最新の情報を知ることは、いろいろな利点がある。特に、研究者にとっては、まったく新しい視点へのヒントを得られることがままある、というのが、リンクDEダイエットでニュースを提供するようになった動機のひとつだった。
栄養学の研究者及び専門家(とその予備軍)と自分で思える人々が対象であって、ここではそれ以外の人のことは考慮に入れていないので、情報の価値判断(科学的でも実践的でも)は各々ですれば良い(それができるのが専門家というものだろうから)と考えて、価値判断を記述する場合にも一般の人々にどう受け止められるかは、あえて無視している。なによりも、刺激を与えることを主に考えているので、誤解されやすいとんでもないニュースがしばしば取り上げられる、というより積極的にそういうものを取り上げている。
したがって、誰かを啓蒙したり教育したりという気持ちは皆無であると言ってよい。こんな風に作られているサイトは、日本語では私が知る限り存在しなかったので、やってみようと思ったわけである(英語圏では、学術雑誌サイト、二次文献誌サイトが研究者だけを相手に本物の刺激を与えてくれるから、特に必要ない)。
わざわざ説明していないから誤解されているかもしれないが、そういうつもりで『リンクDEダイエット』は運営しているので、一般の人々は見ていただいても全然かまわないのだが、たぶん誤読する可能性も高い。むしろ、わざと誤読させるような書き方をしているかもしれない。その代わりニュースや論文要旨にリンクして詳細な情報を得られるようにしてある。研究者が対象であれば、妙にやさしく解説されていたりすると逆に疑ってしまうから、このほうがむしろ親切なのだと思っている(それともそんな風に思うのは私だけだろうか? 正直にいうと、自分が使いやすいようにすることだけしか考えていないのだ。というのは、仮想的な研究者を考えると統計のお化けのようなかえって見当違いの対象者を想定することになると思うからだ)。
ある意味では、かなりふざけているようにも見えるだろう(なにがヒントになるかを証明付きで教えてもらえれば喜んでそのとおりにします、みたいな)。真面目に情報を知りたい普通の人々は、かえって混乱するかもしれない。それは、上記のようにもともと対象とは考えていないからである(ぜんぜん親切じゃないのは、実は人手が足りないだけのこと。余裕があればもっと対象集団を広げて考えられるとは思うのだが)。
機械翻訳も、専門知識があっても英語は苦手な場合に有用だと思って(結構高い料金がかかっているが)つけている。専門知識も英語も苦手な一般の人々は多様な集団だから、有用な人もそうでない人も、誤読の度合いを増す人もそうでない人もいるだろうが、そこまでは考える余裕がない。
どうしてこういうスタンスでやるのか、というのは当然わいてくる疑問であろうが、研究者に刺激を与えることで研究は進む、ということは国民みんなが結果的に恩恵を受けるということである。
想定される対象者の範囲を変えれば、またいろいろ別な方法も考えられるだろう。しかし、想定される対象者を変えるというのは、ただ単に、ちょっと変えるということにはならない。
対象者を栄養専門職以外の一般の人々に変えるためには、かなり本質的な部分を変更する必要がある、というのが最近のわたしの意見であり、そのための作業をこの一年くらい続けている。基本的な情報伝達の「形式」を変革しなければならないと思う。
これとは別の事情で、マスメディアについて考えさせられていたら、同じように「形式」の問題に行き着いた。マスメディアの関係者は、それを良いと思っているのかもしれないし、もしかしたら科学的でさえあると思っているのかもしれないが、価値判断を多く含むので、まず科学的とはいえない。価値判断を排除したとしても、多くの場合記述に不備があり(字数制限があるためだろう)、やはり科学的にはダメダメだったりする。
一般の人々に正確な情報を伝える、ということを第一に考える新しい「形式」が必要だと思う。せっかくマスメディアはみなウェブサイトも持っているのだから、これを活用するのが効果的だとも思う。引用文献を追加するだけでも良い。それだけで情報の信頼性は飛躍的に向上すると思う。
もっとも、こういう意見を拒否しているように思えるマスメディアの体質をこそまず変えないとどうにもならないのかもしれないのは、こういう意見を何度書き直しても勝手に削除してしまうくせに、今度こそと期待してさらに書き直せといってくるメディアというものを最近経験したからだ。結局、五回分書いて一回しか掲載されない(すべて複数回書き直し)という歩留まりの悪さなのに、さらにまだ書けといわれても、うけあってもいいが、その原稿は絶対に掲載されないだろう、と勝手に判断してここに載せた。この文章がそれ。掲載してもらえますか?