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2003年09月30日

赤身の肉はなぜ身体に悪い?



 今日のニュースによれば、UCSDのグループが赤身の肉に含まれているがヒトは作らないあるタイプの糖がヒトの細胞に侵入することを発見し、それをプロナス(米国科学アカデミー報告集のこと)に発表したという。難しそうなので、あまり真剣には読んでいないが、赤身の肉とは、要するにラムやポークやビーフのことらしい。N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)というこの糖は細胞表面にあって免疫(抗体?)の結合にも関係しているというし、ヒトのがん細胞からも検出されているという。ヒトは作れないはずなのに? だから赤身の肉の登場だということらしいが…


 とりあえずプロナスらしい(ってなんだ?)面白そうな研究のようだ。


朝食抜けばやせられる?



 パブメド(米国国立医学図書館インターネット文献抄録データベース)で見つけたバーキーらの報告によると、肥満の場合、朝食を抜くと本当に徐々にやせていくらしい。ただし、肥満でない子の場合はそういうことはないという。


 たとえやせるとしても、お馬鹿になるらしいという報告もあるので、朝食は食べるように、というのが著者らの意見だ。


2003年10月01日

ビール腹はビールのせいではない

 今月の欧州臨床栄養学雑誌の短報によれば、ビールを普通に飲む(1日350ml缶1本から2本)くらいなら、肥満にはならないらしい。つまり、毎日ビール飲んでいるからといって、かならず「ビール腹」とか「ビヤ樽」と揶揄される体型になるとは言えないという。
 ただし、この研究では、単純にビールの消費量とウエスト・ヒップ比を年齢調整して較べると、男性の場合、やっぱりたくさん飲む人のほうがウエストが太いという結果が出ている。しかも、BMI(身長と体重から計算する肥満度の指標)は変化がない。まさに、大して太ったわけではないが、ビールで腹だけが出っ張ったという、あの「ビール腹」体型そのものになっていくようで、要するに、我々の実感というのか、日ごろなにげなしに感じたり言ったりしているビールとお腹の関係というのもあながち間違いではないように思える。
 ただ、間違いではないのだが、正確に言い当ててもいない、ということらしい、どうやら。
 少し寒くなって、もうビールの季節ではないけれど、ウエストの気になり始めた男性諸君はご注意を。この研究ではワイン等のほかの酒類の常飲者は除かれているので、もしかしたらワインやウイスキーなら良いかもしれない。
 また、女性にはこういう関係はない(あるとすればBMI)とのこと。

2003年10月02日

ランゲルハンス島自己抗体とシリアル

 JAMAの最新号に、1型糖尿病に関する研究が報告されている。ともに、すい臓のランゲルハンス島に対する自己抗体の生成に関するものだ。米コロラド独ミュンヘンのグループによるもので、共に離乳前にシリアルなど母乳以外のものを与えるのが悪いという点で一致しているようだ。ただし、あくまでも自己抗体の発現に、である。
 すでに80年代後半から、厳密な母乳児と人工乳児で発現に差があるらしいとか、それは牛乳中のβ-ラクトグロブリンに対する抗体の生成によるもので、実際に発現に差が見られるとか、抗牛血清アルブミン抗体こそ問題だ、などなど、この分野での研究結果は生半な解釈を許さないものがあるが、この論文の緒言を読む限りでは状況はそんなに変わっていないらしい。
 とりあえず、1型糖尿病のリスクがある赤ちゃんはできる限り母乳にして、なるべくシリアルは避けるというのが、2つの論文から導き出される結論のようではある。
 妊婦さんとこれから赤ちゃんができる予定の方は、一応検討してみては?

2003年10月03日

しわあせ



 石森章太郎のマンガ「しあわせくん」の主人公、しあわせくんは、あまりの暑さに汗をかきすぎて、しわあせくん、になってしまう。


 あれは20年くらい前に読んだのだったか、それとももっと前だろうか?


 それはどうでもいいとして、あなたはしあわせ、ですか?


 南米のくらしと、東欧ロシアのくらしは、日本人の経済的視点から見ると同じようなものだとおもう人が多いのではないかと思う。でも、しあわせは本人の気持ちの持ち様である。


 ラテン民族は陽気というが、確かにそのとおりなのかもしれない。ただ、この調査、ほんとうにしあわせを測っているのだろうか? 要するにネアカ(死語。そのむかしタモリが言い出したものであったと記憶する。ネクラの反対語)かどうかを測定しているだけじゃないのか?


 とはいえ、しあわせは大切だ。健康寿命が重視されるのだって、寝たきりや植物人間では幸せ度は低いと思われるからだろう。ただ、実際に健康寿命の算定に幸せ度が繰り込まれているかどうかは定かでない。


2003年10月06日

更年期はいつやってくる?

 人間は子供を作れなくなってからも何十年も生きつづける珍しい動物だという説もありますが、女性はいつごろその能力を失うのでしょうか? それは栄養摂取と関係するのでしょうか?

 というわけで、戦争(対イラク戦争でもベトナム戦争でも、もちろん朝鮮戦争でもなくて、第二次世界大戦)を経験した世代の調査に基づく、少女時代に低栄養だと閉経が早いという論文がありました。でも子供時代の栄養は自分の責任じゃないですよね、多くの場合。

 ところが、近年急速に目に付きだしたタバコを吸う女性の閉経が早いという論文もありました。骨が急速にもろくなる骨粗しょう症は閉経で急激に進みますから、喫煙者はちょっと考えてみたほうがいいかもしれません。もっともそれ以前に、妊娠してもタバコが止められないようだと、かなり問題を残すかもしれませんから、タバコは吸わないほうが良いと思います。男性だって問題は多いと思うけど、母親の胎児に対する影響とは、やはり比較になりません。お酒も同じ。男性(つまりご主人)には赤ちゃんが生まれてから、受動喫煙の害を説いて、やめさせましょう。

 あなたは、卵子の数には限りがある、という仮説を聞いたことがありますか? 子供が多いと閉経が遅いという論文は、それを一部支持するものですが、避妊薬を飲んでいても遅くならないし、初潮が早くても、早まらないので、どこまでほんとうかは疑問です(と論文でもいってます)。

 これが現代日本では一番問題かもしれませんが、BMIが高いほうが閉経が遅いという論文が日本人を対象にした研究で報告されています。ただし、40歳の時点でのBMIなので、20代はやせていてもいいのかも、なんて、まさか考えてないでしょうね? 正確なところはわからないけど、やはり正常な性周期にはある程度の体脂肪が必要なようです。

 現実的な問題として、60歳で妊娠した女性は世界的なニュースになるわけで、別にそういう能力をいつまでも持っていてもしかたないのかもしれません。でも、健康の維持という観点からは、ホルモンバランスの変化による影響は大きいですから、なるべく遅いのにこしたことはないでしょう。アーシュラ・ル・グィンのような人生ももちろんいいかもしれないですけれど。

2003年10月07日

運動は胸に良い

 BBCには、インターネットに救われた私の人生という、乳がんにかかった女性がインターネットで正しい治療を受けることができて、乳房も人生も救われたという記事が載っている。

 そう、もちろんインターネットは重要な情報源であって、これを軽視するべきではない。でも、まずは乳がんになる前に、ならないように心掛けましょう、というわけで、今日は運動と乳房の話題。

 Cancerのオンライン版に載ったAlpaらの論文によると、運動する女性は、しない女性に比べて、乳房の上皮性腫瘍にかかる危険率が35%低いという。研究者らは、ロサンゼルス在住で35〜64歳の白人及び黒人女性を調査して567人の 乳房の上皮性腫瘍と診断された女性および、対照女性616人を選び出した。そして、 ウォーキング、ジョギング、ダンス、水泳などのエクササイズを週にどれくらいしているか聞き取り調査を行い、初潮以来のその女性の平均週間エキササイズ時間を割り出した。その結果、週に4時間以上のエキササイズをする女性は、まったくしない女性より、47%も危険率が低かった。

 早期発見ももちろん大事な話だが、運動で3人に1人がかからずにすむのならけっこうなことではないか。ただし統計学的には有意ではなく、母親や姉妹に乳がんがある人には効果がないということだ。はて、本当だろうか?

 今日は男性用避妊薬の話題というのもあり、かなり良い効果をもつという論文が発表されたらしい。ご興味のある向きは、BBCでもCNNでもご覧ください。

2003年10月08日

トランス酸と肥満

 イギリスの雑誌が、トランス酸(トランス脂肪酸)の問題を取り上げたというBBCのニュースと、肥満の小児に体重を減少させるような食事指導を行うと、体重が減少しないだけでなく、かえって太るというCNNのニュースがあった。

 いや。

 両者には何の関係もないが、昨日の乳がんと、上の肥満、トランス酸で、三つそろえばなんとやら。お互いになんとなく関係しつつ、今年度欧米健康ニュース界のヒットチャートを驀進中。

 日本人の私には、なぜ科学の最先端を独走する国の国民で、かくも極端な肥満が蔓延するのか、というその現象自体を研究するほうが面白そうに思える。

 フードピラミッドのことでもめている農務省とハーバード大のような話題に、昨今のイラク戦争の話題を絡めれば文化論のひとつやふたつでっちあげられそうだ。

 という私は自然科学者なので、ただ言ってるだけに過ぎないが。

2003年10月09日

歩け、歩け!



 メドラインプラスに載っていたロイター通信の記事によると、座業に就いている過体重の女性に毎日あと数千歩多く歩くように(合計一万歩以上)指導したところ、耐糖能異常の改善、血圧の低下といったよい効果が見られたという。


 でも座って働いている女性に、どうやれば数千歩も多く歩かせることができるだろうか? なかなか難しいことであることは、研究者も認識しているようだ。ちょっと遠くの駐車場に車を止める、e-メールのかわりに直接話しに下のロビーへ出かけていくことで、健康になりますよ、とはいうのだが…


 高齢者の運動も重要だという。積極的にやらせないといけないとまでいう。つまりそうでもしないとやらないからということだ。運動をしないための医師の許可が必要であるべきだなんて、中学校の体育の時間を思い出してしまった。


 運動をやらせたい人々の多くは、運動が得意な人ではないか、というのは私の勝手な思い込みかもしれないが、勉強をやらせたい人々の頭が良く、サークルを作りたがる人々のリーダーシップが強い、というくらいには関係があると思う。


 そして、運動をしたがらない人たちは、まさにそういう人々が運動場に陣取っているから、したがらないのだということが、まさか、わからないはずはないだろうと思うのだが。


2003年10月14日

低炭水化物ダイエットはダメ?

 イギリスでもアトキンスのダイエットは栄養士や医師から攻撃の対象になっている(BBC参照)。それはおそらく日本でも同様なのではないだろうか? 筆者は栄養士でも医師でもないが、炭水化物と脂肪の摂取について、アトキンスが極端であることと、それがいかに日本の炭水化物中心の食生活と相容れないかはわかるつもりである。

 とはいうものの、この方法で、特に最初の一ヶ月に劇的にやせるのも事実だと思うのだ(というのは筆者の経験からで、理論的なものではないことはお断りしておく)。実際、やせるし、多くの文献がそれを認めている。それが脂肪でなくて水分に過ぎないとしても、体重がみるみるうちに変化するという経験は、けっこう印象的な経験なので、低脂肪ダイエットの推奨者には、1)反対するなら、見る見るうちに体重が減少することがいかにいけないことであるのか、あるいは、2)低脂肪ダイエットでもそれが可能であること、のどちらかを論証してもらわなくてはいけない。

 アトキンスのダイエットがよくないと述べるのとは裏腹に、だれもそれが悪いことを実証できていないのだから、低脂肪ダイエットがそれより確実に良くて、早くやせることを立証できなければ、ますます分が悪くなっていくのはしかたないだろう。

2003年10月15日

長生きの遺伝子

 JAMA最新号の論文によれば、ユダヤ人の長命な人々とその子供について調査が行われた結果、長命な人々は、LDLとHDLの粒子半径が、そうでない人より大きいことがわかった。これは、コレステリルエステル転移たんぱく質遺伝子の変異によるものであり、遺伝する。

 なるほど、長命族というのは実在するのだな、などと思ったりするが、論文の本文はまだ(手に入らないので)読んでいない。普遍的な現象なのかもわからない。コレステロールといえば、動脈硬化などさまざまな病気の原因になっている感があり(正確には文献をあたらないといけないが、今は単なる印象で云っている)、それを制御する遺伝子の変異が長命家系を生み出すというのは、いかにもありそうな話だ。でもこれだけが決定因子なのだとしたら、余計なお世話じゃないか。きっと、あなたの寿命を測定します、なんて商売がすぐにも現れるだろう。

 寿命の決定因子はそこまで単純ではないと思うけど、今後の研究の里程標というわけですね。多分すぐに世界中の長寿者のCETP遺伝子の解析が発表されていくのではないだろうか。

 あなたは、単純さに賭けますか? だとしたら、ついでに遺伝子で寿命を測ってもらいますか?

2003年10月16日

神様、お願い!

 デューク大学の研究を報じたBBCの記事によれば、どうやら、神も仏もアラーもいないらしい。

 だが、これはとんでもない間違いだとわたしは思う。まず、いろいろな宗教というところが、いけない。それだけで、この研究をした人間に信心がないのは明らかだ。信じないものが救われるわけがない。

 また、記事にもあるが、キリスト教では「あなたの神を試すなかれ」というではないか。

 無作為抽出対照試験でかような効果が示されたことは、なんてたわごとをいいだすやからがまたでてくるのかもしれないが、こういうのは学問的な精緻さ以前の問題なのだ。試された神様は人間の無作為を超えるなんらかの方法で、いい結果をお示しになったり、そうでなかったりするはずだし、その方法やら確率やらは人間をもちろん超えていて、そもそも議論の対象にはなりえないのだから。

 こういう場合の使い分けというか、住み分けをだれか考察していませんでしたっけ? 昔のドイツの哲学者が。

 ***コメントおまちしてます***

2003年10月19日

血液型で違う健康法



 正直な話、お隣の国々、韓国、台湾、中国といった国々の健康ニュース欄は、日本とはかなり様子が違う。日本人は下品な話題を嫌う傾向があるので、どうしても上品な話題が中心になるが、アジアのほかの国では、あまりそういう発想はないようだ。その点はどちらかというとアメリカに近い。清教徒が作った国だとしても、日本人の私はおもわず顔を赤らめてしまうような話題がけっこうある。日本ではスポーツ紙の記事にしかならないのではないかと思ってしまう。


 さて、今日の韓国の話題(日訳)は、別に恥ずかしいわけではないが、ニュースとして取り上げるのはかなり気が引ける。血液型の話題なのだ。


 とりあえず、日本の常識として、血液型は個々のヒトの作るたんぱく質が異なっていることを区別する指標であって、そういう意味ではヒトの区別を可能にするものだが、それ以上のものではないことになっている。単純に考えれば、たんぱく質が違うから、ヒトはネズミと違うのだし、男と女は違うのだから、血液型が違えばなにかが違うのは明白ではあるが、それは血液型が違うのだ、と主張するのが当たり前のことになっている。


 ところが、韓国では、けっこう真面目そうな朝鮮日報のようなサイトでも、血液型で健康法は違うという記事を載せてしまう。他方で、日本のサイトより海外の科学情報にはすばやく反応するのだから、よくわからない。でも、この血液型の記事もアメリカの記事の受け売りのようでもあるので、結局同じ現象なのかもしれない。


2003年10月20日

44日の断食

 ロンドンのテムズ河上で44日間の断食をアメリカの奇術師が行ったというニュースがBBCに取り上げられていた。

 すごいですね。本当ならもちろんすごいけど、うそでもすごいと思う。でもうそ(トリック)だったら、ここで取り上げる意味がないか。

2003年10月21日

男と女は遺伝子が違う

というのは、あたりまえだが、男女の性差の主たるものは、生殖器の形成による性ホルモンの分泌の違いだといわれてきた。脳に性差があることは以前から知られていたが、これもホルモンが脳の成長に影響するためだということだった。

 ところが、最新の遺伝子研究の結果、どうやら男と女は脳を形成するための遺伝子からして異なっているという。CNNのニュースによれば、UCLA医学部のエリック・ヴィライン博士らは、生殖器が形成される前のネズミの脳の形成時に発現する遺伝子を調べた結果、オスとメスで54の遺伝子の発現に違いが見られたという。

 つまり、自分が男とか女とか感じられる、いわゆるジェンダー・アイデンティティの問題は、決して性ホルモンによるものだけはない、ということらしい。ホモセクシュアルかヘテロセクシュアルかも、そういうことになる。

 しかし、依然として、そうした区別を生み出す脳の神経回路についてはほとんどわかっていないわけで、遺伝子発現の違いということは、このあたりを解明する手がかりになるかもしれない。

ガシャポン



 ドイツのニュース (または日訳)。


 よけいなお世話じゃ


満月の夜



 月の満ち欠けは神秘的だし、それが人間の運命に影響するように考えられたのも無理はない。


 でも、マドリッドの10万人近い出産例を検討した最近の研究(日訳)によると、満月の夜に赤ちゃんが生まれやすいという事実はないという。


 スペインのお医者さんは面白いこと調べてますね。


2003年10月22日

ママが必要



 Yahoo!ドイツの記事によると、両親から離されて愛情のない環境に置かれた子供は、脳神経にダメージを受けるそうだ。雑誌『Geo』11月号に載った、ドイツのマグデブルグ大学の神経生物学研究者によるリポートによると、そのような扱いを受けた子ネズミの神経末端に異常が見られたという。子供が社会的に適応できなくなるのは、そのような原因で神経系を最適化できなかったためではないか、とのこと。


2003年10月23日

思春期の遺伝子

 ユーレカ・アラートの記事より引用(原文英語)

 新しい研究により、思春期を信号で伝えている遺伝子が識別されました。

 NIHに出資された研究者は、マウスだけでなく人間の思春期の開始のための重要なシグナルであると思われる遺伝子を識別しました。 この遺伝子の機能するコピーなしでは、人もマウスも、思春期に正常に入ることができないようです。 新しく識別された遺伝子〈GPR54として知られている〉は、また、人間の正常な生殖機能に必要であるようです。

 研究〈NICHDから一部出資された〉は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンの10月23日号に掲載されます。 GPR54は常染色体(性染色体ではない染色体)上にあります。 研究は、また、NIHの研究資源のための全国センターおよび一般医学科学、両国立研究所から出資されました。

「GPR54の発見は、正常な性成熟のために必要なイベントの精巧な連続を理解する時に、重要なステップです」と、デュアン・アレキサンダー、医学博士、NICHDの所長は言いました。 「この研究からの発見は、思春期に正常に入ることに失敗する個人へのより効果的な治療だけではなく、他の生殖関連疾患の原因に洞察を提供できるかもしれません。」

 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)として知られている物質が、視床下部と呼ばれる脳の一部から分泌される時に、思春期は始まります。 遺伝子の突然変異によって思春期を迎えることに失敗した個体は不妊です。

「種を越えた思春期の門番としてのGPR54の発見は非常にエキサイティングです」と研究の第一著者、ステファニー・B・セミナーラは言いました。 「未来に、この仕事は各種の生殖関連疾患の治療のための新しい療法をもたらすかもしれません。」

(J-serverによるニュースの機械翻訳を一部修正)

2003年10月24日

サウス・ビーチ・ダイエット



 CNNのニュースに曰く、「サウス・ビーチ・ダイエット、別名:熱海ダイエット(?)」(South Beach Diet)が流行の兆しを見せているそうだ。


 簡単に実行できるところが、いいそうだが、これはどうやらグリセミック・インデックスに基づく方法らしい。あの、日本でも一世を風靡した「低インシュリン・ダイエット」である。


 細かい違いはあるのだろうが、基本的にグリセミック・インデックスだけを指標にして(カロリー制限をしないで)減量できるという報告はほとんどないので、わたしは(減量法としては)ぜんぜん信用していない。


 が、やってみたい人は、調べてみてもいいのではないだろうか? 体重は減らないが、食物繊維を多く摂るので、健康にはなるかもしれない。


2003年10月28日

サツマイモで糖尿病治療

 Yahoo!スペインのニュースによると、スペインの統計的な糖尿病罹患率は、実際の半分に過ぎないのだという。つまり本当の糖尿病患者は、その倍は存在するというはなしだ。

 Yahoo!フランスのニュースによると、フランス糖尿病協会は、11月の一ヶ月間、糖尿病予防大キャンペーンを実施するという。

 Yahoo!イタリアのニュースによると、イタリアでも糖尿病協会が初めて糖尿病の疫学調査報告書をだしたらしい(実はイタリア語なのでよくわかってない)。

 西欧諸国でも、米国同様、生活習慣病が深刻な問題になっていることをうかがわせる、というおはなし。

 そのせいか、イタリアでも糖尿病研究はさかんなようで、カイアポ芋が糖尿病治療に効果的という記事では、イタリア国立研究評議会バイオメディカルエンジニアリング研究所のパチーニらによってカイアポ芋(白いサツマイモらしい)の皮から2型糖尿病に効く物質が発見されたと報じている。ブラジル原産で日本の香川県で栽培されていると書かれているように思うが、イタリア語なので正確なところは不明。

2003年10月29日

トイレでは手を洗おう!



 Yahoo!フランスの健康ニュースを見ていたら、北米大陸の空港では、トイレの後で手を洗わない人がかなりいるというニュース(フランス語)を見つけた。いろいろ探したところ、9月15日付けでユーレカ・アラートのニュース(英語)になっていたことがわかった。


 フランスで今ごろニュースになったのは、これから始まる冬の感染症(その中心は、SARSだ、もちろん)予防の一環という意識が記者に働いた結果であることは想像に難くない。というのは、台湾の新聞でも、急にSARSを話題にする頻度が高まってきたからだ。45秒でSARSを退治(中国語)という誇大広告を出現させてしまうほど、台湾の住民には切実な問題なのだろう。


 だからって、リスクを抱えた人を日本に来させないでほしい、というのはある意味で身勝手かもしれないが、日本人には大切な願いである。


 で、そういう日本人にとって、朗報というべきかもしれないのが、最初に書いたような旅行者の皆様の生態である。あ、やっぱり、と思ったそこのあなた、さては実行したことがありますね? 男なら3人に1人、女性でさえ5人に1人という(空港によってはもっとずっと多い)、驚くべき頻度である。米国人が本当にこんな高頻度で手を洗わずにトイレをでてくるなんて、ちょっと信じられない気がする。さすがに、SARSが流行したカナダのトロント空港では、きちんと衛生教育が行き渡っているという感じがするが…。


 日本人なら、ゼッタイに、こんなことはないだろう、とほとんどの日本人が思うに違いない。


 あ、でも、成田空港(または関西空港あるいは福岡空港)にくる一番の要注意人物は、ほとんどがガイジンなのであった。それにこの調査にしたところで、北米に行った人の何割が日本人だったろうか? と心配になってしまうのである ……


 冗談はさておき、手を洗うのはささいに見えてけっこうだいじなことです。だまされたと思っていいから、手はよく洗うように心がけましょう。


2003年10月30日

ワインレッドの香り


 最近また赤ワインが注目されている。今回のキーワードは、「リスベラトロール」。新酒の解禁が近いから、というわけでもないだろうが。
果物は皮膚がんから皮膚を守る  2003.10.30
米国がん研究協会国際学会で、果物が皮膚がんを抑制することを示した研究が3件発表された。ウィスコンシン大学のアファクは、ポリフェノールとアントシアニジンを含むざくろの抽出物がマウスの皮膚がんを抑制することを示した。同大学のアーマドは、赤ワインやブドウに含まれるリスベラトロールがB紫外線による皮膚へのダメージを防ぐことを示した。アリゾナがんセンターのエインスパーは、ミントや柑橘類に含まれるペリリルアルコールが、トランスジェニック動物モデルにおいてB紫外線照射による非メラノーマとメラノーマを抑制することを示した。EurekAlert より)
赤ワインは肺によい?  2003.10.30
赤ワインは心臓だけでなく肺にもよいという。ブドウの皮に含まれるリスベラトロールが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を引き起こすインターロイキン8の産生を抑えることが示された。論文は胸部2003年11月号に掲載。要約はこちらMEDLINEplus より)
赤ワインに含まれる新しい物質を発見  2003.9.10
第226回米国化学会学術総会で、赤ワインに含まれる新しいサポニンが見つかったことが発表された。nutritiongate より)
赤いワインは喫煙者を保護できます  2003.9.2
アテネのアレサンドラ大学病院のレカキスらの研究で、赤ワイン2杯でタバコ1本による害が打ち消されることが示された。しかし、タバコ1本ごとにワインを2杯飲めばいいということではない。赤ワイン中の有効成分の単離が期待される。研究は欧州心臓病学会で発表された。BBC より)
赤ワイン分子は寿命を伸ばす  2003.8.26
ハーバード大学医学部のシンクレアらの研究で、赤ワインやピーナツなどに含まれるリスベラトロールが酵母菌細胞の寿命を80%延長することが示された。論文はネイチャーに掲載。CNN より)
フラボノールで冠状動脈性心臓病リスクを20%減  2003.7.30
シドニー大学オックスフォード大学の研究者らによって、果物や野菜、お茶、赤ワインの摂取によって得られるフラボノールが、冠状動脈性心臓病による死亡率を低減する可能性が示された。論文(要約はこちら)は欧州臨床栄養学雑誌に掲載。nutritiongate より)
軽い飲酒は結腸ポリープの成長を抑制  2003.5.21
ニューヨーク市のマーシー医療センターによる調査で、適度に酒を飲む人(ビールやワインをグラスに1,2杯)は、全く飲まない人よりも結腸ポリープのリスクが低いことがわかった。調査結果は、オーランドで行われた消化器疾患週間の集会で発表された。MEDLINEplus より)

 最後のは、赤に関係ないですね。

2003年11月02日

許せよ、さらば救われん

 メドラインプラスの記事によれば、許すことは本人の健康に良いそうだ。

 少し前には、性急、短気、敵意が高血圧になる危険因子だという記事もあった。

 気分の落ち込みで免疫力が低下というのもあった。

 とりあえず、本人の脳神経系の活動が実際にあるわけで、神経の活動というのは、純粋に電気的なもののように多くの人は思っているかもしれないが、神経末端では、エピネフリンやアセチルコリンのような化学物質が放出されることで、実際の変化が起こるのである。こういう化学物質による情報伝達は、男性になるために精巣から放出される性ホルモンや大きくなるために視床下部から放出される成長ホルモンとなんの違いもない。俗に火事場のクソ力といわれるものは、副腎髄質から放出されるエピネフリンそのものである(関係ないが、タバコに含まれるニコチンは、アセチルコリンの働きを邪魔する作用がある)。

 このように考えていけば、気分が体調を左右するということに謎はない。ただ、その仕組みがよくわかっていないだけだ。

 でも祈りに効果がないというBBCのニュースは、まったくのナンセンスである。

 スピリチュアルヒーリングがどうこういうのもまったくのナンセンスだ。この日本語解説を書かれた先生は、栄養疫学の分野では有名な方だが、ご自身の著書で、RCTによる祈りの効果の実験に、一定の評価を与えておられる。単にウケを狙ったパフォーマンスなのだろうか。

 わたしの見解は以前にこのblogに書いた。

 代替医療には漢方やアーユルヴェーダ、西欧のハーブなども含まれるので、意味があるとは思うが、どうして手かざし療法や祈りにいってしまうのかは、よく理解できない部分がある。

 今の医学を補うものとして宗教が入り込むのは、ある種の余裕とも考えられる。昔と違って、現代医学は、決して占星術やもっと純粋な宗教にさえも侵される危険がないほど確立している。征服者が被征服者を取り込もうとするのは自然の掟というわけだ。

 でも、それは思い上がりというものだろう。EBMなんてお題目を唱えなければならない程度の医学に、宗教を取り込めるほどのふところがあるとは思えない。征服といってもせいぜい反乱民を鎮圧した坂上田村麻呂ではないか。

 それにしても、いちばんやるせない(許せないではない)のは、そういう論文を採用してしまう編集者、査読者たちの存在だ。もちろんホメオパシーだって、種の中の遠隔作用(遠くでネズミがある行為をなしとげると、同じ種のネズミは世界中どこにいても、以後その行為を以前より達成しやすくなる)だって、ユリゲラーだって、一応真面目に考える必要はある(それが科学だ)が、それをしてはいけない領域はあるだろう。そうでなければ、クローン人間に反対する理由はどこにもなくなってしまう。

 違うだろうか?

2003年11月04日

ワインと温暖化

 ユーレカ・アラートのニュースによると、地球の温暖化のせいで、ワインの品質が年々悪くなっているらしい。

 米国ワシントン州シアトルにおいて11月3日(月)に開催された地質学会年次大会での南オレゴン大学グレゴリー・ジョーンズらの発表によると、世界27のトップワイン生産地域の温度変化、および過去の50年間のワインの品質変化は、すでに温度上昇が極上品の品質に衝撃を与えていたことを示唆しているらしい。そして、次の50年、これら同じワイン地域の気候モデリングから、さらに2℃の温度上昇による更なる影響が予測される。

 その結果、今後2,30年の間に、管理方法を変えたり、品種を変えたりするなど気候の変化に順応していかなければ、今の高級ワインは滅びてしまうだろう、ということである。

2003年11月05日

リコペン



 ユーレカ・アラートの記事によれば、米国立がん研究所報の11月5日号にリコペンに関する動物実験の結果が報じられている。


 リコペンは、トマトに含まれる主要なカロテノイドのひとつで、赤い色をしている。トマトが赤いのはそのせいだ。


 さて、リコペンは疫学的な研究から、人間の前立腺がんを抑える働きがあるといわれてきた。今回の研究はそれを完全に否定するものではない。


 イリノイ大学とオハイオ州立大学の研究チームは、ねずみのえさにリコペンを加えた群と、トマト全粒紛を加えた群を、どちらも加えなかった群と比較した。ねずみにはあらかじめ発がん物質を与えて前立腺がんが高い頻度で起こるようにしてあった。


 実験の結果、リコペンを加えた群でも、有意ではないが前立腺がんの発生率が低下した。しかし、トマトの全粒紛を食べたねずみの群では、それ以上にがんの発生が抑えられた。また、興味深いことに、食事量を制限されたねずみでは、さらに大きくがんの発生が抑制された。


 というわけで、皆さんトマトを食べましょうということになる(実際著者らはインタビューに答えてそう言っている)。またサプリメントばかり摂るのはいかがなものか、という意見を支持する研究結果がまたひとつ増えたということでもある。


 でもこの実験は新鮮な野菜の効果を見ているわけではない。粉になったものでいいわけだから、これからアメリカでは「ホール・トマト・サプリ」とかがはやるかもしれません(うそ)。


2003年11月07日

リスベラトロールとサーチュイン・ファミリー

 リスベラトロール(resveratrol)とサーチュイン(sirtuin)・ファミリーというのは、ユーレカ・アラートに載ったウィスター研究所(もしかしてあのウィスター?)発の記事にでてきた低カロリー・ダイエットと長寿の関係を結ぶ最近注目の生体分子である。

 リスベラトロールは、少し前に取り上げたブドウの皮に含まれる成分(したがって赤ワインにも含まれるというわけ。白ワインじゃダメ)だが、9月に英国の科学雑誌Natureに、このリスベラトロールが酵母の寿命(平均寿命ということだろう)を70%以上も延長するという論文(PubMedの要約)が掲載されて話題を呼んだ。

 サーチュイン・ファミリーというのはその論文にも出てくる、NAD依存性の酵素ファミリーで、細菌からヒトまで広く分布している。リスベラトロールは、酵母菌のサーチュイン・ファミリーの酵素であるSir2というNAD依存性脱アセチル酵素の活性を増加させる働きがあり、それで寿命が延びるのではないかということらしい。このリスベラトロールの効果は、カロリー制限をしたときにSir2が活性化されるメカニズムとよく似ているらしい。

 寿命を延ばす酵素といえば、先月にはアシュケナージの長寿家系を調べたJAMAの論文もあった。こちらは、コレステリル・エステル転移たんぱく質(cholesteryl ester transfer protein, CETP) の405番目のアミノ酸イソロイシンがバリンに変異したというもの(I405V)だ。

 ちなみに、日本では、最近、世界最高齢だった本郷かまとさん116歳が、10月31日に亡くなったが、次の最高齢者も日本人で、広島県在住の川手ミトヨさん114歳である。男性も中願寺雄吉さんが114歳が9月30日に亡くなった後を次いで、中村Kameni(日本語表記がわかりませんでした)さん108歳が世界最高齢だそうである。

2003年11月09日

対処行動



 ユーレカ・アラートの最近の記事によれば、対処行動(coping behaviors)は少なくとも3つのX染色体遺伝子に関係しているという。だから、女性は、両親の対処行動を受け継げるのに、男性は母親のそれしか受け継ぐことができない。ただし、今回わかったのはネズミの場合だ。


 ちなみに、対処行動というのは、ストレスを解消するするためにとる行動のことだ。出典は『哺乳類遺伝学誌』の11月号に掲載された米国ノースウエスタン大学の研究ということだが、このMammalian Geneticsという雑誌をどうしてもネット上に見つけることができなかった。


2003年11月12日

母は強し

 ネズミの実験であることを、あらかじめお断りしておくが、出産を経ることで女性はストレスに対する抵抗性が増すという。

 ユーレカ・アラートの記事。神経科学会2003年度学術集会で発表された。

2003年11月13日

癒しパワーで健康ゲットだぜぃ!



という感じのちょっとあやしいかもしれない研究でも、NIHのグラント取ってしまうアメリカっていったい…?!


 日本人がみんなこんなだと思われたくないな。霊気って知らなかったけど。ググってみると、やはり怪しげなサイトがあとからあとから、でるわでるわ、で、たとえばこのページによれば、海軍も研究していたという、けっこう由緒正しい、というか歴史のある技ではあるわけですね。わたしの勉強不足でした。


 祈りの研究は断罪するくせに、霊気は良いのかという疑問があるかもしれないが、方法論的には、霊気は宗教ではなくて神秘的な宇宙のエネルギーだからそれをEBMしちゃっても何の問題もない、というのがわたしの見解。宗教的な祈りとの違いは微妙かもしれないが。


 でも、方法論的に間違いではないというのと、それがイカサマではないというのはまったく別問題。イカサマかどうかについての意見は、差し控えさせていただく。


 (最近、Xoopsと申請書でまたちょっと手抜きな感じの今日この頃…)


2003年11月14日

アスピリン

 アスピリンはドイツの製薬会社バイエルが発明したのだとばかり思っていたが、12日付のYahoo!フランスのニュース(日訳)によれば、ストラスブール生まれの化学者、シャルル・フレデリク・ジェラール(注1)が1853年11月にはじめてアセチルサリチル酸の合成に成功したのだという。

 もとは、陣痛を抑えるために処方された白ヤナギの樹皮の鎮痛成分であるサリチル酸が出発点であるという(正確ではないかもしれない、きちんと調べてはいない)。

 これを記念して、ルイ・パスツール大学の学長、ベルナール・カリエールが、同学理学部の植物園に、11月12日11時30分に白ヤナギを植える式典があるというのがニュース。

 ただ、アスピリンを最初に工業化したのはやはりバイエルで正しく、1899年に、とのこと。

注1:読み方は正確ではないがフランス風にした。ドイツのカールスルーエ工科大学に入学しているし、姓は明らかにドイツのものだが、当時はドーデの『最後の授業』より前の時期でフランス領だったと思われるので。それ以前のだいぶ前、おそらく18世紀に、ゲーテはシュトラスブルク大学に学んだという。ということは、そこはドイツ領だったということ? ストラスブールはとてもきれいな町である。フランス人とドイツ人が領有権を争ったというのもうなずけるような、住んでみたい町のひとつだ。

2003年11月16日

バイリンガル



 さらにこれも神経科学会2003からのニュースだが、バイリンガルに育つとモノリンガルに育つよりスマートになるそうだ。


 この「よりスマート」"smarter"のニュアンスはよくわからないが、利発で聡明ということだろうか。バイリンガルのだれかに聞いてみよう。


2003年11月17日

ジャンクとセレブ



 イギリスの権威ある医学雑誌ランセットがエディトリアルで、有名人(セレブ)がジャンクフードを宣伝するのを法律で禁止すべきだと主張しているとのニュースをBBCで見つけた。


 曰く、体調をベストに持っていくために栄養学的にも細心の注意を払うスポーツ選手を起用して(彼らが絶対に食べそうにないジャンクフードの)宣伝をさせるのは、きわめて不愉快なやり方であり、そんな仕事を引き受けるスポーツ選手は自らを恥じるべきだという。


 わたしはテレビもラジオも視聴しないので、日本にもそういう選手がいるかどうかはわからない。まあ、現代のスポーツにおける栄養学の重要さは、栄養研にもスポーツ栄養学の専門家が何人もおり、またそれを目指す学生からの問い合わせも多いことからも明らかで、確かにプロの選手がそれを知らないはずはないし、彼らがジャンクフードを食べるとしてもたまにであるだろうことは、想像に難くないのだが。


 興味のある向きは、ご一読を。ランセットのこの記事(PDF)である。


2003年11月19日

大豆の調製粉乳で乳児死亡か?

 先週から欧米を騒がせているのが、イスラエルの会社が売っていた、大豆から作った乳児用の人工乳。BBCの記事によれば、少なくとも二人の赤ちゃんが死亡したという。

 続報によれば、この製品は、ドイツ製で、イスラエルに輸入されていたらしい。ドイツの会社では、ビタミンB1の含有量が表示の十分の一だったことを認めているという。

 さらに、これをうけて、10日付でFDAは、談話を発表し、消費者に注意を呼びかけた。ただし、アメリカでは通常の商業ルートでは流通しておらず、旅行者が持ち込んだり通信販売で輸入される分だけだとFDAでは見ている。

 ドイツ製だということなので、欧州旅行をされる方はご注意を。

2003年11月21日

異国なまり症候群

 ドイツのYahoo!の記事を見ていたら。脳卒中から回復したら、自分の言葉が、自分がすんだことのない英国風のなまりになっていたというサラソタのご婦人の記事があった。きわめてまれな病気だが、1919年以来全世界でわずかに20例の報告があるという、「異国なまり症候群(Foreign Accent Syndrome)」というものだそうだ。元記事は、科学日報の記事である。

 卒中や脳内の損傷を受けた場合に極めてまれにおこるということで、このご婦人は1999年の脳卒中から回復するときにそれが現れた。本人は、英国には一度も行ったことがない。だが話す言葉は以前のニューヨークなまりではなくて英国風。話している当のご婦人自身、自分の声が理解ができないという。

 友人も家族も理解できず、はじめてあった人からは出身地を尋ねられる始末。元のニュースを読んでいくと、実際の例も書かれていて興味深い。日本語に置き換えると、「雨」を「飴」と(これはイントネーションでアクセントじゃないけど)意識せずに言ってしまうということのようです。大阪の方は単語を入れ替えて考えてください。なまりといっても、別に、「だめ」が「あかん」に置き換わるわけではありません。論文になったということだから、興味のある向きは、PubMedあたりで検索してみてください。

2003年11月22日

アトキンスで死者?



 BBCにもCNNにも見当たらないのだが、ワシントン発21日付のAFP通信による報道としてYahoo!フランスに掲載されていた記事(機械訳英文こちら)によると、アトキンスダイエット後に心不全で死亡したティーンエイジャーがいるとか、それ以外にも死者がいるとCDCが調査に乗り出したとかかかれている。


 因果関係がはっきりしないので英米のマスコミはなにも書かないのだろうか? どうもよくわからない。ただ、CNN健康欄の大きなスポンサーのひとつがアトキンス協会であることは、いつもニュースの右側に縦バナーが出ていることから推測できるが。


2003年11月25日

スペインでも

スペインの国会で、社会党が健康スペイン21のような法案を提出したという記事だと思う(すみません、あいまいで)。

高GIの食べ物が先天性障害のリスクを高める?



 米国臨床栄養学雑誌に載ったカリフォルニア大学の研究者による論文によれば、GI(グリセミック・インデックス)の高い食品(コーン・フレーク、ジャガイモ、調理にんじん、白パン、白米、チョコレート・ビスケット、蜂蜜、ソフト・ドリンク)を多く食べることで、赤ちゃんに二分脊椎のような神経管欠損のリスクが高まるという。これに対する低GIの食品は緑黄色野菜、新鮮な果物、全粒紛穀物、全小麦パスタで、こちらは危険性が少ないということになる(食品リストはBBCの記事のまま)。しかし、当然、反論もあり、欠損の原因はそんなに単純ではないというものと葉酸の重要性が記事の中ではあがっている。調査結果は結果として事実そのとおりだとしても、妊婦さんに低GIダイエットをしろというのは、あまり良いこととは思えないのだが… (言ってない、言ってない)


2003年12月06日

カラオケは癒す



はあ、そうですか…


Yahoo!フランスのニュース(日訳)。少年院とかでも更生に使っていると書いてあるような。ほんとうですか?


2003年12月29日

インスリン抵抗性と抑うつ

 最近の英国医学雑誌に載った論文によれば、インスリン抵抗性があるけれども糖尿病でない女性は抑うつ状態になりにくいのだそうだ。

 なんで?

 著者らの推測によれば、インスリン抵抗性は、血中遊離脂肪酸濃度の決定因子であり、これはトリプトファン代謝と脳内セロトニン濃度に関連する。そのために、インスリン抵抗性のあるヒトは脳内セロトニン濃度が比較的高く、その結果抑うつから守られるということらしい。

 理由はともかく、インスリン抵抗性は糖尿病や心臓病の危険因子なので治療しないといけないが、その際抑うつにならないように気をつけながらしましょう、だそうです。

2003年12月30日

笑う門には…



 もちろん、福来る。でも、どうして?


 雑誌『神経』の12月4日号の論文がMRIを用いて、その仕組みを脳内の活動から解き明かそうとしています。


 ご興味のある向きはどうぞ。でもすごく難しそうだぞ、これ。


 というわけで、何とか、今年も無事終了しそうです。みなさま良いお年を。


2004年01月01日

動脈硬化、遺伝子変異、そして食事

 お正月そうそう、ニューイングランド医学雑誌に面白い論文が載りました。

 動脈硬化の原因のひとつに挙げられる炎症反応。それに深く関与するものとして、5-リポキシゲナーゼという酵素があります。アラキドン酸からロイコトリエンを作り出す酵素として有名なものですが、この酵素の遺伝的変異によって、動脈硬化になる危険性が増すというのが、この論文の主旨です。コモン・アリルを欠くという表現が勉強不足でよくわからないのですが(誰かご教示ください)、この変異型酵素を持つヒトは、ロサンジェルスの470人の男女を対象にした結果によると、全体の約6%にも達するそうです。この変異を持つ人は、そうでないヒトに比べて、内皮-中皮の比が有意に高いそうで、炎症反応の血中マーカーであるC反応性たんぱく質の濃度も高いということです。

 この研究が面白いのは、単に遺伝的な変異が病気を起こしやすくするということではなくて、食事からアラキドン酸を多く取ることで、明らかに動脈硬化の進行が早まっているようだという発見です。遺伝子と食事というはやりの栄養遺伝子学のひとつの証明ということなわけです。

 夏にあったもうひとつのニュース(餌を変えると体毛の色が変わるネズミ)と併せて、今後の栄養学を左右する2003年の重要な成果ではないかと思います。

 きっと2004年は「大当たりの年」だぞ、なんてね。でも標本数少ないし、まだまだこれからかも(自宅からでは本文を読めないので、どうやってアラキドン酸の摂取量を推計したのかよくわからないし)。

 わたし個人としては、このニュースに反応してしまったのは、ドクター論文がプロスタグランジンと関係していたせいでしょう。プロスタグランジンは最近ではすっかり影が薄くなってしまいましたが、アラキドン酸の重要な代謝産物のひとつです。

 結局だれも完全には「客観的」に書けないのだから、今年はいっそ徹底的に個人的にいこうかと、思っていますが、またすぐに変更するかもしれません(所信表明?)。

2004年01月05日

しあわせになるたべもの



 BBCのニュースによると、最近イギリスでは、幸せになるアイスクリームやストレスを解消するビスケットといった、気持ちよくなれる食品がはやりつつあるのだという。


 ちなみに、幸せになるアイスクリームにはメラトニンが配合されているらしい。メラトニンは時差ぼけの解消薬として使われているものだ。また別の会社では、蘭の成分を添加しているという。幸せな気分になり高揚感が得られるというのだが。


 癒されたい人が多い昨今、日本でも発売は時間の問題か…


2004年01月09日

妊娠前に葉酸を飲むとなぜ良いのか?

 ニューイングランド医学雑誌の新しい論文の日本語要約を掲載しました。

 葉酸のサプリメントを飲むと効果があることはわかっていましたが、その理由のひとつを明らかにするものです。ただし、サンプル数が極めて少ないということと、因果関係が逆転しているので、まだまだ研究が必要だと思います。

2004年02月01日

赤ちゃんはにおいに敏感

 Yahoo! フランスの記事(日訳)によれば、赤ちゃんはおなかの中で羊水を通してにおいを嗅ぎ分けるという。だから生まれてすぐににおいで母親を識別できるそうだ。出典はなし。ほんとか?

地中海ダイエット

 Yahoo! イタリアの記事によれば、200人の乳がんと診断された女性の食生活を調べて、野菜と果物に富む地中海ダイエットの利点を見つけた、ということだろうか、それともそれを調べるということだろうか?

 私は訳文があればドイツ語、フランス語までなら何とか意味がたどれるが、イタリア語スペイン語になるとお手上げである。とりあえず、地中海ダイエットの話題なのでご紹介まで。結論は自分で原文にあたってください。

家族性高コレステロール血症

 Yahoo! スペインの記事(日訳)によれば、スペインで、遺伝が元で起こる高コレステロール血症を遺伝子診断するためのDNAチップが開発されたという。スペイン人の遺伝的変異に対応したものということなので、他の国で使えるかどうかは不明。それとも、USA版とかが先にあって、スペイン版が開発されたということだろうか? それも不明である。

2004年04月03日

抗酸化ビタミンが効く人きかない人



糖尿病治療』誌に掲載された論文によれば、ビタミンCとビタミンEをサプリメントとして飲んだとき、動脈の直径が狭くなる(心臓疾患になりやすい)人と逆に広くなる(心臓疾患になりにくい)人がいたという。


 ハイファにあるテクニオン-イスラエル技術研究所のA・P・レヴィ博士らは、ハプトグロビンというたんぱく質の遺伝的な変異に着目し、二つの異型を各々HP-1、HP-2となずけた。


 423人の閉経期の女性(うち154人は糖尿病)を対象に無作為に400ユニットのビタミンEと500ミリグラムのビタミンCを飲む人飲まない人(代わりに偽薬を投与)を割り当てて研究を行った。このうち特に299人の被験者についてはハプトグロビン遺伝子のタイプも調べた。


 その結果、糖尿病患者の場合、同じ量のビタミンを処方されていても、HP-1型ハプトグロビンの人の動脈内径が増加した(心臓病予防効果があった)のに対し、HP-2型ハプトグロビンの人では逆に狭くなる傾向が見られたという。また糖尿病でないHP-1型ハプトグロビンの人でも同様の効果が見られたという。


 HP-2型ハプトグロビンで糖尿病(血糖値が高い)の場合に悪い効果が観察されることから、HP-2型ハプトグロビンは、高血糖のときに、ビタミンCを抗酸化物質から酸化前駆物質に変化させるのではないかと著者らは推測している。


2004年04月18日

ニューアトキンスダイエット



前項は話がそれてしまったけど、『臨床栄養』の低炭水化物ダイエットの話である。


昨年相次いで有名医学雑誌に論文が掲載され、しかも悪いとか効果がまったくないという結論だった論文がひとつもなかったのは事実であるとしても、日本の栄養系の専門誌にアトキンスに対する肯定的な記事が載ったのははじめてなのではないだろうか。


アトキンスのダイエットに関してだけだとことわっているが、いちばん過激で議論の多かったのがほかならぬアトキンスの方法だった(炭水化物一日20グラムですよ!)のだから、この方法が少なくとも身体に悪いという明らかな証拠はないという、上述の論文の結論のひとつは衝撃だったといっていい。


「危険なダイエット」と(日本でも)名指しで著名な栄養士(ら?)から批判されてきたのだから。


とはいえ、ここ、国立健康・栄養研究所の準公式サイトとしてのここでの立場は、あまり割り切れたものにはならないかもしれない。


わたしは、ここで、とりあえず低炭水化物ダイエットに危険性は(腎臓が悪くない50歳以下に関しては)特にないようだという立場をとるが、同時にBBCで報じられたアトキンスダイエットで死者?というような記事のあることも認識してほしいと考える。


また、基本的に(これも最近BBCで検証されたようだが)、ダイエットは摂取カロリーの低下によるものであり、アトキンスが主張するような魔法は存在しないと考える。


つまるところ、低炭水化物ダイエットが効果的であるとすれば、それは摂取カロリーを抑えることに効果的であるからだ、という結論だ。


摂取カロリーを抑えることは重要だが、アトキンスダイエットは、リバウンドが激しいという負の面も存在する。これも、べつにアトキンスダイエットの特別な効果の結果リバウンドするわけではない。要するに最初のうちは炭水化物を食べないように心がけるので摂取カロリーは低下するが、しだいに、炭水化物を食べないでいることはできないと感じるようになり、実際に炭水化物を摂るようになる結果、摂取カロリーは増大する。そしてリバウンドがおこる。ということだと思う。


たとえば、アトキンスダイエットにおいて、缶コーヒーやオレンジジュースは、飲んではいけないものである。オレンジそのものが週に一個程度しか許容されない。ごはんもパンも食べてはいけない。そんな生活がはたしてどれくらい続けられるものだろうか?


結論から言えば、だれも続けられないので、リバウンドが必然的におこるというわけだ。アトキンス自身もこの問題はよくわかっていたはずだ。だから、しだいに元の食事の戻していく過程がダイエットの重要な一部になっているわけだ。


もちろん、ダイエットをしたいとおもったあなたは、みるみるうちに効果がでることを望むだろう。それが人情というものではある。


でもそういうダイエットはリバウンドも大きい、というのも事実かもしれないと考えて、穏やかに長く続けられる、しかも健康的なダイエットを考えることが望ましいと思う(アトキンスダイエットには気力を低下させるという精神的な負の効果が明らかに存在する)。


2004年04月19日

ワインと痛風

 アルコールの消費量と痛風の発症には関係があるとは、昔から言われていたことだが、痛風でないヒトがアルコール消費量の違いによってどれくらい痛風になり方が違うかはかならずしもはっきりしていなかったらしい。

 英国の医学雑誌ランセットに掲載されたこの研究では、1986年から98年にかけて最初は痛風でなかった47,000人の男性を対象に、どれくらい飲むと痛風になるかという前向き研究が実施された。

 その結果、一日ビール350ml缶一本程度でも、飲まないヒトに比べて1.32倍痛風になりやすいことが明らかになった。一日50グラム以上(ビール500ml缶2本以上)飲むヒトは、全く飲まないヒトの2.53倍も痛風になりやすいという。

 ビールがもっとも危険率が高く、次いでスピリッツ類。不思議なことに同じアルコールでも、ワインには痛風になりやすくなる効果はなかったそうである。

 先週アルコール中毒になりやすい遺伝子(GABRA2)というのが報告されたばかりだが、去る4月8日は全米アルコール検出日だった。飲みすぎかそうでないかを電話で無料診断してくれるという催しだという。そんなにアメリカには飲みすぎかどうか自分で判断できないヒトが多いのだろうか。

 たしかに、大学1年女子の10%が性犯罪にあったかあいかけた経験があり、そのうち50%は飲酒していた、という論文もあるので、きちんと自分の飲酒が度を過ぎたものなのかどうかを自覚しておくことは必要かもしれない。

 でも、ビールでなくてワインなら少なくとも痛風にはなりにくいって? そういう問題じゃないだろ。

ビタミンC・Eをたくさん摂取して優良児出産



(ソウル=連合ニュースより機械翻訳を一部修正)


 妊婦の体内ビタミンC,E濃度が高いほど優良児出産の可能性が高いという研究結果が出た。


 仁荷大予防医学教室ホン・ユンチョル教授チームは妊娠中期(24〜28週)女性239人を対象に血中ビタミンCとEの濃度差にともなう新生児の体重、身長変化を測定した結果このような結果が示唆されたと14日明らかにした。


 今回の研究結果は欧州臨床栄養学会誌(European Journal of Clinical Nutrition)最新号に掲載。


 研究結果によれば血中ビタミンC濃度が高い妊婦ほど新生児の体重と背が高かったが、平均的には妊婦の血液1mlあたり1マイクログラム高ければ新生児の体重は27.2g、身長0.17㎝増えると計算された。


 ホン教授は“ビタミンC,Eの濃度が高いほど体内酸化的損傷をあまり受けないから新生児の体重と背が高くなるようだ”としながら“新鮮な野菜、果物、抗酸化物質の摂取が妊娠期間においてかなり重要だということを示す結果”と話した。


2004年04月20日

HAGEを予防する

 『再生産之生物学』という日本語にするとなんだかよくわからない、"Biology of Reproduction"誌(周産期生物学?)に載った論文によると、大豆の生理活性成分のひとつである、ダイザインを投与することで、ねずみの前立腺肥大を抑制できるらしい。米国立医学図書館が運営しているメドラインプラスの記事によると、そういうことらしい。

 それが、BBCの手にかかると、「大豆はがんとはげを防止」ということになってしまう。メドラインプラスの記事中にも同様の記述があるので、論文あるいは著者の誰かが、実際にそのように主張しているのだろうが、こういうところに、メドラインとBBCの差が出るわけである。

 でも、わたしははげの心配だけは全くしたことがないけど、こういう記事のほうが中身を読もうという気にはなる。少なくとも、「ねずみの前立腺肥大を抑制」をみてもぜんぜんピンとこなかった。

 話題は思いっきり飛んで、わたしはTVを見ていないのですが、まわりのお姉さま方の ペ・ヨンジュン熱(『冬のソナタ』)がまるで理解できません。多分(もちろん推測しかできないわけです)それは「ハゲと前立腺がん」には反応するのと同類、いや別に綾波レイにはまるオジサンといってもいいけど、なにかジェンダーにかかわる重要な因子があるのではないか、と思うのですが。

 はげといえば、漫画家の清原なつのさん。花図鑑のあとがきまんがによると、どこかで実験助手をしていたとのこと。ずいぶん前だし、わたしよりもお年も少し上(のはず)なので、もうされてはいない、そもそも首都圏にはいらっしゃらないと思うのですが。

 でも、時代が時代だけに、彼女が同じ職場にいたら良いと思うライバルは多いだろうなあ。ペンネーム(確か平安貴族だったかな)なので、いわれなければわかるはずもないし。

結論:ねずみの実験で妄想を膨らませないこと。

2004年04月21日

韓国では新しい食生活指針



少し古いニュース(日訳)になるが、韓国では3月18日に新しい食生活指針が発表されたようだ。


以下(ソウル=連合ニュース) より機械翻訳を一部修正


保健福祉部は慢性疾患の主要原因になる不適切な食生活習慣を改善するために国民の栄養学的特性を考慮して,実践可能な方法を具体的に提示した4年齢層別‘食生活実践指針’を18日発表した。


福祉部は幼児のための食生活実践指針で生後6ケ月までは必ずモユルルモクで離乳食は成長段階に合わせて食べさせることと穀類,果物,野菜,魚,肉など多様な食品を食べさせることを推奨した。


また妊娠.授乳部には▲乳製品を毎日3回以上食べる▲肉や魚,野菜,果物を毎日食べる▲組んだ食べ物を避けて水っぽく食べ物▲酒は絶対に飲まないこと▲コーヒー,コーラ,チョコレートなどカフェイン含有食品をあまり食べないことなどを推奨した。


子供のための食生活実践指針で▲野菜,果物,乳製品を毎日食べる▲肉,魚,卵,豆製品をまんべんなく食べる▲毎日外で運動してつりあうように食べる▲朝を必ず食べる▲おやつは栄養素が豊富な食品を食べる▲食べ物を浪費しないことなどを提示した。


青少年には▲野菜,果物,乳製品を毎日食べる▲はねた食べ物とファーストフードを多く食べない▲健康体重を正しく知ってつりあうように食べる▲飲み物は水を飲むこと▲朝を必ず食べるなどを勧告した。


福祉部は年齢別食生活実践指針を学校,保健所,保育施設,病院などで栄養教育資料で活用するようにする計画だ。


 一部どうしてもわからない部分があるが、興味のある方はハングルを勉強してください。


2004年04月23日

健康食品素材

 誰も知らない間にこんなニュースが共同通信から配信されていたのですね。

 独立行政法人国立健康・栄養研究所の名前はどこにもないけど、これはうちのプロジェクトとして昨年の年頭からはじめた健康食品安全情報ネットおよび健康食品等の安全性・有効性情報を発展させてより広範からの識者の意見を集約したものです。

 文字通りプロジェクトの関係者が誰も知らない間にニュースが流れ、急にアクセス数が増えたのはなぜだろうと思いながら、今日になって発見したのですが、たぶん一言でも栄養研に言及してくれていたらケタ違いにアクセス数が上がっただろうと思うとちょっと残念。

 厚生労働省のデータベースなのですが、サイトのトップページのロゴには研究所の文字が入っていて、内容およびサイトの製作母体を明らかにしています(まだ未公開ですが)。

 内容については、さまざまな人のチェックが入って、よりいっそう完全なものになりつつあります。厚生労働省は本気だという気合が入ってます。基本的に登録は必要ない(もっとも最新の不確定な情報については必要)ので、公開の暁にはぜひ参考になさってください。

 特定保健用食品の基礎データも少しずつ掲載される予定です(最初はありません)。

2004年05月01日

栄養指導は無駄?



英国医学雑誌』の5月1日号に掲載された論文(Little P, Kelly J, Barnett J, Dorward M, Margetts B, Warm D: Randomised controlled factorial trial of dietary advice for patients with a single high blood pressure reading in primary care. BMJ 2004;328:1054, doi:10.1136/bmj.38037.435972.EE (published 13 April 2004))によれば、高血圧の要観察期間にあるひとに短期的にライフスタイルを変えるように指導しても無駄だという。


ナトリウムを減らし、カリウムを増やし、野菜、果物、食物繊維を増やし、脂肪を減らすように指導しても血圧は下がらないということらしい。


以下、論文の要約に沿ってみていくと、この研究の目的は高血圧の要観察期間にあるひとに短期的にライフスタイルを変えるように指導することが効果的かどうかを明らかにすることにある。研究デザインは無作為抽出要因試験(ファクトリアル・トライアル)。


方法は、血圧160/90 mm Hg以上の296人の患者を無作為に3つの因子によって規定される8つのグループに分類した。その3つとは、豆知識を与える小冊子群、低ナトリウム高カリウム群、果物野菜食物繊維を多く脂肪を少なく群である。


主要な測定指標は血圧(一次指標)、二次的指標は食事変化、体重、生化学検査(尿中Na、K、カロテノイド濃度)。


結果:血圧は、小冊子群では一ヵ月後に変化なし(0.2; CI 1.6-2.0)。低ナトリウム群(0.13; 1.7 to 2.0)も、果物野菜群(0.52; 1.3 to 2.4)も同様。低ナトリウム群はナトリウムの摂取割合は下げた (difference 0.32; 0.08 to 0.56, P = 0.01)し、果物野菜群は体重を下げた


(1ヶ月ではdifference 0.39 (0.85 to 0.05) kg P = 0.085; 6ヶ月では1.2 (0.1 to 2.25) kg P = 0.03). 果物野菜群はまた果物野菜の消費量を増加させ、カロテノイド濃度もあげた (difference 143 (16 to 269) mmol/l, P < 0.03)にもかかわらず、それは血圧の低下に結びつかなかった。


というわけで、結論としては、短期間にライフスタイルを変えるような介入を行っても、血圧降下には結びつかないということらしい。


でも、2次的な効果はちゃんと見られるので、おそらく脳卒中の予防には効果的であろうということ。


研究はきちんとしたデータの上に積み重ねられるものだ。効果の少ないものを明らかにするためには膨大なデータが必要になる。正直にいうと、私はデータもなく、ゆとり教育だとなんだのという教育学者やある種の役職者が死ぬほど嫌いだが、微妙な変化を雑駁な疫学データで論駁する似非教育学者はもっと嫌い。血圧が変らないのは年単位で議論するべき因子をそんな短期間で測ろうとした研究デザインに問題があるのではないだろうか。


もちろん、研究に予断は禁物だが、だれも、効果のないとわかっている介入研究をするわけないです。それはわかってはいるのですが。


2004年05月08日

緑色のハム登場



 韓国では、どこかの会社が緑色のハム(日訳)の製品化を発表したと報じれらている。クロレラを0.2%程度添加してあるらしいが、それ以外はきわめてまっとうな高級豚肉とのこと。写真入なので、興味ある向きはどうぞ。日本では売っていないのだろうか?


2004年05月09日

背が伸びる料理の本

背が伸びる料理の本(日訳)が韓国で出版されたそうだ。以前に中学生から身長を伸ばす食事はありますか? と質問されて、ある運動系の先生に聞いたところ、「そんなものはありません」とニベもないお返事だった。お忙しかったのでしょうね。

残念ながらハングルなので、ちょっとお勧めというわけにはいかないですね。オンライン版なら機械翻訳でけっこうなんとかなりそうに思うのですが、本ではね。キーボードからハングルを入力するところで大半の日本人は挫折してしまうでしょう。

もしかしたら日本でも類書があるかもしれませんね。どなたかご存知ないですか?

2004年05月10日

スピルリナ

フランスYahoo!に、スピルリナの記事(日訳)が載っている。

スピルリナというのは藻類の一種で、たぶんクロレラのような健康食品として売られているのだろう。日本でも有名だが、クロレラと一緒で、どうしてそれがすばらしいのかはなかなか理解しがたいところがある。

フランスでも同じらしい。どうやら西欧諸国にスピルリナが広まったのは、30年前にメキシコから持ち込まれて以来のようだ。

栄養失調の子供を助ける奇跡の食べ物ということらしい。しかし、微量栄養素に富んでいるというが、微量栄養素のサプリではだめなのか? 通常の食事では摂れないものなのか? いくらでも疑問がわいてくる。というのは、スピルリナにしか含まれない特異的な成分の存在が知られていないからだ。

要するにただの藻なのである。

結論から言うと、わざわざスピルリナを摂取する理由は、通常の研究者の立場からは出てこないようだ。

大金持ちの酔狂というニュアンスで記事は締めくくられていた(気がする。仏語原文はチェックしていない)。

2004年05月19日

Webによるオンライン・コミュニティの論文



 BMJ(英国医学雑誌)の今週号に、ネットワーク技術の医療応用に関する、原著、系統総覧(システマティック・レビュー)、などが特集されている。


2004年05月21日

丸善の移転

 洋書でおなじみの日本橋丸善が、丸の内に本店を移すというニュースがasahi.comにでている。

 学生時代には毎週通っていたが、大学から歩いていけないこともない距離にあったからで(でも実際に歩いたのは一度か二度だけ)、今の職場は山手線の反対側のはずれにあるから、とても不可能だ。

 ただし、学術雑誌の輸入で間接的には今でもお世話になっている。うちの前の部長は営業の人を直接呼んでいたっけ。僕は棚に並んだ洋書を見るのが好きなので、どうもなじめなかった記憶がある。今でも、書店に行って本を探すとき、店員さんに尋ねるのはよほど時間のないときだけだ。単に知らない人に声をかけられないだけなのだが。同じ理由で店員さんとコミュニケートしなければ何もできない普通の商店やデパートはにがてである。

 書店にためらいなく入っていけるというのは、もちろん本が好きだということもあるし、よく知っているからということもあるだろうが、多分いちばんの理由は書店の店員が客に声をかけないことにあるような気がする。書店だけは中学生の昔からぜんぜん臆することがなかった。

 とはいえ、書店の店員が他の商売に比べて客にやさしいのかといえば、ぜんぜんそんなことはない。まだ中学生だったとき、全集本の高そうな『三国志』を手に取って見ようとして、田舎の書店のオヤジに「こどものみる本じゃないから」といって遮られたことがある。毎日来るくせにあんまり本を買わない、買ってもSF文庫がせいぜいの厨房だからと、くだんのオヤジさんは本当に商品を汚されることを心配していたようだ(われながらくだらないことをよく覚えているものだが、ここまで露骨にされたのはこの時だけだからだろう)。

 店員さんは声こそかけてこないが、それだけ勝手に客の素性を決め付けて誤解しているような気がする。会話がゆるされないからこそ思い込みもまた増幅され、何気ない態度に現れてしまう場面にはしばしば遭遇した。

 在庫をしまってある足元の引出しを開けるために店員が現れる。手にとって眺めている文庫を戻すべき棚の隙間を別の本で埋めてしまい、ついでに人間の力では隙間が絶対に作れないようにぎちぎちに詰めて、去る。なんて日常茶飯事だ。買って帰れよ、という意味なのか。

 実は、丸善ではこういう経験をした記憶がない。ひょっとして社員の教育ということにひどく気を使っているからなのか、真相はわからないが、カウンターに並んでいても順番は守ってくれるし、同じ書架の前に一時間も二時間も動かずにいても、万引きしてないか確かめにくることもない。

 そんなの当たり前じゃないかと思ったひとは、きっと本屋に2時間以上いたことがないひとだ。4時間くらいいてもあきないという感覚が理解できないかも。大書店に喫茶店があるのはなぜ? 日本橋の丸善にも洋書の絵本売り場の横にあります。地下の文房具売り場の横にも。新宿の改装前の紀伊国屋書店には二階の一番奥にあって、庄司薫の『僕の好きな青髭』で薫クンが昆虫採集のいでたちで現れる設定になっていたような記憶がある(紀伊国屋本社ビルのB1、1階はそういえば食堂だらけだった。今はちょっと雰囲気が変ってしまったけれど)。本屋めぐりはちょっとインターネットのブラウジングに似たところがあって、目的化してしまうのだ。ただし、僕は本屋の喫茶店であっても入れないのだけれど。

 丸善というと、多くの人は梶井基次郎の小説を思い出すかもしれない。書架に檸檬をこっそりおいてくるやつだ。でも、あれは京都支店の話。日本橋本店は田山花袋の『東京の三十年』あたりに出てきたように思う。

 インターネットの発達で丸善のような学術雑誌の輸入代理店は大打撃を受けたと思うかもしれないが、実はオンライン版の契約も同じ輸入代理店がやっている。いっそ、インターネットで買える書籍はなんでも取り扱ってくれれば良いと思うのだが、外国のAmazonで買える洋書には丸善では買えないものがかなりある。個人で買うときはクレジットカードなのでAmazonで買ってしまえばよいが、研究費で買うには代理店が必要だ。ちなみに、アメリカの栄養所要量も、フランスの栄養所要量も、ドイツの栄養所要量も、だめ。英国のだけ買うことができた。懐に余裕のある先生は個人で購入しているようだ。

 でも、それはそれ。いろいろ不都合はあっても僕は丸善が一番好きな書店であることに変わりない。あの日本橋にはいろいろ思い出もあり、なくなってしまうのはさびしい。2007年にはリニューアル・オープンとのことだが。

2004年05月23日

運動中毒



 お隣韓国の話だが(ヨン様!)、運動中毒が話題(日訳)になっている。毎明け方に登山をしてからでなければ出社しない人がある日初期の関節炎と診断された。彼は鎮痛剤の助けをかりながら今でも登山をする。そうしなければ一日が始まらないからだ!


 決して他人事ではないと思う。筆者も、毎日往復一時間20分の徒歩通勤を欠かさない人(普通に歩いたら2時間かかる距離なのだ)や、毎晩30分以上のランニングを欠かさない人を知っている。どちらも50代半ばである。


 というわけで、韓国版運動中毒診断テスト(日訳)があった。機械翻訳でもちゃんと動くので、一度お試しあれ。


2004年05月26日

ビタミンB12が抑うつに効く

 Yahoo! Italiaの記事によると、ビタミンB12が抑うつに効果的らしい。イタリア語は分からないし、日本語機械訳はめちゃくちゃなので、英語機械訳をリンクしたが、これもかなりあやしい。

 とにかく、ビタミンBのどれかが効くらしい。

 フィレンツェのドゥオモに登れば気分は爽快、アオイが現れれば言うことなしだろう(なんのハナシ?)。ベンベヌート・チェリーニの金細工、ミケランジェロのピエタ、マキャベリの君主論、花の都にはルネッサンスの全てが凝集されているというのは多分本当だ。どうしてうつ病の心配なんかするのかと思ったら、これ、フィンランドの研究なんですね。

『いちご物語』の舞台になった、北欧の国ですね。といっても、だれもラップランドから来た少女いちごのことなんて知らないでしょうね。林太郎のお父さんが売れない小説家で生活のためにポルノ小説を書いていたとか、他にも大島弓子は放射能を浴びて女性になってしまう高校生の男の子の話を書いていたとか、けっこう覚えているものですが、イタリアには関係ないですね。ビタミンのビタは森鷗外の『ウィタ・セクスアリス』のウィタで、ラテン語つまりイタリアの古語が語源ですね。鷗外訳のアンデンルセンの『即興詩人』はイタリアの甘美な部分をよくとらえています。ベルリンに留学していたからなのか、北の人間のイタリアへのあこがれ(アンデルセンはドイツの北で国境を接するデンマーク人ですね)をよくわかっていたのかもしれませんね。

 こういうのをまさにとりとめのない話というのですね。どうでもいいけど、ビタミンの発見者は日本人で、そのときは別の名前(オリザニン)をつけていたんですよね。いまもその名が残る理研での研究ですよね。

 この理研に同じ時期に朝永振一郎がいて、彼のくりこみ理論はデンマークのニールス・ボーアの…

 ところで、いちごって、どうなってしまうんだったっけ…

アルコールは眠りを妨げる?

Yahoo!ドイツの記事によると、アルコールは睡眠の導入には有効だが、途中からかえって安眠を妨げるようになるらしい。

 そうは言われても、レーマー通りにある自然食品の店には外国産ワイン(ドイツ以外ということ)の棚があってボルドーでxx賞を受賞した当店お薦めというワインを1500円で売っていたりする。一本200円から500円が相場の国で、1500円はけっこう上等な部類に属する。ハイデルベルクはバーデンワインの産地で、白ワインならそれでもいいが、ボルドーと聞いてちょっと食指を動かされた。

 同じ店で買ったケーゼをつまみに飲むと、これがまたこんなおいしい赤ワイン飲んだことない、というくらいに美味い。値段のせいかもしれない。日本に帰ってもお金さえ出せばもっとおいしいワインだって飲める。でもその場合一日に一本のペースなんてことは僕の収入ではとてもできない相談だ。

 欧州にいられる時間はわずかなのだから、この際飲めるだけ飲んでおこうと、翌日同じワインを一本、口直しにイタリアワインを一本、と買いこんで自転車でゲストハウスへと帰っていく。一本空けてしまって、もう安眠もへったくれもあったものじゃない。

 このニュース、ハイデルベルク発だが、ひょっとして安眠妨害の一因はあのワインの安さ?

2004年05月27日

少女にカルシウムは必要か?

 Yahoo!Franceの記事によれば、スイスで行なわれた研究で、カルシウムを補った食事を一年間してもらった8歳の少女67人は、そうしなかった対照の77人に比べて、平均して6ヶ月ほどpremières règlesがはやく始まったそうだ。結論を出すにはもっと慎重な調査が必要だという。

2004年05月28日

28日は国民栄養の日inスペイン

 Yahoo!スペインの記事によると、5月28日は「国民栄養の日」だそうです。栄養に対する意識を高めるための記念日らしいですが、例によってスペイン語はわからないので間違っている可能性大です。

2004年05月29日

NatureとBMJに統計の間違い多し

 スペインの研究者の報告。一割強の論文に統計学的な間違いが存在するという。

 Yahoo!ドイツで見つけた記事。実はNewScientist誌に載ったレポートの引用。そのレポートの末尾に出典BMC Medical Research Methodologyであると書かれていた。PDFで全文を読むことができる。興味のある向きは出典リンクからどうぞ。

2004年05月31日

韓国ではウエル・ビーイング

 朝鮮日報の記事(日訳)によれば、韓国ではいまウエル・ビーイング(well being)が大流行だという。

 健康的な生活をするということだろうか。「ウエル・ビーイング家電(日訳)」ってなんだ? トレパン(日訳)で外出するのがおしゃれ? ファミレスやファーストフードの健康メニューの話(日訳)はわかりやすいが、ヨガの話が出てきたり、母乳タンパクから作った乳児服とか、いまやウエル・ビーイングなしでは日も暮れないようだが、ひょっとしてこれ、『朝鮮日報』のタイアップ記事(広告)かもしれない。

 くわしくご存知の方は教えてください。

2004年06月09日

ビタミンCが4倍豊富な野菜



 朝鮮日報の記事(日訳)によれば、韓国では、遺伝子操作によって、ビタミンCの含量を通常の4倍に高めた野菜が開発されたそうだ。早ければ2007年ごろには実用化されるという。


2004年06月23日

遺伝子組み替え大豆とトウモロコシ

 Yahoo!ドイツの記事によれば、ミュンヘンでグリーンピース(環境保護団体だと思う)が、遺伝子組み替え大豆とトウモロコシで飼育されたらしい牝牛のミルクを発見したようだ。

 ドイツ語は面倒なので日本語機械翻訳で斜め読みした限りでは、どうも組替え大豆に特異的なDNAをミルクから発見したらしい。DNAまで乳汁中に移行するとは知らなかった。

 たんぱく質が抗原性を保持したままで一部乳汁中に移行するのについては多くの報告がある。

 いかにもありそうな話ではあるが、はたしてそのDNA断片をミルクから発見して、なにか意味があるのだろうか? もちろんヒトのクローニングを含めて、遺伝子操作に常に警戒を怠らないことは必要だと思う。

 でもウイルスではないのだし、たとえ組替えられたDNA断片やたんぱく質が消化管を通して吸収された場合、その危険性はどのくらいになるのだろうか。ペルオキシダーゼやガラクトシダーゼのような酵素が混入して危険だとすれば、通常の食品にいくらでも入っているそれらの酵素はどうなるのか(ほとんど消化管で分解されます)? 組換え時に挿入される(無意味に見える)配列が潜在的な危険なのだろうか? これはただちに否定はできないとしても、どんな食品でもDNA配列を調べずに食べるヒトが気にするほど有意に危険なものなのだろうか?

 基本的に、異物である他者、つまり異質なDNAによって作られたたんぱく質から構成される生物を食料にすることを運命付けられた動物が、そのような状況で異質なDNA(やたんぱく質)から守る仕組みを発達させなかったら、生き残ることはできなかったのではないか、とは思わないのだろうか? だいたいこんなことを言い出す集団は、その限界もよくわかっていると、どうして疑ってみないのだろうか?

 そういう仕組みの不思議を解明した日本人がノーベル賞を受賞したことを覚えていないのだろうか? 受賞者がその後迷宮に入ってしまうことはポーリングのビタミンCでおなじみではありますが。

2004年06月26日

さかなで弁舌さわやか(?)に

BBCのニュースによると、妊娠中に母親が魚をよく食べた子供は、言語能力とコミュニケーション能力に優れるのだという。ノースカロライナ大学の研究で、論文は雑誌『疫学』に発表された。

もしかしてDHAの効果だといいたいのかな?

2004年07月02日

ダイエットの喜び

台湾の東森新聞報ETtodayの記事(日訳)によれば、

肥胖是健康的隱形殺手,衛生署北區醫院聯盟主任委員張金堅今天在一場減重成果發表會中表示,肥胖所造成的最大威脅,在於容易誘發許多疾病的發生,如心血管疾病、高血壓、尿酸過高及痛風、腦中風、不孕症與陽萎、癌症、血脂肪過高、第二型糖尿病,所以減輕體重不只是為己者而減,同時也是健康的指南針

なんだそうである。

うーん…。難しい漢字が多いなあ(いや、そういう問題じゃ…^^;)

日本語機械翻訳を読んでもよくわからないが、最後の「所以減輕體重不只是為己者而減,同時也是健康的指南針」というのは、「したがって、体重軽減は、ただこれ減るもの自身の悦びのために為すのにあらず、同時にこれ健康指針なり」ということだろうか? もっと分かりやすく言えば、減量すれば、体型がかっこよくなるだけでなくて健康になるので長生きできるし医療費も削減できますよということだ(中国語は全く知らないのでいいかげんな解釈であることは請合う)。

そういうわけで、運動のやり方や食事のしかたを教えてくれる、いわゆる健康教育の重要性を記事の中で説いているらしい。その部分の機械翻訳は以下のようになっている。

「桃園病院のもう1度健やかな科の医師の呉正哲は、毎日使う熱量は摂取する熱量より多いのでさえすれ(あれ)ば、体重を軽減することができて、しかし最も重要なのは根気よく続けるので、リズム感、全身性を選ぶことができることを提案して、大き「筋肉の群の運動の方式を使って、例えばはや足が歩いて、ゆっくりと自転車に走って、水泳、乗って、あるいは酸素の舞踊があると指摘している。呉正哲はいっそう説明して、今流行する「333運動」、毎日3回運動して、毎回30分、強さは動悸の130の下でだ!

苗栗病院の栄養士は明華の強調を祈って、普通の民衆が長くて重い民間の処方を減らすことを求めて、バランスが取れている、低い熱量の飲食をマスターすることが分からないで、いつでも運動する秘訣を掌握して、最もよく重い方法を減らす。現代人の外で食べる機会が大いに増加するため、特にみんなが説明する外に食の技巧のため明華を祈って、油脂と熱量を減らしてから手を書いて、特に外で食べてバイキング式料理を食べる時、料理を注文してニワトリの足を試験して鶏の足のから揚げに取って代わることを選ぶべきで、ご飯でチャーハンに取って代わって、両者の熱量の違いの1倍数、不可うっかり! 」

 中国の人あるいは日本語のうまくない誰でもいいが、そういう人が話していると思って読んでみると、なんとなくわからないでもない。

 世の中には、文庫本は本ではない、ときっぱり断言することができて、実際にも買うことはなく、そうすることで読めない本(たとえば岩波文庫やハヤカワ文庫には文庫しかない翻訳が多い)が存在してもかまわないと、これまた断言するひとがいる。2人の知人から断言された記憶があり、私には全く(未だに)理解の範疇を超えているので、よく覚えている。

 翻訳は偽者だから読まないといった女の子も知っている。

 どちらも気持ちはよくわかる。どちらも渡部昇一の著書か発言に影響されているのだろうと思う。いや、違うかもしれないが、彼の『知的生活の方法』がベストセラーになった前後の「伺か」(しゃれ、しゃれ)であるのは確かだと思う。

 というのは、どちらの意見も、私自身がいちどは大まじめに考えたことであり、その年代が70年代だからである。ひょっとしたら誰でも高校生位の時には一度は考えるのかもしれないが、少なくとも、語学については、ラテン語が『ガリア戦記』を読める程度で、だれか英米のベストセラー作家の新作(英語)を読み始めたら止まらなくて、夕食も忘れて読了してしまった、という記述が前掲書中にあったことははっきり覚えている。

 どうなんだろう。確かに、自分だけの基本図書セットを所有するべきだという意見も前掲書にあったのはなんとなく覚えている。でも、文庫じゃだめだと書いてあったという記憶はないのだ。

 翻訳にしても、原書が読めると世界が広がるくらいのことしか書いていなかったような気がする。

 どちらもどこかではっきり断言しているのを読んだ記憶はあるのだが。

 話題がそれてしまいましたね。要するに、何かを信じることはいいことだけど、少なくとも私にはなにか絶対的なものを想定することはできなかったということです。ある意味では挫折の告白だと言ってもいい。

 私も機械翻訳の気が狂いそうになる文章が好きなわけではない。吉田健一や石川純や内田百が良くて、大江健三郎がだめというのはすごくよくわかる。

 でも、一番好きなのは、今挙げた中では、大江の『個人的な体験』なのだし、それはほかならぬ、あのごつごつして読みにくい、けれども変にリリカルな文体のせいだ。今気がついたけど、あの文庫本、翻訳嫌いと、大江、埴谷雄高嫌いは通低するものがあるような気がする。説明できないけど。

 大江健三郎のあまり時間をかけないで書いたらしいエッセイや、講演を読むと、普通の人間が話しているので驚くことがある。TVのインタビューもそうだ。

 ということは、彼の文体は、極めて恣意的な産物なのであって、決して頭が悪いというような巷に言われることが原因ではないと思う。多分彼の批判者はただ嫌いなのであって、そのためにそういう言い方をしているだけなのだろう(例えば倉橋由美子などは典型的ではないか)。

 ただ嫌いですめば簡単なことではある。そう書くだけでお金になる人々にとってはそうだろう。しかし、嫌いではあってもそれだけではお金にならないとき、問題は複雑になる。

(はなしはますますややっこしくなってきたが、もう時間も遅いので、あとは明日にする。連載は初めてだ。もちろん、続く保証はない…。フィクションですよ、あくまでも)

2004年07月04日

続・ダイエットの喜び

 前回からの続きである。

 さて、機械翻訳をむやみに嫌うのは良くないと言った。とはいうものの、もし以下のような記述をまじめに実行しようとするなら、その限界はあまりにも明らかだ。

「桃園病院のもう1度健やかな科の医師の呉正哲は、毎日使う熱量は摂取する熱量より多いのでさえすれ(あれ)ば、体重を軽減することができて、しかし最も重要なのは根気よく続けるので、リズム感、全身性を選ぶことができることを提案して、大き「筋肉の群の運動の方式を使って、例えばはや足が歩いて、ゆっくりと自転車に走って、水泳、乗って、あるいは酸素の舞踊があると指摘している。呉正哲はいっそう説明して、今流行する「333運動」、毎日3回運動して、毎回30分、強さは動悸の130の下でだ!

苗栗病院の栄養士は明華の強調を祈って、普通の民衆が長くて重い民間の処方を減らすことを求めて、バランスが取れている、低い熱量の飲食をマスターすることが分からないで、いつでも運動する秘訣を掌握して、最もよく重い方法を減らす。現代人の外で食べる機会が大いに増加するため、特にみんなが説明する外に食の技巧のため明華を祈って、油脂と熱量を減らしてから手を書いて、特に外で食べてバイキング式料理を食べる時、料理を注文してニワトリの足を試験して鶏の足のから揚げに取って代わることを選ぶべきで、ご飯でチャーハンに取って代わって、両者の熱量の違いの1倍数、不可うっかり! 」(前傾ニュースより)

 前段の食べたエネルギーより使ったエネルギーが多ければやせるので、そういう状態を長く続けろというあたりはよくわかる。運動も、はや歩き、自転車、水泳、エアロビクスで、一日3回x30分、脈拍が130以上にならないようにしなさい、ということだろう。

 ところが、後段はぜんぜんうまくない。一行目は体重を減らす方法を説明しているのだろうか? バイキングで低カロリー低脂肪のメニューを選択せよ、というのはわかるのだが…

 やはり本当にそれに基づいて何かをしようとするなら、こんな翻訳ではかなり無理がある。ほかに手段がなければやむを得ないとしても。

 英語の機械翻訳にしても全く同様のことが言える。機械翻訳はそれなりには使えるが、それ以上に使うのは明らかに間違っている。こちらとしてもそれ以上の働きなど、はなから望んではいないのだが、使う人間が無意識の期待感をこちらに投影していることがあり、しかもそれは無意識だけにちょっと面倒なことになりやすい。

 はじめのころ、こういう無意識に気がつかず、そのためにそれを意識的に回避するようにはサイトを作らなかった。積極的に機械翻訳を利用してほしいと思ったからだが、これは行き過ぎだったようだ。

 現在のサイトではかなり意識しなければ機械翻訳にたどり着けない(というほどでもないが、結局ちょっとした違いなのである)構造になり、クレームはなくなった。

 しかし、翻訳では読まないといった前述の女の子にとっては、問題はぜんぜん次元が異なっている。文庫本は買わないというのと同じく、偽者だから嫌だというのだから、翻訳の質の問題とはぜんぜん関係がない。

 一番現実的な答えは、人間に使える言語は通常限りがある。多くの場合はひとつかふたつであり、本当に細かなニュアンスまで完全に理解できるのはひとつだけのことが多い。翻訳はしたがって必要悪であり、それによってかなりの理解が実際に達成できるのだ、というものだろう。

 文庫本は、いまだにどうして本じゃないのか、よくわからない。どなたか出典をお教えください。

2004年09月02日

ニュースラッシュ

エキサイトニュースに載った共同通信の記事や、ニッポン消費者新聞の記事(こちらは「健康食品」の続報)など、わたしが直接関わっているサイトがらみのニュースが出るのは、なにはともあれ、たいへんうれしい。

スパスパなんとかいう番組(学生が事前に教えてくれた)で終始、国立栄養研究所と戦前の名称(戦後もずっとそうだったといううわさもある)を使いつづけていたのは悲しかったが、独立行政法人の呼称に妙にこだわるNHKよりは良い気がする。

研究所の特別客員研究員だったこともあるI先生が、にがりはクエン酸と飲めばよいと仰っておられたが、にがりの成分そのものが製品毎に大きく異なることも、にがりがダイエット効果を有するという科学的根拠が薄弱だということも仰らなかった。多分言い忘れたのか、カットされてしまったのだと思う。

まあ、どうでもいいことだ、とりあえずサイト管理者としてのわたしには…

2004年09月06日

タイムショックの司会は田宮二郎

 今日はショックなニュースが二題。

 ひとつは、BMJに掲載された、アルコールはやっぱり痴呆の原因になるという論文

 もうひとつは、Lancetに掲載された、低脂肪ダイエットも有効だという論文。いや、こちらは別にショックじゃないな。とてもいいことじゃござーませんこと、オクサマ?

 すくなくともにがりよりは科学的根拠が多く得られているであろう。

 タイトルは単に先々週の土曜日に『白い巨塔』の総集編をみて思い出したからで、全然意味ありません。

2004年09月07日

きれいな人



 英国BBCの記事によると、新生児も、きれいなおねえさんが大好きなのだそうだ。どうやら美醜の判別能力は先天的なものだといいたいらしい。


2004年09月12日

小学三年生?



 BBCオンラインの記事によれば、英国民の平均的な読解力は、教育を受けた9歳児相当なのだそうだ。


 ところが、英国厚生省や糖尿病協会がネットで提供している情報は、15、6歳程度の読解力を要求する。


 日本と英国とは違うかもしれないが、栄養研でも対象者は中学生以上を漠然と想定している。多くの場合、高校卒業程度または短大卒業程度の知識がなければ読めないものが多いと思う。


 これは、栄養研サイトが栄養士や業界関係者とのインターフェイスであるという認識からきている。サイトの平均アクセス数は、平日9-5時と、土日夜間では2倍以上の差があるので、かなりの部分が業務の一部としてアクセスしているのは間違いないと思う。


 子供向けのページは、ずいぶん前から提案されているのだが、なかなか現実のプロジェクトにならない。わたし自身やるやると言いつつ、いまだに手付かずの状態でいる。


 実は、楽しい健康栄養談話室が、そのための準備室の役割を兼ねていたのだが、気がつくとやたら難しい情報ばかりになっていた(あわてて少し修正を加えているが)。


 キッズページへの道はまだ遠い……


2004年09月14日

脂肪を包んで排泄



 エキサイトに共同通信配信のニュースが掲載されていた。


 動物実験では効果ないことが証明されたという。ひとごとみたいだが、わたしもニュースを見るまで知らなかったので。


 ちなみに、このニュース、HFNETを見ても載っていませんので悪しからず。10月1日の学会発表が終わるまで、新聞発表以上のデータは公表しないとのこと。


2004年09月15日

アルコール依存

 ユリイカアラート!の記事によれば、父親がアルコール中毒の子供たちを調べると、甘いものが好きで、かつ新しいもの好きな子供は、将来アルコール中毒になる確率が高いらしい。

 なるほどね。

2004年09月18日

韓国の健康機能食品



 韓国の食品業界紙サイトの記事(日訳)によると、ソウル大学の先生が、健康機能食品という命名は良くないといっているそうだ。まだ、栄養補助食品(サプリメント?)という言い方のほうがましだという。


 この記事の健康機能食品の例にあげられているものは、日本でいう「保健機能食品」には当てはまらないので、単なる「健康食品」なのかと思いきや、製造許可が必要なようだし、A、B、Cなどの等級付けもされているらしい。


 ユ先生によれば、「酒をさらに飲むようにする二日酔い解消飲み物、野菜と果物を食べないようにするビタミンまたは食物繊維剤、運動と適正栄養をしないようにするダイエット製品、タバコ、酒、肥満、運動不足などの重要発がん原因を持続するようにする効果が不明ないわゆる抗がん食品など」が、健康機能食品の悪いところだそうだ。


 ところで、適切な食事を摂取していれば、「健康食品」を摂る必要はない、というのは正論だが、「適切な食事を摂取」しているかどうかをだれもはっきり言い切れないところに、つけ込む余地があったのではないだろうか。よく、がんの原因の30%は食事からという言葉が一人歩きしているのを見かけるが、30%という数字自体が計算で出てくるようなものではないし、食品添加物や残留農薬、ダイオキシンなどを全て含めてだということはあまり触れられないように思う。


 摂取脂肪酸の種類(トランス脂肪酸、飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸を)とか、食物繊維やビタミンの不足というような純粋に栄養学的なものがどのていどがんの原因になるかはわからないと、30%説を提唱した著者らも言っていたはずだ。


 もちろん、それを完全に0%にするための研究は現在進行中であって、これこれの方法で食事に起因するがんはすべて抑えられると断言できる(まともな)研究者はひとりもいない。


 ところで、最近マーティン・ガードナーの本を読んでいたら、ニュートンは自分の青年時代の研究を嫌っていたという。壮年期以後のニュートンの主な研究テーマとは錬金術であり、青年時代のそれは、いわずとしれた古典力学(もちろん古典と呼ばれるのはアインシュタイン以後)のことである。というわけで、まともな研究者という定義は微妙かもしれないので、かっこつきにした。


2004年09月23日

地中海型食生活

 地中海型の食生活と健康なライフスタイルに従って生きていると全ての死因による死亡率を半分に下げられるという論文が、JAMAに掲載されている。

 健全なライフスタイルには、適度なアルコール、禁煙も含まれる。それはまあ当然のことだろう。

 この手の論文の解析技術にはいつも感服してしまうけれど、死亡率が半分になるということは、この研究中に死亡した935人の高齢者(開始時点で70-90歳)の中には、地中海型の食生活その他の条件に当てはまっていたにも関わらず、お亡くなりになった方もおられるということだ。具体的に数字を挙げると、437人のとても健康的なライフスタイルの高齢者は、10年の間に245人お亡くなりになっている。

 逆にいうと、全然健康的なライフスタイルじゃないにもかかわらず、まだご存命のかたも多々おられるということになる。これも数字を挙げておくと、最初の246人のうち、10年後でも83人はご存命だ。

 長生きが単純に善だという前提に立てば、どちらが幸せなのかはいうまでもないが、だったらどんなライフスタイルでも良いのかと聞かれれば、やっぱりそんなわけはないので、後悔しないようなライフスタイルを選択することを、私は強く推奨する。

 え? 結論をごまかしてないかって? 別にごまかしているわけではない。

 この研究でも、女性の死亡率は男性の半分に過ぎない。健康なライフスタイルも地中海型食生活も関係なく、女性でありさえすればより長く生きることを期待できる。

 でも男は女にはなれないでしょう? それに、たとえ可能であったとしても長寿のために性転換をする男がいったいどれだけいるだろうか?

 ライフスタイルは元来変更自由なものだから違うといえるだろうか。そもそもライフスタイルってそんなに自由なものなのだろうか。

 以前、べつのところにも書いたが、胎児の奇形を願う母親という存在はありえないので、欧米でも日本でも若い女性は葉酸摂取に熱心だ。米国では40%の妊娠可能な女性が葉酸を含むマルチビタミン剤を飲んでいるというニュース最新健康・栄養ニュースにも載っていた。*

 同じような推論は、こと長寿に関しては成り立たないのではないかと思う。少なくとも、自分の子供に対するほどの熱心さでは。

 刹那的に生きるのがよくない理由はいくらでも挙げられるが、長生きすることがよい理由は、本人に資するものが妙に少ない気がするのと同じ理屈だろうか? どうして、生きていればいい人にめぐり合えるよ、とか、そのうちいいこともあるよ、とか、苦あれば楽ありだよ、とか……

 もうやめよう。

 私は父母を愛している。一日でも長生きしてほしいと心底思っている。それは言うまでもないことだ。

 疫学はそういう部分からは超越しているように見える。そして、わたしも、研究者の常として、毎日いろいろなニュースを取り上げるが、粗探しばかりしているということは告白しておかなければならない(でも疫学者ではない)。

 ジャンクフードが米国の肥満の原因だとする説があるが、料理人を雇えるような人が毎日ジャンクフードを食べるとは思えない。とすると、それは貧困が原因だと言っていることになるのだろうか。日本でだって、魚があんなに高いのに、毎日食べろって、よくいうよ、と思ったことないですか? ファミリーマートのサラダもどうしてあんなに高いの(しかも悲惨な状態だとだれか書いてたっけ)か。やっぱり不健康は貧困が原因なのだろうか。

 まさか、地中海式食生活……なっ、なんだアンタたちは、いったいドコから入って…ング…フ…ムグムグ……

*今週の健康・栄養ニュースは、私が夏休みをとっているので、別の人間が選んでいます。

2004年09月28日

旧盆? 十五夜?



 韓国では、旧盆の連休があるようですね。韓国FDAが食中毒に気をつけようポスター公開、という記事(日訳)が出ていました。


2004年10月04日

危険ダイエット食品

香港の厚生省は、9月30日付けで、新たに危険なダイエット食品への注意を呼びかける記事を掲載した。

2004年10月05日

ビタミン剤は健康に悪い

 Lancet誌に、「抗酸化ビタミン剤を飲んでも消化器系のがんを予防できるという証拠を見つけることができなかったばかりか、死亡率さえ上げるようだ」という系統総覧(システマティックレビュー)及びメタアナリシスによる論文が載り大きな話題をよんでいるようです。

低用量なら死亡率をあげることはないとのこと。でも、くれぐれもご注意を。
 

ただ薦めるだけでは…



 BMJ誌に掲載された系統総覧(システマティックレビュー)の論文によると、自動車に代えて徒歩や自転車の利用を高めるには、モチベーションをあらかじめ持つ特定の人に対する行動変容プログラムがもっとも効果的だったという。自治体のキャンペーン、自転車道の整備拡張、経済的理由などは、いくつかの論文の結果を総合するに、効果的である証拠があるとは言いがたいということだ。


 さすが、行動変容おそるべし。


 しかし、いずれにせよ、そういう変化が健康を向上させたという証拠はどこにもないという。


 じゃあ、行動変容おそるに足らず? 


 直感的に考えて正しいと思えることが正しいとは限らない、という例は古今東西枚挙に暇がない(まるで現国の例文のようだ)。アインシュタインやボーアなどの議論では、直感は邪魔者でさえあるように思える。


 とはいうものの、今回の論文では、行動変容以外の論文が少なすぎないだろうか。たぶんまだ時期尚早ではあるだろう。系統総覧の論文をしばらく見てきたが、今回のものや以前取り上げたWebで健康教育は可能かという論文などのように、明らかに総説(レビュー)なんて時期尚早と思われるものがけっこうある。


 いや、総説ならいい。総説に結論のないことが多いのは、研究者なら誰でも知っている事実である。でも、系統的に総覧して、時期尚早感が否めないなら、昔なら出版されなかったはず。それが、否定的な論文も出版するべきという風潮(それは望ましい)と重なって、こういうことになったのだろうか? 


 情報は増えるのだからそれでも良いのだが、そういう論文を読むとなんとなく釈然としない感じになる。


 総説(総覧は正確には違うものを指す)を中立的に書くのは当然に思えるので、中立的に判断して何の証拠もないという結論で系統総覧の出来上がり、で問題ないのかもしれない。研究者のゲットーという狭い世界から見ると、実際問題はない。そもそも対象になる論文はそれひとつで出版されているのであって、もともとそういう重みを持つものを複数対象にしているのだから、というのが一番分かりやすい理由だろう。


 でも、どうしてたった22報の論文で、少なくとも4つの全く違った方法によるノーカー運動推進の健康影響の評価を下せるだろうか? 正確にいうと、6つの行動変容の論文があり、健康影響はそのうち2つのRCTで評価されているだけだったという。他の方法ではそもそも有意に変化したとはいえないのだから、変化の健康影響はこの2報の結果を元にしているわけで、とてもわざわざ一節を割いて書く価値があるようには思えない。もっとも著者らもそのあたりは良く承知している(当たり前だ)ようだ。どうもこの論文の本当の価値は、一律に評価できないさまざまなスタイルの論文を系統的に評価したということにあるようだ。BMJが最近得意としている青い囲み記事にそんなふうに書いてある。


 最近の英国の医学誌はよくわからない。


2004年10月07日

母乳哺育と欲望



 シカゴ大学の研究によると、母乳哺育中の母と赤ん坊からは、ある種の化学物質が放出され、それによって他の女性を興奮させるのだという。ユリイカアラートの記事によると、これは人間では最初の化学的社会的信号物質に関する報告だそうだ。


 論文"Social Chemosignals from Breastfeeding Women Increase Sexual Motivation" は、"Hormones and Behavior" の最新号に掲載とのこと。


2004年10月08日

ノーベル文学賞



 ノーベル文学賞が決まったというニュースに関連して、朝鮮日報オンラインにノーベル文学賞は誰が選ぶのか? という読み物(日訳)が掲載されている。


「1901年に始まったノーベル文学賞の最も大きいミステリーはなぜ世界文学の20世紀の巨匠であるカフカ,ヘンリー・ジェームズ,コンラード,DHローレンス,ジョージ・オーウェル,マルセル プルースト,ジェームズ ジョイスらの文豪に賞を与えなかったかという点だ。 」(朝鮮日報オンライン、機械翻訳を一部修正)


フランス版国民栄養調査



 Yahoo! フランスの記事によると、2004年10月から12月にかけてフランス各地で食生活調査が行なわれるという。フランスでは厚生省が5年ごとに全国規模の調査をしているようだが、成人4000人、小児2000人という数字は日本のそれに比べるとずいぶん少ない気がする。


 フランス人と一口に言っても、世界中の植民地から来た人々もいて、食生活はかなり多様な気もするが、300家族はいったいどうやって選んでいるのだろう。


2004年10月12日

ウェブの10年



 W3Cが設立10周年ということで、ホームページを開設している。12月1日には記念シンポジウムも開催されるそうだ。


 ちなみに、このホームページにはW3Cには珍しく、写真がたくさん貼り付けてある。ティム・バーナーズ・リーの顔を見るのは初めてのような気がする。著書『Webの創成』の日本語版にも写真はなかった(あれはわたしのバイブルになっている)。


 khirotaがウェブをはじめたのは遅くても1995年6月より前だ。というのは、この月の部内報告会でHPを印刷して配った記録が残っているからだ。この時点ではまだ構築中の(当時流行だった工事中の)絵がついていたが、翌1996年3月までにはほぼ完成して公開されている。ただし、記憶では部長会で承認されて本当の公式ページになるのはさらに一年後だったように思う。


2004年10月14日

読み書きは必要

 JAMA今週号の論文によれば、糖尿病患者教育における患者の識字能力(リテラシー)は教育の成否に重要な影響をもたらすということだ。

 ということは、まずワードとエクセルとエクスプローラーの使い方から入るべきなのか(<これを称して論理の飛躍といふ^^;)

2004年10月19日

たちなおれない?



 BBCの記事によると、インターネット上で、生活習慣病を改善するようなどんな試みも、実際に患者を良くすることができないばかりか、悪くさえするという驚くべき系統的総説(システマティックレビュー)の結果が出た。しかも、これ、コクランコラボレーションという権威あるレビュー団体が出した結論なのである。


 理由は不明。


 さて、来年からやっとe-ヘルスを始める某国は、インターネット先進国でネガティブな結果が出された時点からの出発ということになるわけです。みなさん、がんばってください。


2004年10月20日

辛い話



つらいんじゃなくて、からいんです。


朝鮮日報の記事「辛い味の秘密…エンドルフィンがひも〜ひも (日訳)」によれば、韓国でますますからい料理が流行っているという。ストレスをからさで吹っ飛ばそうということらしい。


韓国は、とてもおいしそうだ。


2004年12月15日

アンチ贅肉食品



 パク・ヨンウ先生が薦める、アンチ皮下脂肪食品の記事(日訳)。朝鮮日報より。


2005年01月01日

今年もよろしくポリミール

 英国医学雑誌の論文によると、ポリミールは、自然で安全でより(ポリピルに比べたら)おいしくて、しかも循環器疾患を75%以上も低下させるそうだ。

 近いうちに、少し詳しく紹介します。

 というわけで、今年も、「リンクDEダイエット」コミュニティサイトをよろしくお引立てのほどお願い申し上げます。もうすぐキッズページが加わります。

2005年01月03日

ファーストフード・デブ



 Lancetの最新号の論文(同誌の論点欄記事)によると、ファーストフードを食べる回数が多いとより肥満になる傾向があることが15年に及ぶ追跡調査の結果明らかになったという。


 ファーストフードを摂取することでエネルギー収支が正に(つまり過剰摂取に)なりやすいためらしい。


 デンマークの王立栄養研究所所長アルネ・アストループのコメント記事も併載とのこと。


 自宅からでは本文にアクセスできないので、詳細は追って。


2005年01月06日

どれでもいいんだって

 JAMAの論文よると、無作為割付試験をすると、米国で超有名な、どのダイエット法(アトキンス、オーニッシュ、ウェイトウォッチャー、及びゾーン)を割当てられても、減量の達成率や達成できる体重には、さほど変化がないらしい。

 どのくらい忠実に実行できるかにかかっているようだ。超低炭水化物ダイエットのアトキンス・ダイエットと超低脂肪ダイエットのオーニッシュは、やはり継続率が他より低いという。でも、今回の方法のいずれも、肥満大流行を防止するものではないようである。

 とりあえず、どの方法でも継続できれば、LDL-コレステロールは低下し、HDL-コレステロールは上昇する。血圧と血糖値には変化を与えない。体重は、減る(2~3kgですが)。

 あっと。素朴な疑問がひとつ。

 無作為に割り付けられるからどの方法も同じような継続率になるのではないのでしょうか。研究的には無作為でないとあとの解釈に曖昧さが残るでしょうが、現実のダイエットでは、ダイエットをする各人の嗜好が影響してくると思うのですが、その場合でもいずれの方法も継続率は同じくらいなのでしょうか?

 でも、実際に研究してみると、こういう先入観は覆されることが多いので要注意ですね。科学的な方法論にはまだまだ信頼をおくべきだと個人的には思います。前節で書いたような疑問から、もし科学的な方法論によらなければ、どんな方向に話が発展するか…

(心理学に発展するとは一言もいっていませんから、念の為)

カモミール・ティー

 飲んだことはありますが、どくとくな味と香に馴染めないというか、それはそれで興趣がつきないという感じで、毎日飲みたいとは思いません。

 気のせいかもしれないけど、紅茶、緑茶、コーヒーのいずれかが与えてくれる安息感(といってもどれもかならずしも同じとはいわない)と同質のものを与えてくれる感じがしないというのが正直なところでした。

 ウーロン茶でさえ、そういう感じはあったのに(これは、茶としては紅茶、緑茶と同じ植物起源ですから当たり前といえば当たり前ですが)。

 でも、すみません、私は間違っていたようです。英国の研究者によると、カモミール茶はハーブティーとして立派な効能を持っているそうです。

2005年01月09日

世界に中心で、愛を叫ぶ前に



 野菜とフルーツを薦めましょう。化学療法で抗酸化物質が足りなくなるようです。


 論文は、『小児血液とがん』に掲載。


2005年01月23日

地中海ダイエット再び

地中海ダイエットというか、野菜とフルーツをたくさん摂ると大腸がんの予防効果があるということらしいです。JAMAです。BBCのニュースから。

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