とりあえず、アップデートな話題。つーか、たぶん個人的に、だな。
AHCC?って、アミノアップ化学って会社が販売しているがんに効くらしい健康食品。
AHCCインターネット相談室というのもあるけど、ここでは、販売元の会社とは無関係だと一応ことわってたりして。
実際どーなのよ、って下世話な詮索はどうでもいいけど、実はオレもAHCCというものは初耳だった。でも、これがAHCCというキーワードで検索すると、PubMedというアメリカの国立医学図書館の文献データベースで、まちがいなくAHCCそのものの文献がヒット(見つかる)する、とりあえずはエビデンスが皆無ではない健康食品なんだ。
それ見ると、AHCCは実はActive hexose correlated compound?の略なのだとわかったり。
単にオレの無知をなじってもらっても、それはそれでアリってことで。
中には、ヒトを対象にした試験結果もあって、関西医科大学?のグループが出しててさ。これ、すごくない?
アミノアップ化学のホームページ見てると、英国の(多分世界で最も権威のある)『Nature』誌の取材を受けたとか書かれてて、ひょっとして、まじスゴイ会社なのかも。
ただ、これじゃ、まだかなり弱い証明でしかないって、言っとく必要はあるよね?
第一に、AHCCをActive hexose correlated compoundと言い換えても、それだけじゃ、化学的にはまだなんも言いえたことにならないって現実がある。ひょっとしたらどこかの論文に構造式がでてんのかもしんない(だったら謝る)けど、hexoseなんていくらでもあるわけで。
そのcorrelatedじゃ、おおざっばな構造は想像できても、曖昧だよね。リコペン?とかビタミンCというものがあるわけなんだから、こういう書き方しかできない化合物は、現実には実態にかなりのバリエーションがあるって可能性もあるんじゃないっていう。製品にしても、同じでしょ?
例えばの話、hydrocarbon correlatedだったとしたら? ごはんでもパンでも、おまけに食物繊維だって仲間なんで、こんな曖昧なものはないということになっちゃう。いや、そういうふうに言ったら本当にそうなんだけど。
念のためにいっとくと、こんな議論は、研究者の世界では毎日の話の中でいくらでも出てくるわけ。だから、AHCCとか、本当にそれが意味あると思う研究者は、なんとかそれを明確にしたいと思って格闘してるわけで。
オレとしては、現実にAHCCというものを作ったり研究したりしている人々が無自覚だったりそこに安住しているとも思ってないんだけど。
まさか、ね。
そりゃあ、臨床研究がなければ無意味かもしんないけど、有効成分がわかんなけりゃ、そりゃただの健康食品でしょ? あ、それでいいわけか。いや、単なる冗談だけど。
還元論的な議論が嫌なヒトって確かにいるよね。でもさ、それなしには終われないでしょ。少なくとも、信頼を全ての面で得たいと思うのであれば。
これ以上還元しちゃうと作用が消失しちゃうというのであれば(ヒトを、その腕や脚だけを切り取って見せても、ヒトの一部ではあっても、ヒトとは言えないもんね)、それを証明する必要があるってことかな。デカルトみたく。リコペンを分解すんのも、化学的には簡単なことだけど、それじゃ意味ないわけでしょ? その線引きを、有効性を主張する研究者には証明する義務があるってこと。
同じ問題が、アガリクスの有効性にもあるかも。動物実験の論文は多いのに、ヒトに対する有効性はあいかわらずほとんど出てこないよね。
期待値で商品を判断するのがいちがいに悪いとは言えないともいえない。人間ならだれだって期待するでしょ。そこには例外は多分ないよね。
みんなに研究者の視点を持てというのは無謀かね。でも、あなたに救いたい愛する人がいて、そのためなら人生も全財産も投げ出して良いと思うんだったら、いまのところいちばん信頼がおけるEBM的な判断も念頭に残しておくことは、別に悪いことじゃないでしょ? 確かに、やりたくもない勉強を強いられるかもしれない…かもしれないけどね。