が出ない、とすれば、結論はひとつ、効果はでないのである。

 それは真実だろうか? 真実を明らかにするのは、(実験)事実だけではないのだらろうか?

 わたしの論点の不備(年を取ることの欠点は不備が美徳になってしまうことだ)をついてくれることを期待しているのですけれど。

2004年10月28日

赤いシリーズの主題歌から



あとどれくらいでしょう。新モジュールは予想通り遅れています。予想通りなのだから遅れとは言わないかもしれませんが。


この10年近く、いろいろなソフト開発業者のひとたちとお付き合いさせていただきましたが、多くの場合、ウェブは幼稚だと考えているのがわかります。


ソフト開発というのは通常プログラムを組む仕事ですから、プログラムと呼ぶには手軽過ぎるタグはもちろんのこと、PHPですらスクリプトと読んで、プログラムではない(ということはソフトではない)一段下の仕事、したがって(プログラムのプロの自分たちには)容易にこなす事ができるという認識でお話をなさいます。


でも本当の問題は、プログラムのコーディングの難易度とはあまり関係がなさそうです。


つまり、そういう業者さんに、ワープロや表計算ソフトの開発を委託した場合を想定してもらうとわかりやすいと思うのです。


現在残っている主要なワープロ以外にも実の多くのワープロが開発されました。表計算ソフトも少なからず存在しました。それらは、みなマイクロソフトの陰謀で消えてしまったのでしょうか?


理由はそれだけではないと思います。


技術的な難易度はたしかに存在しますが、ワープロのように、誰もがよく知っていると思っているソフトのようなものでは、おそらく技術的な困難は少ないでしょう。


では、ソフト開発業者であれば、だれでも使いやすいワープロを作れるのでしょうか?


そんなわけないのは、昔の様々なワープロ(ソフト)をご存知なら、わかりきったこと。もし、「マイクロソフトのワード」を開発しろと、現物を見せられながら言われたら、できるかもしれませんが、その場合は明らかに亜流として退けられるのを避けられないでしょう。あくまでも誰も見たことがないか、実際には存在しなかったものを作るのでなければ意味がありません。


同じように、どんな業者さんであっても、ひとつとして同じHPを作るわけではないのですから、いつでも、うまくできるかどうかは、神のみぞ知る、です。でも良い方法論を確立しているところは、とうぜん品質も保ちやすいはず。


わたしが関係した中で、唯一合格点を与えられるのは、栄養研の現在のHPのデザイン(情報デザインではなくて、あくまでも見た目のデザイン。階層構造は私のデザインですが、こちらは拙速という言葉が良く似合います。アヰタ!)を担当した業者さんです。Fさんという女性のSEの方が、少なくともウェブを低いもののように話さず、実際にそういうスタンスで取り組んでいただいていると感じました。


残念ながら、この業者さんはHPから撤退してしまいました。まじめにやったら本業を圧迫することに気付いたのだと思います。


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