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2004年12月 アーカイブ

2004年12月12日

たまには



たまにはなにか書かないと、廃墟と間違われそうですね。


というわけで、といっても何を書くべきなのか。海外の最新ニュースは、本家で土日を除いてほぼ毎日更新しています。たまにしない日があるのは、学会その他で人がいないか、あまりにも他の仕事が忙しいときです。


わたしは、ウェブに関しては黎明期のころから関わってきた(栄養研のHPを立ち上げたし、それは内部では1994年にさかのぼります)のですが、さすがに21世紀になって俄然注目されてきたブログのような新しい形式はよくわからないところがあります(というか、もうそれほど勉強する気にならない)。まだ、XMLやRDFのようなもののほうがわかりやすい。といっても、難しいことに変わりありませんが。


考えてみれば、90年代のはじめにあっても、わたしは年寄り(比喩だよ、比喩)だったので、20代の人々がコンピュータ関係では栄養研でももっと活躍していたのです。


ところが、彼らはみんなよそにいってしまい、あとから来た若い世代は、コンピュータのことを知っているようないないようなで、はなはだ心許ない状況になってしまいました。


これを分析的に考えると、というのは分析がわたしの専門だからですが、10年前には境界域にいた人々が、いまでは情報業界に取り込まれてしまった(拡大した)からではないかと思えるのです。


いまではちょっとでもコンピュータが理解できる人は、みんなコンピュータ業界にいってしまうのではないか(給料が良いから)という構図になっていると思えます。コンピュータで多少はプログラムもできる(ということはウェブを作る能力は十分あるはずの)人々は、研究なんてちまちまやっているより、ウェブデザイナーとして華麗にデビューしたほうが得だという結論に達したということなのではないかと。


それでもなお栄養研で研究をしたいと考える人々は、みんな生まれたときからコンピュータがあった(アップルは77年ですから)ので、それなりにコンピュータを使いこなしているけれど、決してコンピュータを愛したりした人々ではないようです。


そんなの当たり前じゃないかと、若い人達は思うかもしれないけれど、パーソナル・コンピュータがちょうど大学時代に生まれた世代にとっては、自分の専門とコンピュータを両方同時にマスターしなければならなくて、それがある種良い刺激になっていたと思うのです。


でも、当時のコンピュータ業界は、大学で専攻した工学系の人(筆者は理工学部の出身なのでそういう知り合いが大勢身近にいて、彼らの作る電卓ゲームに驚嘆していました。電卓で、ガンダムの宇宙戦のスピード感を再現してしまうセンスはいまだに驚きです。どうやって実装したのか未だに見当がつきません)はともかく、薬学系ではリスクが大きすぎました。


大学院に進学してから、大学時代の友人達はみなPCを買い、わたしも研究室がたまたま工学系だったこともあって、いろいろなPCをいじる機会に恵まれ、自分なりにワープロ(まだ買ったら高かった)を作ったりローリー法の検量線を描画するプログラムを書いたりしていました。


当時にあっては、それはきわめて普通のあり方でした。一太郎はやっとバージョンが2になったところで、国民的ワープロになるのはもう少しあとのこと。ワープロといえばWordStarで、英文を書くためのものですが、ものすごく高かった。マックもまだ存在せず、そもそもコンピュータでなにかをするというのは、邪道だった時代です。年賀状をワープロで出すのが非常識だったといえば、少しはわかってもらえるでしょうか。そういう時代があったのです。


なんだか老いの繰言みたいになってきたのでもうやめます。


リンクDEダイエットのような存在は、もう業者がその気になればいつでもできるものになったのでしょうか? 内部でも、そうだと考える人がいるようです。


でも、まだ日本では栄養関係で英語圏以外の情報にアクセスできるサイトはここ以外には存在しません。世界中の栄養士が自由にコミュニケーションできるようなサイトはたとえ英語圏であってもどこにも存在しないのです。


研究者のコミュニティは、学会の常用言語である英語で特に問題はなく、実際にも研究者のコミュニティは発展を続けています。


栄養士のグローバルなコミュニティは、基本的にはやはり英語を主体とせざるを得ないでしょう。それはしかたありません。でも、栄養士のコミュニティでは、研究者が切り落としているローカルな話題がかかせないものとなるはずです。そのためには、自動翻訳でもなんでも取り入れていくことが必要です。


もうちょっと精度が上がらないと、という問題は現実にあるとしても。


2004年12月15日

アンチ贅肉食品



 パク・ヨンウ先生が薦める、アンチ皮下脂肪食品の記事(日訳)。朝鮮日報より。


2004年12月18日

からだに「わるい?」



 遅まきながら気がついたのだが、科学の研究に携わる者という肩書きの人間である以上、善悪のような道徳的な判断を研究に持ちこんではいけないのに、最近の書き物は間違いっぱなしだった。


 ような、気がする。


 たとえば、朝食を抜くと、太る、または、やせる。


 これはよろしい。でも次のような言い方は絶対的によろしくない。


「朝食を抜くのは良くない」または「朝食を抜くのは身体に悪い」


 後者は「身体に」悪いと言っているので、一見価値判断ではなさそうだが、そんなことはない。医者に行って、お酒は身体に悪いからやめなさいといわれたら、そんな非科学的な医者の言うことは(科学的には)信用しないほうがよいわけだ。


 なんて、まあ、とりあえず断定的に書いてみたが、こういう判断は実のところ医学の世界ではあまりにも蔓延しすぎていて、それなしにはなんのサジェスチョンももらえないというくらいにフツーの言い方である。


 たとえば、15日付のCNNのニュースのタイトルは、"Report links marriage to better health"つまり、結婚は健康に良いと言っている。健康はたしかに価値基準のひとつだから、より良くなったりより悪くなったりするのは当然だが、結婚が健康に良いと言われたら、誰でも結婚が良いことだと無意識に考えてしまうし、実際に記事を書いたライターの念頭にもそれがなかったとは言いきれないと思う。


 だが、もう少し厳密な書き方をするならば、この記事は、結婚をしている人の場合、していない人よりも、自分は健康だと思っている割合が高いという調査結果が米国で出されたということに過ぎない。


 もし、記事のタイトルが、「既婚者は未婚者より自分を健康と思う」だったら、どうだろう。少なくとも、結婚したほうが良いんだ、と短絡的に思う人の割合は減るだろう。


 いや、実際に、例えば平均寿命が違っているという可能性はないとはいえないが、たとえそうであったとしても、それを「良い」「悪い」というのはよくないということに気付いたということなのである。


 少なくとも、それは科学的ではないし、多分哲学的でもない。


 ような、気がする。のだが。


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